フェラーリといえば、F1で戦う名門チームとして世界中にファンが多いですし、また名だたるスポーツカー、スーパーカーの製造メーカーとしても有名。いつかはフェラーリに乗ってみたいなと憧れてたこともあると思います。そんなフェラーリによって生み出された「サーキットでしか走ることができない究極のスーパーカー」をご存知でしょうか?今回は、その最新モデルで今年3月に日本でも初走行し話題となった『FXX K(エフ エックス エックス ケー)』をご紹介します。

Photo by Tomohiro Yoshita

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「全てはフェラーリオーナーに喜んでもらうため」に特別に作られた“XXプログラム”

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「サーキットでしか走れないスーパーカーなんて存在するのか?」ここまでを読むと、そういった疑問にぶつかると思います。

今回ご紹介する『FXX K(エフ エックス エックス ケー)』ですが、見た目は最近よく見るスーパーカーとなんら変わりませんが、大きな違いは「サーキット走行を走行するために作られた1台」ということです。

つまり、公道走行のためのナンバー取得ができないクルマなのです。

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じゃあレーシングカーと同じじゃない?と思う人も多いでしょう。フェラーリ側はこのクルマを競技車両にする予定は全くなく、あくまで「オーナーがサーキット走行を楽しんでもらうために作った究極の1台」とのことなのです。

フェラーリといえば、F1でも数々の栄光を勝ち取ってきた名門チームであり、世界中の自動車ファンから愛される、また乗ってみたいと憧れるクルマを世に送り出してきたスポーツカーメーカーでもあります。

もし、フェラーリのクルマを手にしたら、やっぱりサーキットを走ってみたい!と思いますよね?

しかし、いくらフェラーリと言えども一般公道用のクルマとなると、安全面や性能面でどうしても制限がかかってしまうものです。

そこでサーキット走行だけを目的としたスーパーカーを製作することで、よりオーナーの方々にフェラーリの良さを楽しんでもらうおうということで生み出されたのが“XXプログラム”なのです。

 

究極のさらに究極を突き詰めた最新モデル『FXX K』

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初代は『エンツォフェラーリ』をベースにして作られた『FXX』、その次に『599GTBフィオラノ』をベースにした『599XX』、そして最新モデルとして2014年に発表されたのが、『ラ フェラーリ』をベースにした『FXX K』です。

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心臓部には6.3リッターV12エンジンをミッドシップレイアウトで搭載。最高出力は860馬力を絞り出します。そこにF1でも導入されている「KERS(エネルギー回生システム)」も組み込まれ、その最大パワーは約190馬力。これを合わせると1050馬力を超えるビックパワーを生み出します。

そのため、加速は普通のレーシングカーと全く変わらず、V12エンジンの迫力あるサウンドも聞くことができます。

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そのエンジンパワーを受け止めるため、車体面はほぼレースで使われている技術がそのまま応用されています。エアロダイナミクスは細かいところまで考えられて作り込まれていますし、ブレーキはカーボン製。タイヤはピレリ製で、このFXX K専用モデルなんです。サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク方式を採用。

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もちろん、オーナードライバーにビックパワーマシンのコントロールを助ける電子制御システムをここで紹介しきれないくらいたくさん組み込まれています。

 

購入できるのは長年フェラーリを愛するオーナーのみ

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この『FXX K』は購入価格は、なんと3億7千万円!!世界限定32台で販売されました。

しかし、購入のテーブルにつくには一つの条件がありました。それが「長年にわたってフェラーリを乗り続けているオーナーである」ということ。

そう、つまり宝くじが当たったからといって買えるものでもないのです。

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なので、オーナーは主にアジアや中東系など海外の富裕層がメイン。さらにフェラーリでは昔に活躍したスクーデリア・フェラーリのF1マシンもオーナーに販売しており、「フェラーリ・レーシング・デイズ」というイベントなどで専有走行時間を設けて、サーキット走行を楽しんでもらっています。

 

スクーデリア・フェラーリで生み出された技術が応用され、次世代のスーパーカー製作にも役立つ“XXプログラム”

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このXXプログラムは主にフェラーリの研究開発部門「コルセ・クリエンティ」のメンバーが担当しており、『FXX K』の走行データをもとに、次のフェラーリを代表するスーパーカーの製作にも役立てているのです。

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特に今回の『FXX K』には、現在のF1などでも使われている最新技術が盛り込まれて、数年前はレース中のバトルでも登場した「KERS(エネルギー回生システム)」も搭載されていまし、エアロダイナミクスや制御系も全てスクーデリア・フェラーリで開発されたF1の技術が応用されています。

今ではF1で培われたノウハウや技術を市販車にフィードバックしていく流れは各メーカーでも構築されていますが、フェラーリでは「最高の技術を市販車で効率よく発揮させるため」のさらなる研究という形で、この『FXX K』が役立っているのです。

 

フェラーリのワークス・レーシングチーム「スクーデリア・フェラーリ」にも密接に関係

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先ほどもご紹介した「コルセ・クリエンティ」という部門は、現在もF1で活躍しているスクーデリア・フェラーリにも密接に関係しています。

スクーデリア・フェラーリは、フェラーリのワークスレーシングチームで現在は主にF1での活動がメインとなっていますが、XXプログラムやGTカーでのレース活動も、もともとはスクーデリア・フェラーリの中で行われていました。

現在は業務効率化のためにXXプログラムなどは「コルセ・クリエンティ」、スクーデリア・フェラーリとしてのF1活動は「ゲスティオーネ・スポルティーバ」として部門が分けられています。それでも両者の関係は密接で、コルセ・クリエンティは、スクーデリア・フェラーリの一部と言っても良いポジションでもあるのです。

©MOBILITYLAND

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その証拠…というわけではないですが、前述にもある通りスクーデリア・フェラーリで培われたF1にも使用されている技術が盛り込まれて製作されたのが、この『FXX K』。エネルギー回生システムを始め、800馬力以上のエンジン。また洗練された車体デザインやエアロダイナミクスの考え方なども、F1でのデータがかなり役立てられています。

 

FXX Kとスクーデリア・フェラーリの血統が注ぎ込まれたカッコイイ時計が登場!

本当に一部の人しか乗ることができない、究極のマシン『FXX K』ですが、その魅力をもっと身近に楽しめるアイテムがあります。

それがスクーデリア・フェラーリ・ウォッチ『XX KERS』

この時計のデザインモデルは、スクーデリア・フェラーリのF1チームであり、今回記事でご紹介した『FXX K』です。

スクーデリア・フェラーリ・ウォッチ XX KERS

タイトルで使われている「XX」は、サーキット専用スーパーカーの“XXプログラム”からきており、「KERS」は同車で使用されているエネルギー回生システムからきています。

さらに盤面にも細かくこだわっており、車体やブレーキにも使われているカーボンのデザインや数字のところは現在のスクーデリア・フェラーリのF1でも使用され、『FXX K』の車体に付けられるカーナンバーと同じ字体を使用しています。

こういったところを時計のデザインに使用するのも、スクーデリア・フェラーリらしい部分でもありますよね。

『XX KERS』の詳しい紹介はこちら。
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価格は3万円(税別)〜となっています。フェラーリって赤色で派手なイメージがありますが、黒をベースにしてフェラーリのトレードカラーである赤や黄色が入ったデザインにもなっているため、普段の生活で付けていてもカッコイイ時計です。

 

『XX KERS』は日本でも買える!

この時計をはじめスクーデリア・フェラーリ・ウォッチの国内販売は、世界中の時計ブランドを扱う栄光時計株式会社が取り扱っており、全国の店舗で購入可能です。

ショップリストはこちら
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また、10月7〜9日に鈴鹿サーキットで開催される2016F1日本グランプリでも、現地にブースを出して時計を販売予定!こちらも見逃せませんね!

 

まとめ

Photo by Tomohiro Yoshita

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F1もそうですし、公道を走る一般車でも「速さを追求したい」という反面で、「規制」というものがどうしても付いて回ります。でも、それはレースを公平にするため、車社会のクオリティを保つためには重要なことですから、仕方ありません。

でも「もし規制なく速さだけを求めたクルマと作ってみたら?」というのを実現した1台が、この『FXX K』なのです。

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記事内でも説明した通り、サーキットでしか走れないし、サーキットでしか見ることができません。そのチャンスがあるとすれば、年に一回日本でも開催される「フェラーリ・レーシング・デイズ」です。来年の開催についてはまだ未定ですが、おそらく鈴鹿サーキットか富士スピードウェイで行われると思います。

そして、現在発売中の「XX KERS」も本当にカッコイイですし、『FXX K』の血統がそのまま注ぎ込まれているので、要チェックですね!