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美人は三日で飽きる。ザガートが作った独特なルックスのクルマ5選

スタイルが良くて顔が良ければ、モテるのは当たり前。しかし今回ご紹介するのは「美人とは違うけど、なぜかじっと眺めてしまう」摩訶不思議な魅力を持った名門カロッツェリア「ザガート」が生んだクルマたちです。ハマれば最高に好きになる、独特な世界観をお楽しみください。

Photo by davocano

「ザガート」って何?

Photo by Paulo.hvo

1919年、航空機の機体製造技術を生かしたカロッツェリア(少量生産の自動車工房)としてその歴史をスタートさせた「ザガート」。

特に1950年代から60年代にかけて隆盛を極め、ランチア、フィアット、アルファロメオ、マセラッティ、時にはフェラーリに至るまで、数多くの作品を世に送り出してきました。

他に例を見ない独創的な感性で作られたクルマたちは、少量生産もしくは個人からのオーダーによる特別な物ばかり。

「Z」のロゴマークと、ルーフの上に2つこぶを持つ「ダブルバブルルーフ」が、デザイン上のアイコンとしてよく取り入れられています。

 

ランボルギーニ 5-95 ザガート

Photo by Marco 56

一目でランボルギーニとわかるのに、見たこともないこちらのクルマ。

カーコレクターとして著名なAlbert Spiess氏の為に特注されており、ベースとなっている「ガヤルド LP570-4」の面影はほとんどありません。

同じ傾斜でウィンドウからノーズへと続くライン、そして短いリアオーバーハング、真横から見ると見える”山型”のシルエットは、どことなく巨匠マルチェロ・ガンディー二が手がけた「ストラトス・ゼロ」を彷彿とさせます。

最高に好き嫌いの分かれるデザインだと思いますが、「未来のクラシックカー」という、未だ見ぬ価値観に挑戦した熱い意欲作なのです。

 

ランチア フラビア スポルト ザガート

1961年代に登場したランチアのミドルクラス・サルーン「フラビア」。

ベルリーナ(4ドアセダン)とクーペはピニンファリーナによる上品なデザインでしたが、のちに追加されたハイパフォーマンスモデル「スポルト」には、ザガートが手がけたこのスペシャルボディが与えられたのです。

このフラビアスポルトザガート、ドアの後端部からは、まるで別のクルマのように様相が変わります。

そのエキセントリックなデザインは、一度見たら決して忘れられないほど強烈な個性を持っています。

フォルムに負けずメカニズムも先進的で、アルミブロックの1.5L水平対向エンジンには、ハイパフォーマンス・エンジンの象徴ともいえるツインキャブを装着。

当時としては珍しかった前輪駆動を採用した足回りは、4輪すべてにディスクブレーキを備えており、決して見掛け倒しではない本格派スポーツカーに仕上がっていました。

 

アルファロメオ SZ/RZ (ES30)

Photo by Charlie

1989年のジュネーヴ・モーターショーで発表された、アルファロメオのコンセプトカー「ES-30」。

ザガートが全面的に手がけたそのデザインをもとに、アルファロメオ社内で練り直された市販モデルがこの「SZ(Sprint Zagato)」でした。

210psを発生する3.0L V6エンジンに、トランスアクスル方式のFR(後輪駆動)を採用。

足回りには当時のグループAレースからのフィードバックが取り入れられるという、高いポテンシャルを秘めたスポーツクーペでした。

そして、夢に出てきそうな奇抜なフォルム…案の定、イタリアでは「イル・モストロ(怪物)」という愛称が付けられていた様です。

 

Photo by Kieran White

SZは1989年から1991年のわずか2年間のみ生産。

その後を引き継いだロードスターモデル「RZ」も同様に2年間のみラインナップされました。

そのデザインのみならず、アルファロメオ製の貴重な後輪駆動マシンとしても、今尚根強い人気を誇っている隠れた名車なのです。

 

ザガート・ステルビオ

Photo by davocano

日産車をベースに、ニッチで魅力的なカスタムカーを数多く生み出してきた「オーテック」。

ハコスカGT-Rの開発主査として知られる櫻井眞一郎氏が、創設時に社長を務めていたことでも知られています。

この「ザガート・ステルビオ」も櫻井氏が多くの部分で携わったといわれ、一切妥協のないスペシャリティカーとして企画されました。

UF31型レパードをベースに、3.0L V6 ターボエンジンにチューニングを施し自主規制ギリギリの280psを達成。
最大トルクも当時のR32型GT-Rを上回る41.0kg-m、という強力なスペックを誇っています。

しかしそんな仕様説明も耳に入らないほど、強烈な見た目…一度見たら、目に焼き付いて離れないレベルだと思います。

 

Photo by davocano

ザガートの手によるアルミ製のボディパーツは、ほとんどハンドメイドのクオリティといえる美しい仕上がり。
ボンネット素材には、贅沢にもカーボンファイバーが使われています。

また、特に気になる鮫のエラのようなフェンダーの出っ張り。実はこの中にはフェンダーミラーが仕込まれています。

「1870万円」という超絶バブリーなプライス設定も驚愕!当時としてはまさに桁違いの国産車でした。

たまに中古市場にも出現する様ですが、全世界200台限定、見かけたら超ラッキーなレア車であることを付け加えておきましょう。

 

アストンマーティン V12 ザガート

Photo by Gerard McGovern

今回最後を締めくくるのは、本特集の趣旨とは異なる、”美人”過ぎるかもしれない「アストンマーティン V12 ザガート」です。

1960年に登場した両社最初のコラボレーション「DB4GTザガート」へのオマージュとも言えるこのマシン。

ロングノーズ・ショートデッキのクラシックな佇まいと、最新のエアロダイナミクスが融合した見事な機能美を纏っています。

ベースとなっているのは同社の「V12ヴァンテージ」ですが、ほとんどワンオフと違わぬ工程でハンドメイドされるアルミ製のカウルにより、その印象は大きく異なったものに変化を遂げています。


Photo by Abdullah AlBargan

合わせて2011年からは、ニュルブルクリンク24時間を始めとするレースにもワークス体制で参戦。2012年には同レースでクラス2位という成績も残しています。

当初は150台限定とアナウンスされていましたが、もともとレース出走のホモロゲーション取得が目的という面もあり、最終的には60台強が生産されたのみとなっています。

本気を出せば大半のスポーツカーファンのツボを簡単に抑えられてしまう、ザガートの底力に脱帽した名車と言えるでしょう。

 

まとめ

伝統と斬新な創作意欲が絡みあう、「ザガート」の名車・珍車たち。いかがでしたか?

「わかる人にわかればいい」という、その潔さ…カーデザインの奥深さを、身を以て教えてくれる存在ですね。

しかし、これからは彼らの時代が再びやってくるかもしれません。

EVの発展で開発コストが下がり「クルマ専業ではないメーカーの進出」も噂される、ここ最近のクルマ業界。

自動車にも、アンチ大量生産の”多様化時代”がやって来ようとしているのです。

ザガートのような、ニッチな感性を持ったカロッツェリアが、元気を取り戻す時代…すごくワクワクしませんか?

今なお精力的に活動を続ける名門カロッツェリアたちの作品、機会があればまたご紹介したいと思います。

 

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Writer Introduction
Shinnosuke-Miyano

20代の頃はメカニックをしたり、お洋服の仕事をしたり、とりとめのない日々を送ってきました。 クルマの楽しさやレースの奥深さを、時にマニアックに、時にエモーショナルにお伝えしていければと思います。 https://www.facebook.com/shinnosuke.miyano

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