エコカー代表・プリウス

 

出典:http://ms.toyota.co.jp/

 

GT-Rと肩を並べる存在であり、GT300にも参戦しているポルシェやフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーは速く走ることを目的として開発された車なので、GTカーとしての潜在能力は高いといえるでしょう。

しかし、そんな高い潜在能力を持ったマシンに対抗すべく、立ち上がった国産エコカーが存在するのです。

それは、今やエコカーの代名詞ともいえる、トヨタ・プリウス。

世界を代表するスーパーカーがひしめくGT300クラスに参戦し、なんと優勝も経験しています。

スーパーカーにも勝る、プリウスとはいったいどんな車なのでしょうか。

市販車とレーシングカーのプリウスを比較してみましょう。

 

出典:https://supergt.net/news/single/16986

 

2017年 TOYOTA PRIUS GT GT300 スペック

ベース車両:TOYOTA PRIUS
全長×全幅×全高(mm):4620×1950×1150
ホイールベース(mm):2700
車軸重量(kg):1150
エンジン型式・仕様:RV8K 水冷V型8気筒自然吸気+ハイブリッド

駆動方式:MR
排気量(cc):3400
最大出力:300ps以上
最大トルク:40kg-m以上

 

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9#/media/File:2015toyota_prius(ZVW50)_a_2WD.JPG

 

2017年 TOYOTA PRIUS PHV スペック

ベース車両:TOYOTA PRIUS
全長×全幅×全高(mm):4540×1760×1470
ホイールベース(mm):2700
車軸重量(kg):1310
エンジン型式・仕様:2ZR-FXE 水冷直列4気筒自然吸気DOHC+ハイブリッド

駆動方式:FF
排気量(cc):1797
最大出力:98P/5200rpm
最大トルク:14.5kg-m/3600rpm

 

市販車とGTマシンのプリウスを比較してみましたが、スーパーカーに勝てるプリウスはやはり普通のプリウスではありませんでした。

エンジンの搭載位置や駆動方式の変更を受け、エンジンも高出力の物に換装されていますが、それでもハイブリッドシステムが搭載されているところが注目するべきポイントで、このハイブリッドシステムは市販車のハイブリッドシステムが使用されており、レース専用設計のプリウスでありながら市販車の技術もしっかり盛り込まれているのです。

トヨタのハイブリッドシステムが優れていること、そしてレースでも通用することを証明するために様々な変更と改良を受けて参戦したこのプリウスGTは、新しいレーシングカーの未来を提案したといえるのではないでしょうか。

 

より市販車に近く・BRZ

©Motorz

 

現在の日本で、一番人気のあるスポーツカーともいえる、スバルBRZ/トヨタ86もスーパーGTに参戦しています。

トヨタ86は汎用シャシーを使用したマシンが参戦していますが、スバルBRZは専用設計の車両で参戦しているのです。

このBRZ GT300の開発コンセプトは、「市販車により近い車両」といわれており、あまり大きなモディファイをせずに戦える車両開発を行ったようです。

そこで、どれほど市販車に近い車両なのかを比較してみました。

 

出典:https://supergt.net/news/single/16986

 

2017年 SUBARU BRZ GT300 スペック

ベース車両:SUBARU BRZ
全長×全幅×全高(mm):4565×1950×1160mm
ホイールベース(mm):2680
車軸重量(kg):1150
エンジン型式・仕様:EJ20 水冷水平対向4気筒 シングルターボ

駆動方式:FR
排気量(cc):1994
最大出力:350ps以上
最大トルク:45.0kg-m以上

 

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%BBBRZ#/media/File:Subaru_BRZ_101.JPG

 

2017年 SUBARU BRZ スペック

ベース車両:SUBARU BRZ
全長×全幅×全高(mm):4240×1775×1300
ホイールベース(mm):2570
車軸重量(kg):1250
エンジン型式・仕様:FA20型 水冷自然吸気水平対向4気筒

駆動方式:FR
排気量(cc):1994
最大出力:200PS/7000rpm
最大トルク:20.9kg-m/6400-6600rpm

こうして比較してみると、ボディーのモディファイとエンジンの換装が行われているだけで、大幅な変更は施されていないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

行われているモディファイに関しても、普通車に応用ができる範囲といえるでしょう。

優勝経験もあるこのBRZ GT300は一番市販車に近いGTマシンでもあり、チューニングやカスタムのお手本となる1台なのです。

 

新たなマシンの生みの親・マザーシャシー

 

出典:https://supergt.net/news/single/16984

 

2015年より、汎用シャシーであるGTAでの参戦が可能となりました。

マザーシャシーとも呼ばれるこのシャシーを利用して、ロータス・エボーラやトヨタ86などが参戦しています。

そして2017年から、トヨタ・マークXが参戦を開始しました。

国産セダンとして人気の高いマークXがGTマシンになるとどう変わるのでしょうか?

市販車とGTマシンを比較したいと思います。

 

出典:https://supergt.net/news/single/16984

 

2017年 TOYOTA MARK X MC GT300 スペック

ベース車両:TOYOTA MARK X
全長×全幅×全高(mm):4835×1946×1110
ホイールベース(mm):2750
車軸重量(kg):1140
エンジン型式・仕様:GTA V8 水冷自然吸気V型8気筒

駆動方式:FR
排気量(cc):4500
最大出力:450ps以上
最大トルク:非公開

 

出典:http://gazooracing.com/detail/57179

 

2017年 TOYOTA MARK X 350S  G’s スペック
全長×全幅×全高(mm):4795×1795×1420
ホイールベース(mm):2850
車軸重量(kg):1550
エンジン型式・仕様:2GR-FSE 水冷自然吸気V型6気筒

駆動方式:FR
排気量(cc):3456
最大出力:318ps/6,400rpm
最大トルク:38.7kg-m/4800rpm

 

「ファンに楽しさを伝えるため」に参戦を開始したこの車両は、埼玉トヨペットがスーパーGTでも通用する身近な車をベースにしたいと考え、このマークXを選択したといわれています。

レースで活躍するためにエンジンは換装され、ボディーもモディファイされていますが、エンジン搭載位置(ミッドシップ化)などの極端な変更はありません。

ファンに、モータースポーツを身近な存在として親しみを持ってもらいたいという、埼玉トヨペットの配慮が伺えます。

また、クーペにもセダンにも対応できるマザーシャシーの適応能力の高さを証明することができた1台ともいえるでしょう。

このマークXを皮切りに新たな車種が参戦すると、GT300クラスがさらに盛り上がるのではないでしょうか?

 

まとめ

 

©Tomohiro Yoshita

 

GTマシンと市販車の比較をしてみましたが、いかがでしたか?

各メーカーエントラントにより、アプローチが異なることがお分かり頂けたと思います。

レースやマシンを見るだけでも面白いですが、その車に秘められた思いやコンセプトを知ることにより、また違った角度からスーパーGTを観戦できるのではないでしょうか。

今後も、新たなコンセプトを持ったマシンが参戦してくることを期待したいです。

 

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