予選が得意なドライバー

©︎Red Bull Content Pool

では、ガスリーとはどんなドライバーなのか?昨年のGP2を観ていると、特に予選で速さをみせていたのが印象的だった。

全11大会中、約半分にあたる5回でポールポジションを獲得。特にシーズン終盤は連続してトップタイムを記録。実際にガスリー自身も予選での1周タイムアタックというのが好きなようだ。

「どちらかといえば、予選での1ラップで全てを出し切るという状況が大好き。自分の全てのポテンシャルを、そこに出し切るのがエキサイティングだと思うし、実際に結果も出ているからね」

実は、予選が得意というのはスーパーフォーミュラでは大きな強みになる。

現在は特にドライバー間の差が少なく、予選でも0.001秒単位で順位が決まるのが当たり前。それゆえに決勝レースでもなかなか追い抜きシーンが見られず、結局グリッド順(予選結果)が決勝の結果に大きく影響する。

つまり、予選で前に出られるか否かが、レース勝利に繋がる大きな鍵となっているのだ。

そこでガスリーは一発勝負のシチュエーションが得意ということを考えると、もしかすると開幕戦から上位進出の期待ができそう。

またタイヤマネジメントという点においても、スーパーフォーミュラに来ることは自身にとってはプラス材料になると考えている。

©︎Tomohiro Yoshita

「決勝でのタイヤマネジメントに関しては最初は僕にとっては弱点だった。GP2のピレリタイヤは僕のドライビングスタイルに合わなかったです。そこから少しスタイルを変えて、タイヤのことを考えて調整をしなきゃいけなかった部分があったよ」

「今年スーパーフォーミュラで使うヨコハマタイヤは、もっとアグレッシブなドライビングでもいけると思っているので、僕の特徴を活かしていきたいと思う」

この2つの要素が実際にどうなるかは開幕戦になってみないと分からないが、昨年までのバンドーンとは違うレース運びが見られそうだ。

 

憧れはアイルトン・セナ

©鈴鹿サーキット

ガスリーの憧れのドライバーについて聞いてみると、返ってきた答えは意外にもアイルトン・セナだという。

「一番のアイドルはアイルトン・セナ。彼の哲学や在り方は素晴らしくて、また感情的でもあった。そういった部分が非常に好きだったよ。好きになったきっかけはドキュメンタリー番組。そこから彼の記事をたくさん読んで、勉強もしたし、徐々に彼を尊敬するようになっていった。パドックではかつて彼と一緒に仕事をした人からも話を聞いて、改めてレジェンドなドライバーだなと思っているよ」

そして、もう一人名前を挙げたのが同郷出身のドライバーであるジュール・ビアンキ。彼は一足早くF1で活躍していましたが、2014年の日本GPでの事故で亡くなってしまったドライバーだ。

「もう一人はジュール・ビアンキだね。子どもの頃から友達で、休暇やトレーニングなどたくさんの時間を一緒に過ごしました。すごく近い存在だった。彼の考え方も素晴らしくて、絶対に諦めない、勝つために全てを尽くすということを目標として頑張っていたので、僕も同じような考えを持っている。彼の最後のレースとなったのが鈴鹿サーキットで、今年僕も鈴鹿で走るときには、きっと感情的になるかと思う」

©︎Tomohiro Yoshita

まだ21歳と若いドライバーだが、非常にしっかりした考えを持っているなという印象。ますます彼の走りがどんなものなのか、スーパーフォーミュラでの開幕戦が待ち遠しいものだ。

 

非常に“フレンドリー”

©︎Tomohiro Yoshita

今回、ホンダのモータースポーツ体制発表会での取材で強く感じたことが、メディアへのインタビュー対応がものすごく丁寧なこと。

2年連続でGP2王者がやってくるとあって、この日も多くの報道陣に囲まれたガスリー。個別取材の対応を含めると、丸一日メディア対応に追われていたことになった。

なのに、彼は嫌な顔一つせず、さまざまな質問にも丁寧に回答。逆に「これだけ多くのジャーナリストさんやメディアの皆さんに来てくれて、本当に嬉しいよ。今シーズン、僕もできる限りの情報を皆さんにお届けできるように協力したい」と言ってくれるほど。

実際にレースウィークになるとどうなるかは分からないが、メディアも巻き込んで自分のアピールを積極的にしていこうというところが見られた。

おそらく、こう言った部分がレースにも少なからず(良い方向に)影響していくのではないかという、印象だった。

 

まとめ

©︎Tomohiro Yoshita

ガスリーに関しては、まだSF14をテストドライブしておらず、具体的なポテンシャルが分からない状況。だが、彼も来年のF1ステップアップを目指しているだけに、この1年が非常に重要なものになる。

一つだけ言えることは、冷静にレースを進めていった昨年のバンドーンとは異なり、積極的に攻めていく走りを好みとしている様子。それが、このスーパーフォーミュラでどんな結果を生み出すのか。4月の開幕戦まで待ちきれない。

 

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