キャブレターの特徴

アナログな構造であるため、自身でのメンテナンスが可能かつ楽しみのひとつ。

混合気のガソリンの粒子がきめ細かい

アクセルを踏み込んだ時の感覚がよりダイレクト

クルマが完全に停まるような決定的なトラブルが少ない

インジェクションでは不可能な箇所も安易にセッティングパーツでフォローできる

冷間時の始動が困難な時がある

天候や環境に調子が影響されることがある

主流の吸気機構ではないため、高価な部品である

燃費が良くない傾向がある

トラブルが有るとエンジンルームより出火しやすい

ガソリン臭い

 

インジェクションの特徴

とにかくスムーズで安定している

燃料の偏りによる不調がない

天候や環境による不調がない

キャブレターに比べて燃費が良い

対車両火災の安全性が高い

エンジン始動が容易で長時間のアイドリング運転でも不調にならない

細かい調整が不要でメンテナンスはほぼフリー

コントローラなどにより燃調などが室内より容易に行える

電子デバイス適用のため突発的な故障により完全停止する可能性が高い

一律に各部品が高価である

根本的なチューニングには意外と費用がかかる

 

 

さまざまなスポーツキャブレター

キャブレターと一言で言っても、多種多様であり動作の仕方や形状構造等によって様々な種類があります。

今回は一般的にチューニングエンジンに搭載されている、シェアの高いものについて的を絞ってご紹介したいと思います。

 

WEBER (ウェーバー)

出典:http://www.wilcoxengines.co.uk/

出典:http://www.wilcoxengines.co.uk/

レーシングキャブレターの代名詞と言っても過言ではないウェーバー。

昔のF1などをはじめ、第一線で活躍するレーシングカーにはスタンダードなキャブレターでした。

かつてイタリアで生産されていましたが現在はその拠点はスペインに移っています。

 

SOLEX (ソレックス)

出典:http://www.mikunipower.com/

出典:http://www.mikunipower.com/

日本では圧倒的なシェアを誇る定番中の定番、ソレックス。

元はラジエターなどを造っていたフランスの機械製造企業ですが、過去に日本の三国気化器がライセンス生産しており、日本の各自動車メーカーでの純正採用が印象的です。

数年前にその全てが生産中止となり、もはや新品は通常では入手できません。

 

OER (オーイーアール)

出典:http://www.oer.co.jp/

出典:http://www.oer.co.jp/

設計製造とも純国産のキャブレターであるOER。

加工精度もよく現在も生産されており部品の入手などにも困ることはないですね。

ウェーバーとソレックスの良いとこどり的な構造と言われています。

 

FCR (エフシーアール)

出典:http://www.frankmxparts.com/

出典:http://www.frankmxparts.com/

本来はオートバイに適用されるキャブレターであるFCR。

流入空気量の調整用バルブの動作方法が、ウェーバーやソレックスなどのバタフライ式とは違うスライド式です。

セッティングには少々コツがあると言われていますが、低速からコンスタントにそのパフォーマンスを発揮します。

 

SU (エスユー)

出典:http://www.swiftune.com/

出典:http://www.swiftune.com/

英国車にはとても良く似合うSUキャブ。

やはり構造的にウェーバーやソレックスとは違い、エンジンの負圧に因ってベンチュリ径が可変します。

かつての国産ハイグレード車には装着率が高く、旧型車の純正スポーツキャブレターといえばソレックスに次ぐ代名詞ですね。

 

キャブレターサウンドが確認できる動画たち

それではキャブレターに関連する動画をいくつか観てみましょう。

こちらは特殊なエンジンである、OS技研TC24搭載車のエンジン搭載直後から火入れ試走までの様子ですね。

ソレックス50Φを装着していますが、始動直後から6気筒のなんとも滑らかな吹け上がりが素晴らしいです。

 

ソレックスのキャブサウンドが気持ち良い!車載映像

昭和48年式カローラレビン(TE27)にSOLEX50Φを搭載した車両の車載映像です。

筑波サーキットのTC2000でSTOP&GOが多いなか、調子よく追随していますね。

 

キャブレターのススメ

Photo by Komatsubara

Photo by Komatsubara

少しでもキャブレターの魅力を感じて頂けたでしょうか?

気がつけば平成も数えてあと少しで30年台に入ります。そんな中敢えてのアナログで不便極まりない燃料供給装置を奢る。

そこには絶対的効率主義や、利便性のみのからは一歩逸脱した、なんとなく温かみと躍動感を感じるカスタム志向があると考えます。

昔は通勤や買い物に適用とする実用的な部分と、峠やサーキットをスポーツ走行するなどの趣味の面とが一台でこなせるクルマのラインナップが豊富であり実に良き時代でした。

今の時代ではキャブレターを楽しむとなれば、それ専用のクルマを更に別途所有せざるを得ないということが現実であると思います。

それはなかなか難しいでしょうがどうかここはひとつ、なんとか切り詰め、節約して、是が非でも魅惑のキャブレター装着車に乗ってみてください。

きっと自動車趣味的人生観が変わること間違いなしです!

 

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