新体制となった来季、彼の手掛けるマシンに注目が集まる

 

©Pirelli

 

トロロッソ・ホンダが誕生する2018年、彼の手掛けるマシンは日本からも大きな注目を集め、その仕上がりが今から待ちきれないという方も多いかと思います。

では、来季のトロロッソ・ホンダに何を期待するべきなのでしょうか?

現在ホンダが手を組んでいるマクラーレンはシーズン終盤に入り、ようやく入賞を争える位置まで上がってきましたが、コンストラクターズ部門で9位と低迷。

さらに上位を目指すには、すでにダブルスコアに近いポイントを獲得しているルノーを残り4戦で逆転する必要があり、非常に困難な状況へと追い込まれています。

一方、今季のトロロッソは選手権6位と健闘を見せており、ここまではワークスチームであるルノーを上回る活躍を見せているのです。

トロロッソ・ホンダの初年度に期待するべき位置は、この選手権6位のキープというところが一つの目安になってくるでしょう。

これを実現するためにホンダにとってうってつけの人物こそが、このジェームス・キーなのです。

 

©Red Bull Content Pool

 

彼が手掛けるマシンの特徴は先進的というよりは、堅実なマシン作りを重視する傾向にあります。

これは彼が消極的な思考の持ち主だからという訳ではなく、トロロッソという中堅チームの立ち位置とチームから求められている事をよく理解しているから。

F1ファンの方ならご存知の通りトロロッソはレッドブルのジュニアチームに当たり、レッドブルで活躍できるドライバーを育成するという大切な役割が与えられています。

先述の通り規模の小さなチームのため、過激なマシンを作ったところで資金や人員といったリソースでトップチームに及ばないどころか、さらにはマシンが不出来だったためにドライバーの評価が難しくなると、トロロッソが存在している意味が薄れてしまうのです。

 

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それはパワーユニットがホンダに変わっても同じことで、これまでトロロッソは2014年にルノー、2016年にフェラーリ、そして今季は再びルノーと、すでに3度のパワーユニットの供給先を変更してきましたが、大きなムラが無い安定した成績を残してきました。

そして、このチームに安定感をもたらしている立役者こそがマシン開発の指揮を執るキーであり、チーム代表のフランツ・トストも彼に大きな信頼を寄せているのです。

今年に入ってキーはトロロッソとの契約を延長し、来季もこのチームで戦うことが決まっているのですが、これは再起を図るホンダの立場から見ても好都合。

来期以降ホンダが確実な進歩を見せることが出来れば、レッドブルへのパワーユニット供給も視野に入れる可能性が高まり、これこそがF1優勝という大きな目標への近道となるのです。

 

©Pirelli

 

近年のレッドブルはパワーユニット供給を受けるルノー(名義はタグ・ホイヤー)との不和が報じられており、性能面や信頼性に不満を示してきました。

それでも今季もすでに2勝を上げるなどマシン本来の性能には定評があり、ルノーと近い性能を発揮するだけでも契約面次第でホンダが供給先に選ばれる可能性も考えられるのです。

そのため、トロロッソ・ホンダとして確実な前進を見せられるのかという点は、今後のホンダのF1活動を左右する重要な1年となり、ジェームス・キーが手掛けるマシンにその命運が託されているのです。

そんなトロロッソにはパワーユニットとマシンのマッチングなどを含め、新体制となったことによる多くの課題が残されており、彼は非常に多忙なオフシーズンを過ごすことになると見られています。

しかし、中堅チームで実績を残してきた彼のような人物がいることは、確実な前進を遂げたいホンダにとっては非常に心強い存在と言えるでしょう。

 

まとめ

 

来季から誕生するトロロッソ・ホンダに期待を寄せる日本のF1ファンは多いと思います。

このトロロッソ・ホンダに期待を寄せるというのは、ホンダやドライバーにだけでなく、このトロロッソのテクニカルディレクターを務めるジェームス・キーにも大きな期待が寄せられている事を意味します。

来季のマシン開発はすでに進められており、彼らのマシンコンセプトを目の当たりにできるのはまだ3ヵ月程も先の話ですが、今から彼らの言動に注目することで、来季トロロッソ・ホンダが目指す場所が見えてくるはずです。

マクラーレンとホンダの提携は残念ながら陽の目を見ずに幕を閉じることになりましたが、そこから再起を図る第一歩として、このトロロッソは理想的なチームだと言えるのではないでしょうか。

来年すぐに優勝や表彰台に登る事は、よほどの幸運が無い限り難しいかもしれません。

しかし彼の作るコンスタントな成績を残せるマシンは、今のホンダにとって大切な一歩を踏み出すための大きなきっかけとなる可能性を十分に秘めているのです。

 

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