メルセデス・ベンツ AMG ビジョン グランツーリスモ レーシング シリーズ

20世紀中頃のモータースポーツ黎明期、ドイツのナショナルカラーを纏い”シルバー・アロー”と恐れられた「メルセデス・ベンツ」。

VGTの為に彼らがデザインしたのは、かつての名車「300SL」をオマージュした美しい「メルセデス・ベンツ AMG ビジョン グランツーリスモ」でした。

更にレース仕様として細かなブラッシュアップが為されたのが、今回ご紹介するこの「レーシング シリーズ」です。

快適装備を取り除くことにより、ロードバージョンより軽量な1300kgという重量を達成しています。

トランスミッションはロードモデルの7速デュアル・クラッチから、タフなシーケンシャル・ミッションに換装。5.5L V8ツインターボの600psという強大なパワーを4輪に伝えます。

「狩りをするネコ科の肉食動物」というデザイン・モチーフに違わぬ、アグレッシブさと品の良さを兼ね備えたマシンと言えるでしょう。

 

アルピーヌ ビジョン グランツーリスモ


2017年のジュネーヴ・モーターショーにおいて、待望の市販モデル「A110」を発表しブランド復活を遂げたアルピーヌ。

それにさきがけ、GTの為に同ブランドのデザイナーによって生み出されたのが「アルピーヌ ビジョン グランツーリスモ」です。

「俊敏さ、楽しさ、それを形にしたスタイル」という彼らのポリシーを形にしたフォルムは、かつてスポーツカーレースで名を馳せた「A210」など、伝説的マシンへのオマージュが散りばめられています。

サイド・エア・ブレーキなど実用的かつ斬新なギミックや、専用にデザインされたレーシングスーツからも、VGTに対するアルピーヌの本気度を垣間見ることができます。

 

アストンマーティン DP-100 ビジョン グランツーリスモ

英国の誇る至高スポーツカーブランド「アストンマーティン」。

近年では伝統的でエレガントなロードモデルをリリースする一方で、究極の走りを追求した「ヴァルキリー」などのハイパースポーツを世に送り出しています。

この「アストンマーティン DP-100 ビジョン グランツーリスモ」は、今振り返るとその先鞭をつけた存在だったと言えそうです。

まず特筆すべきはFR(フロントエンジン・リアドライブ)が主体のラインナップを打ち破る、ミドシップレイアウトを採用している点ではないでしょうか。

野太いサウンドを轟かせるV12ツインターボ・ユニットは811PSを発生し、これをエアロダイナミクスを追求したカーボンファイバー製のボディで包み込んでいます。

DP-100はあくまでデザイン・コンセプトとされつつも、シャシーやサス・アライメントの設計など、すべてのプロセスが「実車の開発」と同じ様に進められているのも注目すべきポイントだと思います。

VGTという舞台を生かし、同社のブレークスルーとなるハイパースポーツ開発に初めて挑んだ記念すべきマシンと言えそうです。

 

レクサス LF-LC GT ビジョン グランツーリスモ

レクサスがVGTの為に提案するのは、2012年に発表されたプレミアムスポーツクーペ「LF-LC」にレーシングモディファイを施した「 LF-LC GT ビジョン グランツーリスモ」です。

同社によるスーパースポーツ「LFA」に変わりレクサスブランドを背負うこのフラッグシップモデルは、FT-1と同様に「CALTY DESIGN」の手によるもの!

ジェット機のアフターバーナー(ジェット噴出口)をモチーフにしたテールランプなど、アグレッシブかつ完成度の高いデザインを、スパルタンなレース専用ディテールがより一層引き締めています。

エンジンなどの詳細は明かされていないものの、ターボ搭載ながら13000回転までスムーズに吹け上がるそのエンジンサウンドは、レクサスがスポーツカーに求める感性を表現したものと言えるでしょう。

LF-LCについては市販モデル「LC500」が既にデビューを飾っており、国内最高峰である「スーパーGT」にはそのレース仕様車「LC500 GT」が参戦を開始しています。

現時点では、最も近い形で現実になったVGTマシンと言えるかもしれません。

 

シボレー シャパラル 2X ビジョン グランツーリスモ


鬼才ジム・ホールが1960年代に立ち上げ、北米における「Can-Amシリーズ」で活躍した伝説的レーシング・コンストラクター「シャパラル」。

ゼネラル・モーターズの最新技術をテストする役割も担っていたシャパラルは、トルコン式セミオートマチックや、自動車史上初の可変式リアウイングの実用化、また車体後部のファンで強烈なダウンフォースを稼ぐ「ファン・カー」…などなど、奇抜な発明で何度も世間の度肝を抜きました。

そんなシャパラルが、もし現代に甦ったら…。という夢を形にしたのが、この「シボレー シャパラル 2X ビジョン グランツーリスモ」。10年先の技術を現実にしてきた自らへのオマージュとして、近未来的テクノロジーが結晶したマシンとなっています。

ドライバーの頭部が前方にせり出す、まるでバイクの様な搭乗姿勢も極めて斬新ですが、
前代未聞のレーザー・パルスによる推進機関をパワープラントに採用していることも大きな特徴でしょう。

航空宇宙分野で研究が進んでいる未来のテクノロジーですが、物理計算をもとにいち早く”実用化”出来てしまうのもVGTならではの魅力です。

ゲーム内では「パチパチ」という独特な機関音を響かせながら、あっという間に400km/hオーバーまで加速する恐ろしいパフォーマンスを体感することが出来ます。

 

マツダ LM55 ビジョン グランツーリスモ


「魂動」デザインと呼ばれる官能的なデザインで、いま再び世界を席巻する「マツダ」。

そんな彼らのレース活動における最大の栄光は、1991年のル・マン24時間レースにおける総合優勝ではないでしょうか。

これは歴史上ただ1台の「4ストロークエンジン以外」、つまりロータリーエンジンによるルマン優勝という偉業でもあるのです。

この「マツダ LM55 ビジョン グランツーリスモ」は、あの日のル・マンを制した「マツダ787B」を現代のテクノロジーによって蘇らせたマシンと言っても過言ではありません。

エンジンについて詳細は明かされていないものの、耳をつんざく美しいエキゾーストノートは、「天使の絶叫」と称されたあのロータリーサウンドそのもの。

ミドシップにエンジンを積みながら4輪を駆動するパワートレインは、おそらく電動モーターを組み合わせたハイブリッドシステムによるものと思われます。

ちなみに車名となっている「55」という数字は、ル・マン総合優勝を果たした際のカーナンバーに由来するもの。

2015年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、細部まで再現された実物大モックアップが公開され、会場中央のグランド・モニュメントにも787Bとともにディスプレイされていました。

 

ヒュンダイ N2025 ビジョン グランツーリスモ

「ヒュンダイ」がVGTを通じて世界に提案するのは、システムトータル出力884PSという恐るべきポテンシャルを誇る究極のEVマシン「ヒュンダイ N2025 ビジョン グランツーリスモ」です。

既に水素燃料電池の量産技術を有する彼らのテクノロジーをベースに、高性能車を提案する同社の新ブランド「N」を体現する未来的なデザインが与えられています。

洗練されたベンチュリー構造を持つシャシーは、リアウイングを持たないながらも強烈なダウンフォースを発生。

EVの動作原理を生かしたレースカーらしい「サウンド」にもこだわりが加えられており、ドライバーの感性に訴えるようなチューニングが施されているのです。

このマシンは次回作「グランツーリスモSPORT」に収録される予定となっています。

 

ブガッティ ビジョン グランツーリスモ


1920年代のモータースポーツ草創期、伝説的名車「タイプ57」シリーズでスポーツカーレースに一時代を築いた「ブガッティ」。

機能と美しさを両立させることに情熱を注いだ彼らは、高いパフォーマンスはもとよりエンジンルームの仕上げにまでこだわった、美術品の様なレーシングカーを数多く生み出しました。

その栄光の歴史に名を連ねる新たな象徴「ブガッティ・シロン」をベースに、原点回帰ともいえる純レース・マシンへと仕立てられたのが「ブガッティ ビジョン グランツーリスモ」です。

1937年及び1939年のル・マン24時間レースを制した「タイプ 57 タンク」をデザインモチーフとしつつ、エアブレーキとDRS機能を持たせたセンターフィンなど、そのテクノロジーは徹底的にリアリティを追求したものとなっています。

ひとつひとつのディテールは速く走る為のものですが、結果的にブガッティらしい重厚な機能美を纏ったクルマとなっているのです。

このマシンも「グランツーリスモSPORT」での初収録が予定されています。

 

まとめ

自動車の新たな視点と言える「ビジョン・グランツーリスモ」の世界。いかがでしたか?

実物大のモックアップがモーターショーなどのイベントに出展されたクルマも多く、これはメーカーにとってVGTが重要な存在であることを物語っています。

次回作「グランツーリスモSPORT」でも、まだ見ぬ可能性が次々と提示されていくことでしょう。

尚、今回はレーシングカーに焦点を当てましたが、次回は「ロードカー」のコレクションもご紹介する予定です。

 

クレジット

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