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2016SUPER GT第5戦:このまま行けば全戦優勝も?富士で改めて感じたGT-R勢の強さ

早くも2016シーズンの前半戦が終了したSUPER GT。GT500は日産GT-R勢の勢いが止まらず、終わってみれば開幕4戦を全てGT-R勢が優勝するという結果に。特に第4戦富士で関係者全員を驚かせたのがランキング首位を独走している #1 MUTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)。84kgという重いウェイトハンデを背負いながら予選3番手、決勝も4位に入る大活躍を見せた。なぜ今年のGT-Rはここまで強いのか?今シーズンの彼らの戦いと、ここまでのGT-Rのマシン作りの部分を振り返ってみようと思う。

Photo by Tomohiro Yoshita

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どんな波乱が起きても“必ずGT-R”、なんと開幕4連勝をマーク!

Photo by Tomohiro Yoshita

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開幕戦の岡山では、1号車が序盤からリードし、終始力強い走りを見せてトップチェッカー。全車ウェイトゼロの初戦で王者らしい走りをみせた。

さらに#46S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/千代勝正)も大活躍。特に今季からGT500にステップアップした千代勝正のアグレッシブな走りは印象的で、3位だったものの優勝した1号車以上の存在感を見せつけていた。

ゴールデンウィークの第2戦富士は、まさにGT-R独壇場というレース展開。

しかしレース後半に46号車が痛恨のペナルティを受け後退。今季初優勝を目指していた#12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)だが、残り3周でタイヤトラブルに見舞われ無念のリタイア。

結果、1号車が開幕2連勝を飾ることになった。

Photo by Tomohiro Yoshita

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第3戦で予定されていたオートポリス大会は中止になり、約2ヶ月半空いて第4戦SUGOへ。

この時点で早くもウェイト80kgを積んでいた1号車だがクインタレッリが果敢に攻めてるがアタック中にクラッシュ。

この影響でほかのGT-R勢が十分にタイムアタックできず全車Q1脱落となってしまった。

決勝も多くのマシンにトラブルが発生し、セーフティカーも出動する波乱の展開となった中、光る走りをみせたのが #24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝)だ。

タイヤ無交換作戦を敢行し一気にトップへ。終盤は後続のライバルに追いつかれるが佐々木が踏ん張り、チームに今季初優勝を飾った。

Photo by Tomohiro Yoshita

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そして先週の第5戦富士。

ここでも予選からGT-R勢が活躍しトップ3を独占。決勝では12号車が圧倒的な強さをみせ2位以下に24秒以上もの大差をつけ優勝を飾る。

そして1号車も84kgものウェイトハンデを背負いながら終始3位争いを披露。最後はNSX勢の先行を許したが、ウェイトが軽いライバルたちとなんら変りない走りをみせていた。

こうして、終わってみれば陣営だけで開幕4連勝をマーク。近年は混戦状態になっているGT500の中で頭一つ飛び抜けた実力を発揮している。

 

2014年から始まった新車両規定が原因?

 

Photo by Tomohiro Yoshita

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2014年以降、結果だけを見ると圧倒的な強さを見せているGT-R勢。特に今年は異常なまでの強さをみせている。

ここで気になるのが、「なんでここまで速くて強いのか?」ということだろう。

実際には、様々な要因があるのだが、その一つとして考えられるのが、ベースマシンの完成度の高さだ。

2014年からドイツツーリングカー選手権(DTM)と車両規定を一部統合。シャシーやリアウイングなどは共通部品を使うことになった。

これにより、各メーカーが独自で手を加えられる箇所は非常に限られたほか、シャシーなどの根幹部分が共通部品として統一されているため、開発も基本不可能なのだ。

特に今シーズンは外観パーツ(フェンダーまわり)の形状変更も禁止となり、実質イジれるのはエンジンのみという状態だった。

そこで日産陣営はフラッグシップカーであるGT-RをベースにしたGT500マシンを開発したが、彼らが一番着目したのは「1年目からの勝負」だった。

Photo by Tomohiro Yoshita

2014年にお披露目されたGT-R。サイドスカートやフェンダーの形状は独特なものになっている(Photo by Tomohiro Yoshita)

翌年以降の開発が難しくなると一番最初の出来上がりが良いか悪いかが非常に重要になってくる。もちろん、この点についてはレクサスもホンダも前年後半からテストを重ねてマシンを準備したわけだが、当時の開幕前のテストを見ると日産陣営の気合いの入り方は少し違っていた。

彼らは車体の完成度の高さはもちろん、唯一独自パーツが認められているフェンダー周りの形状にも非常にこだわっており、他2社と比べても独特なデザインになっている。

これでマシンパフォーマンスをわずかながらであるが向上させ、それが今でも各レースで生かされているのかもしれない。

また開幕前のテストでも他社に手の内がバレないように、独自パーツは迷彩柄にして走行するなど、最後の最後まで相手を意識した動きを徹底していた。

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2014年のテストシーン(Photo by Tomohiro Yoshita)

こうしてデビュー当時から完成度の高いマシンが用意できたことで、2014年に3勝、2015年は4勝をマーク。そして今年は破竹の開幕4連勝を飾っている。

今年は外観パーツの改良ができない分、エンジンのレベルアップに力を入れてきた。その成果は、何度も繰り返し説明している通り、今年の結果を見れば一目瞭然だ。

デビューの段階から完成度の高いマシンを用意して来た日産勢。その中でも今年強さを見せている1号車は、なぜここまで強いのか?次のページで迫ってみようと思う。

 

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Writer Introduction
Tomohiro Yoshita

フリーのモータースポーツジャーナリスト。サーキット取材は2011年からスタートし、最近ではSUPER GTスーパーフォーミュラを全戦取材。この他にもF1をはじめとする海外レースや、2輪レースもカバー。レースに関する記事だけでなく、サーキットに来場するファンに役立つ情報発信も展開しています。http://www.kansenzyuku.com

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