2006:triple a サード スープラGT

出典:http://ms.toyota.co.jp/

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2006年はメインスポンサーがデンソーからtriple aに変わり、カラーリングが大幅に変更。

ゼッケンも39番から66番に変わりました。この時のドライバーはアンドレ・クート選手と平中克幸選手。

平中選手はこのトリプルエーサードスープラがGT500へステップアップした最初のマシンになります。

この年はトヨタ陣営がレクサスSC430を投入した年で、マシンが供給されたのはセルモ・チームルマン・クラフト・トムスの4チームのみ。

チームつちやとサードの2チームは前年までのスープラを使用して参戦することに。

新型車両と比べるとやはり戦闘力的には厳しく、シーズンを23位で終えています。

 

2007~2008:デンソーサードSC430

2007年仕様(出典:http://ms.toyota.co.jp/)

2007年仕様(出典:http://ms.toyota.co.jp/)

2007年からはサードにもレクサスSC430が供給されます。また、メインスポンサーがデンソーに戻ったことで、伝統のカラーリングが復活。

ドライバーは前年に引き続き、アンドレ・クート選手と平中克幸選手のペア。

流石にシェイクダウン直後は熟成がうまく進まなかったのか、厳しいレースが続きますが、第8戦のオートポリスでは3位表彰台を獲得。シーズンを15位で終えます。

2008年は、デンソーだけでなくダンロップも冠スポンサーとなり、DENSO DUNLOP SARD SUPRAとしてエントリー。

ドライバーは高木虎之介選手とアンドレ・クート選手。第6戦の鈴鹿1000kmでは嵯峨宏紀選手も第3ドライバーとして登録されています。

この年は表彰台未獲得。シリーズは21位で終えています。

 

2009:DUNLOP SARD SC430

2009年仕様(出典:http://ms.toyota.co.jp/)

2009年仕様(出典:http://ms.toyota.co.jp/)

所謂09規定と言われるレギュレーションが実装された2009年。

GT500車両はフォーミュラ・ニッポンと同じ3.4リッターV8エンジンのワンメイクかつFRレイアウトへと統一されました。

パドルシフトの採用が統一されたのもこの規定からです。

この年のサードのマシンは、大幅にカラーリングを変更。デンソーカラーを残しつつも車体上部のデザインがこれまでと大きく異なります。

ドライバーは、引き続きアンドレ・クート選手と、2016年もサードでドライブしており、前年300クラスでルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した平手晃平選手。

この時がGT500クラスのデビューイヤー。当時23歳でした。

第5戦のSUGOでは3位表彰台を獲得するも、シーズン通して厳しい戦いが続き14位で2009年シーズンを終えています。

 

2010~2011:DENSO DUNLOP SARD SC430

2010年仕様(出典:http://ms.toyota.co.jp/)

2010年仕様(出典:http://ms.toyota.co.jp/)

2010年からは再びデンソーカラーが復活。

ドライバーは昨年に続いてアンドレ・クート選手と平手晃平選手。第8戦はカルロ・ヴァンダム選手もドライブしています。

しかし、この年も厳しい戦いが継続。シーズンを12位で終えています。

2011年はドライバーを一新し、石浦宏明選手と井口卓人選手のコンビで参戦。エントリー名もDENSO SARD SC430に変わります。

井口選手に関しては、前年はaprトヨタカローラアクシオで300クラスを戦い1勝・シリーズ5位という成績から、この年に500クラスへステップアップ。

デビューイヤーを、KRAFTから移籍してきた石浦選手と共に戦うことになります。

ここまで厳しいシーズンが続いていたサードでしたが、この年は第4戦のSUGOでは2位表彰台を獲得、そして最終戦のもてぎでも3位を獲得し、シーズンを7位で終えています。

 

2012~2013:DENSO KOBELCO SC430

2012年仕様(出典:http://ms.toyota.co.jp/)

2012年仕様(出典:http://ms.toyota.co.jp/)

近年も見慣れた赤と青と白のカラーリングはここから始まります。デンソーコベルコSC430!

ドライバーには、前年から引き続き石浦宏明選手と、GTで3度のシリーズチャンピオンに輝いている脇阪寿一選手。

開幕戦の岡山で2ポイントを獲得し、挑んだ第2戦富士500km。ラップは110周。

予選3番手からスタートしたこのレース。スタートドライバーは石浦選手。サーキットはウェットコンディションの中、多くのマシンが雨は止むと判断し、スリックを選択。

出典:http://supergt.net/

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しかし雨は強くなるばかりで、2週目には13台ものマシンがピットになだれ込むことに。この時の混乱でサードのSC430は6番手まで後退。その後他車との接触でコースオフ、これで9位まで順位を下げてしまい、かなり不利な状況に。

しかし、石浦選手の猛プッシュでこの後怒涛のオーバーテイクショーを披露。9週目には4位まで順位を上げ、路面が乾き始めた14周には機を逃さずピットインしてドライタイヤに。

更にプッシュを続け、26周目にはついにトップに立ち、そのまま45周を走り抜くという鬼気迫る走りを見せて脇阪選手にバトンタッチ。

そのまま逃げ切りを図りますが、トラフィックによって思うようにペースを上げられず、17号車のKEIHIN HSV-010 GTにジリジリと差を詰められます。

出典:https://www.youtube.com

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なんとか82周まで抑えきり、全く同じタイミングでピットに飛び込んでくる39号車と17号車。ここでピット作業が功を奏し、17号車を突き放すことに成功します。

このピット戦略の都合で、前に12号車カルソニック IMPUL GT-Rと100号車レイブリックHSV-010GTを置いて3位でコース復帰。ここから石浦選手が再び猛プッシュをスタート。

天候が悪化し12号車がピットへ入ってレインタイヤに交換、ここで石浦選手はなんとドライタイヤを選択し、2位に浮上。

そのままプッシュを続け、106周目でついに100号車をオーバーテイク!そのまま110周、500kmを走り切り見事優勝を手にしました。

出典:http://supergt.net/

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この時の優勝は2004年のセパン12台抜き以来。8年ぶりのサードの優勝に、チームもファンも大歓喜しました。

このシーズンはそのまま安定してポイントを獲得、シリーズ3位で終えています。

富士での優勝は、ハイライトの動画がありますので、併せてご覧ください。

 

2013年はまたも同じ脇阪寿一選手と石浦宏明選手のコンビ。第3戦で2位表彰台を獲得し、安定してポイントを獲得するも、シリーズは7位で終えています。

 

2014~2016:DENSO KOBELCO SARD RC F

2016年仕様(Photo by Tomohiro Yoshita)

2016年仕様(Photo by Tomohiro Yoshita)

2014年、GT500クラスの車両はDTM(ドイツツーリングカー選手権)と車両規格が統一することとなり、大幅にレギュレーションが変更になりました。

主に、全車共通モノコックの採用と左ハンドル化、搭載するエンジンは直列4気筒2リッター直噴ターボエンジンであること等がレギュレーションで縛られています。

ここでトヨタ陣営は、これまでのレクサスSC430からRC Fを投入。サードもデンソーコベルコサードRC Fでエントリーしています。

そんな初年度にあたる2014年、引き続きドライバーの石浦宏明選手とコンビを組んだのはオリバー・ジャービス選手。

しかし、シーズン通して厳しい戦いが続き、13位で1年を終えます。

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2015年仕様(出典:http://supergt.net/)

翌年2015年、ドライバーを一新し平手晃平選手が2010年ぶりにサードへ戻ってきます。

ペアを組むのは元F1ドライバーであるヘイキ・コバライネン選手。しかし、このシーズンも厳しい戦いが続き、シリーズは14位止まり。

ですが、ここから1年でヘイキ選手のドライビングが大きく変わり、フォーミュラのような乗り方からGTマシンにあわせたドライビングに変化。

Photo by Tomohiro Yoshita

Photo by Tomohiro Yoshita

そして迎えた2016年。

ドライバーは変わらず平手選手とヘイキ選手。開幕戦から7位入賞でポイントを獲得すると、第2戦富士と第4戦SUGOで2位表彰台を獲得。

その後も一度も入賞圏内以下を走ることなく、コツコツとポイントを重ね、迎えた11月のもてぎ。

第3戦を予定していたオートポリスが熊本地震の影響で延期されたため、土曜日に第3戦の代替えレース、日曜日に最終戦という異例のスケジュールで争われたこの二日間。

第3戦ではポールポジションを獲得し、決勝でもホールショット、トップを快走します。辛くもタイヤ無交換作戦でトップに立ったフォーラムエンジニアリングGT-Rに優勝は奪われてしまいますが、ここで2位表彰台を獲得し、ランキングトップに躍り出ます。

 

そして迎えた最終戦。

予選ではなんと二日連続のポールポジションを獲得。

決勝でも危なげないレースを展開し、独走。

第3戦までポイントリーダーだった1号車のモチュールGT-Rとの位置関係によってはシリーズチャンピオンの権利を失う状況でしたが、一度も危ない場面を見せることなくラップを重ねます。

フィニッシュ間際に6号車のワコーズ4CR RC Fとテールトゥノーズのバトルを展開することになり、ブレーキングで大きく詰め寄られるも、ヘアピン・90度コーナーともにポジションは譲らず、見事にトップチェッカーでフィニッシュ。

2012年以来の優勝。そして、1994年から22年間GTに参戦し続けて初めて獲得した、悲願のシリーズチャンピオンでした。

 

まとめ

Photo by Tomohiro Yoshita

Photo by Tomohiro Yoshita

22年間の歴代マシンを駆け足で振り返ってまいりましたが、いかがだったでしょうか?

GTの初年度から参戦を継続している老舗レーシングチームSARD。

ルマンでクラス優勝すら果たしているこのチームが22年かけてやっと手にすることができるGTのシリーズチャンピオンというのは、本当にレベルが高いものなのでしょうね。

そして、こうやって並べて見てみると、一貫したDENSOカラー。

多少変化はあれど、22年間(ルマンを含めるともっと長いですが)ずっと同じ冠スポンサーがついているということも、ひとつの大きな功績ですよね。

こういった事実からもサードというチームが周りからどのように見えているのか、わかるような気がします。

2017年は、レクサスは新車投入。デンソーコベルコカラーのLC500に、今から期待してしまいますね!

 

SARD公式HP

 

 

 

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