色々とレギュレーション変更している2016年のF1世界選手権。特に大きく変わっていて“ややこしい”と言われているタイヤのルールです。今回は新F1タイヤルールについてご紹介していこうと思います。

画像:Pirelli

画像:Pirelli

※注意!※
今回の記事は3月1日時点で公表されているレギュレーションをもとに作成しています。3月4日に予選フォーマット変更が正式決定したことにより、Q3進出台数が変わりました。これにより、タイヤルールも一部変更になるかもしれません。

ステップ1:新らしく“ウルトラソフトタイヤ”が増えました!

すでにバルセロナテストでも登場していますが、今年はピレリが年間を通して用意するドライタイヤが4種類から5種類に変更になりました。

これまでのスーパーソフト(赤)、ソフト(黄)、ミディアム(白)、ハード(オレンジ)に加えて、ウルトラソフト(紫)が追加!

2016年はドライ5種類、レイン2種類となります。

ウルトラソフトは、位置付けとしては名前の通りスーパーソフトよりもさらに柔らかいコンパウンドとなります。

画像:Pirelli

画像:Pirelli

ステップ2:1レースで使えるドライタイヤは3種類になりました!

ここからが今年大きく変わるポイント。

これまで1レースで使えるドライタイヤはピレリが全種類の中からノミネートして持ち込む2種類でした。これが今年は3種類に増えます!

全てピレリ側がレースごとにコンパウンドを選びます。

ちなみに開幕戦オーストラリアGPで見ると、3日間で使えるのがミディアム、ソフト、スーパーソフトです。決勝での使用義務については後でご紹介いたします。

画像:Pirelli

画像:Pirelli

ステップ3:各自が自由に持ち込みタイヤを選べるようになりました!

今年大きく変わるポイントその2!

これまでは「プライム○セット、オプション○セット」と全車に配られるタイヤのセット数が決まっていましたが、今年はある条件範囲ないであればドライバーごとに持ち込むタイヤの組み合わせを自由に選べることになりました!

なお、自由選択枠は事前申請が必要(申請を受けてピレリが各レースのタイヤを用意するから)です。申請期限に間に合わなかった場合は、ピレリ側で均等に用意されることになります。

画像:Pirelli

画像:Pirelli

1人あたりが1レースで使えるドライタイヤは13セット。

このうちピレリ側が全車統一用として3セットを選びます。(基本は各種類1セットずつ)

残る10セットは、各レースでノミネートされた3コンパウンド内であれば自由。10セット全部を1種類のタイヤにするもよし、均等に持ち込むもよし…

これにより、さらにドライバーやチームごとに予選や決勝に向けて持っているタイヤがバラバラになり、それぞれの戦略で勝負ができることになります。

逆に各人バラバラのため誰がどのタイヤを持っているのか把握が難しくなりますが、そういったところを「ワクワク感」として捉えるのも、良いかもしれませんね!

出典:観戦塾

出典:観戦塾

ステップ4:ここがヤヤコシイ!予選、決勝のタイヤ使用ルール

そして、一番ややこしいのが、タイヤの使用ルールです。

昨年同様、フリー走行終わりのタイミングでタイヤを返却しなければいけないルールが今年もあります。それをまとめたのがこちら…

出典:観戦塾

出典:観戦塾

基本的に返却しなければいけないのは自由選択枠の10セットの中からになります。これで予選開始時に手元にあるのは自由選択枠の4セットとピレリ枠の3セット。

ただしピレリ枠は2セットが決勝しか使えないもので、残る一番柔らかいコンパウンドは予選Q3専用タイヤ(Q3で使用した場合は返却)となります。

これらのタイヤで予選と決勝を乗り切らなければいけないので、どのコンパウンドを何セット残すか?これも各チーム・ドライバーの戦略次第となってくるのです。

画像:Pirelli

画像:Pirelli

ちなみにトップ10のドライバーは予選Q2でベストタイムを記録したタイヤで決勝はスタートとなります。もしQ2までで脱落した場合はQ3専用タイヤも決勝で使用できます。

そして決勝中にはピレリ側で選択された決勝用タイヤ2セット(オーストラリアGPだとミディアムとソフト)のうち、どちらか1セットは必ず使用。

さらに2種類以上のドライタイヤを使用しなければならないことになっています。

この辺も、レギュレーションでは明確になっていない部分もあるので、やはり実際に始まってみないとどのように運用されていくのかが見えてこない部分もあります。

 

出典:観戦塾

出典:観戦塾

まとめ

いかがだったでしょうか?

多分、この説明でも「???」となっている方が多数だと思います…。

正直ややこしいルールですが、繰り返し観戦しているうちにポイントなどがわかってくると思います。

ざっくりとした説明になってしまいましたが、是非2016シーズンの観戦にお役立てください!

 

記事引用元:観戦塾( http://www.kansenzyuku.com/2016/03/7990.html )