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これが日本のレースの歴史!伝統の鈴鹿1000kmで優勝した歴代マシンたち[2010年代・最後の7年編]

日本屈指の名コースで行われる、伝統の一戦。スーパーGTのシリーズ戦として組み込まれてからも、日本最古の耐久レース「鈴鹿1000km」はエントラントにとっても、観客にとっても特別なイベントであり続けてきました。シリーズ最長の長さ、夏の過酷な暑さが生んだ数々の名勝負。今年が最後の開催となるこのイベントのラスト7年間に勝利したマシンとともに、熱い戦いを振り返っていきましょう。

 

©鈴鹿サーキット

2010年 ARTA HSV-010

 

©鈴鹿サーキット

 

2010年シーズン、ホンダは10年以上に渡り熟成を続けてきたNSXに見切りを付け、新型マシンHSV-010へとマシンを変更しました。

ピーキーでセッティングが難しかったNSXとは打って変わり、駆動方式もFRとなったことでドライバビリティの高いマシンへと進化。

ホンダのチャンピオン奪還へ向け、満を持しての登場を果たしたのです。

そして、開幕戦の鈴鹿ではデビューとともにポールポジションを獲得する速さを見せたものの、決勝ではホンダ勢の多重クラッシュという悪夢に見舞われ、初優勝を逃してしまいます。

そして迎えた第6戦の鈴鹿、700kmに距離を短縮した伝統の一戦で、リベンジに燃えるホンダ勢が予選から速さを見せつけました。

中でも、ARTA HSV-010( ラルフ・ファーマン/井出 有治/小林 崇志)が、同マシンで30周ほどしか走ったことが無かったというルーキー・小林によるアタックで1分55秒237という脅威的なタイムを記録し、見事ポールポジションを獲得。

決勝レースでも一時アクシデントによる破損で順位を落とすも、最後は再び逆転。

そのまま安定した走りでARTA HSV-010が優勝、3位、4位にもホンダ勢が食い込み、見事開幕戦のリベンジを果たしたのです。

 

2011年 ウィダー HSV-010

 

©鈴鹿サーキット

 

この年、距離をさらに500kmへと短縮して行われた夏の鈴鹿ラウンド。

それでもシーズン最長となるこのレースを制したのは前年に続きホンダ勢、ウィダーHSV-010(小暮 卓史/ロイック デュバル)でした。

雨が降ったりやんだりという読めないコンディションの中、ピット戦略の妙によりじわじわとポジションを上げ首位を奪ったウィダーですが、中盤にはGT300から追突されてスピンしてしまい、せっかく手にいれたトップの座を奪われてしまいます。

しかしここから小暮がライバルより5秒も速いタイムを刻み続け、ピットインのタイミングで首位を奪還。

2番手のS-Road GT-Rがスリックタイヤで猛追する中、ドライバーチェンジしたデュバルが見事に逃げ切り、劇的な逆転勝利を飾ったのです。

 

2012年 S Road REITO MOLA GT-R

 

©鈴鹿サーキット

 

この年、久しぶりにレースの距離が1000kmへと戻された夏の鈴鹿ラウンド。

この過酷な熱戦を制したのは、前年チャンピオンに輝いたS-Road REITO MOLA GT-R(柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ)でした。

決勝レースはブリジストン勢にタイヤバーストが次々発生するという荒れた展開となり、この混乱の中でミシュランを履くS-Roadが予選7番手からポジションアップ。

途中、GT300との接触でピットインを余儀なくされるなどトラブルもありましたが、見事に逃げ切り優勝。

ディフェンディングチャンピオンの意地を見せつけました。

 

2013年 ウイダー モデューロ HSV-010

 

©鈴鹿サーキット

 

翌年からレギュレーションの大幅改訂が決定しており、シリーズ発足以来の流れを汲むGT500マシンが見納めとなった2013年シーズン。

ホンダとしても、翌年から新型NSXをベースとしたマシンでエントリーすることが決まっていたので、HSV-010にとってもこれが最後のシーズンでした。

そして迎えた第5戦・鈴鹿1000km。

気温34度・路面温度47度という猛烈なコンディションの中、ポールからスタートしたモチュール オーテックGT-Rをウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)が追うという展開が繰り広げられました。

そして23周目にウィダーがトップに立つとそのまま2位以下との差を広げる事に成功するも、終盤に波乱が襲いかかります。

他マシンのトラブルによりセーフティカーが入ったタイミングで、レースはリスタート。

ウィダーはこの時ピットタイミングでライバルの先行を許す事に。

それにより、GT300の隊列の後に入ることを余儀なくされ、首位から20秒以上も後方へと追いやられてしまうのです。

この混乱で一時はモチュールGT-Rがトップに立ちますが、その後方から再びウィダーが脅威的なペースで猛追し、116周目に再び逆転。

そのまま逃げ切り、チームとしては2年ぶりに夏の鈴鹿で優勝を果たしました。

 

2014年 PETRONAS TOM’S RC F

 

©鈴鹿サーキット

 

2014年シーズン、スーパーGTはドイツツーリングカー選手権(DTM)と基本的な車両規則を統一するという大変革を行います。

エンジンだけはスーパーGT独自に2.0L 直4ターボとしたももの、コスト削減の目的でシャシーなど一部のパーツが各メーカーで共通化され、マシンの見た目も大きく変化。

その上従来より更に速くなり、第6戦・鈴鹿1000kmの予選ではPETRONAS TOM’S RC F(中嶋 一貴/ジェームス・ロシター)が遂に”50秒台”の壁を破る1’48.633という脅威のラップでポールポジションを獲得しました。

決勝レースではKEIHIN NSX CONSEPTに一時トップの座を奪われたものの、ピットアウト後のアウトラップでTOM’S RC Fが逆転。

そのまま1000kmの長丁場をトップで走り切り、見事ポールトゥウィンを果たしています。

 

2015年 PETRONAS TOM’S RC F

 

©鈴鹿サーキット

 

新規定が導入されて2度目となった鈴鹿1000kmでは、前年に続きPETRONAS TOM’S RC Fが2連覇を達成しています。

伊藤 大輔/ジェームス・ロシターというコンビに変更となった2015年シーズンのTOM’Sでしたが、第5戦鈴鹿の予選では9番手と振るわず厳しい位置からのスタートとなりました。

雨が降る中決勝がスタートすると、TOM’Sは徐々にポジションアップ。

ライバル勢が難しい路面状況に苦しむ中、61周目には遂にトップを走るレイブリック NSXを逆転。

そのまま競技終了時刻までトップを走り切り、前年に続きタフなレースで勝利を飾ったのです。

 

2016年 ZENT CERUMO RC F

 

©鈴鹿サーキット

 

2016年シーズン、夏の鈴鹿ラウンドを制したのはまたしてもLEXUS RC Fでした。

予選こそ上位をNSXとGT-Rがほぼ独占という状況を許したものの、決勝レースでは8番手グリッドからZENT CERUMO RC F(立川 祐路/石浦 宏明)が好スタートを切ります。

そして5周目には4位まで順位を上げると、15周目までに全てコース上のバトルで前を行くライバルをパスし、立川のドライブで2位へと浮上します。

更に22周目にはトップに浮上。

その後ピットのタイミングで一時トップを奪われるも逆転、結局そのままトップの座を守りきり優勝を果たしたのです。

終わってみればトップ5のうち4台をレクサス勢が占める結果となり、RC Fの強さを改めて見せつけるレースとなりました。

 

まとめ

 

©鈴鹿サーキット

 

1966年にその歴史が始まり、日本屈指の耐久イベントとして長くその歴史を紡いできた鈴鹿1000kmレース。

日本のレースが本格始動した1960年代、オイルショックとワークス撤退に揺れた1970年代、グループCマシン百花繚乱の1980年代、そしてGTマシンが席巻した1990年代…鈴鹿1000kmに出走するマシンは毎年のように目まぐるしく変化していきましたが、「国内最高峰イベント」という立ち位置だけは変わりませんでした。

かつてはポルシェやメルセデス、マクラーレンといった海外エントラント組を追いかける存在だった日本勢も、今や彼らが主役のスーパーGTは”世界最速GTと呼ばれるまでに成長、世界的な人気を得ています。

その飛躍も、海外への挑戦の舞台であり続けてきた鈴鹿1000kmという存在なしではあり得なかったかもしれません。

 

鈴鹿サーキット公式ホームページ

 

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Shinnosuke-Miyano

20代の頃はメカニックをしたり、お洋服の仕事をしたり、とりとめのない日々を送ってきました。 クルマの楽しさやレースの奥深さを、時にマニアックに、時にエモーショナルにお伝えしていければと思います。 https://www.facebook.com/shinnosuke.miyano

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