ル・マン24時間レース、F1モナコGPと並んで世界3大レースに数えられるインディアナポリス500マイルレース。通称インディ500。2016年は5月29日(日)に決勝レースが開催されますが、なんと今年は第100回大会なのです!あなたはインディ500を知っていますか?

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出典:http://www.indiana-japan.org/

この記念すべきメモリアルな大会を目前に控え、今回はその歴史やルールを紹介していきます。

インディ500とは?

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出典:http://blog.gaora.co.jp/indy/

インディ500がどのようなレースかというと、アメリカはインディアナ州にある「インディアナポリス・モーター・スピードウェイ」のオーバルコースを使用し、500マイル(200周)を走り切るレースです。

インディカー・シリーズのスケジュールに組み込まれており、スポーツとしても、世界最大規模の動員数があることでも有名。

なんとその数40万人!日本国内で一番動員があるともいわれるスーパーGT第2戦富士でも予選・決勝の二日を併せて9万人前後ということを考えれば、その凄さが分かるのではないでしょうか?

そんなに人が入るの?と疑問に思うかもしれませんが、このサーキット、収容人数がおよそ24万人と、まさに桁違い。さらに特設の席を用意して40万人収容するのだとか。

さすがアメリカ。とにかくスケールが大きいですね。

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写真提供:本田技研工業

日本じゃ考えられないぐらい巨大な観客席に人がビッシリ!

そんな大観衆の前で、時速360キロから380キロの中、3ワイド、4ワイド当たり前のレースが行われるわけです。エキサイトしないわけがないですね! 

インディ500の歴史

インディアナポリス・モーター・スピードウェイが1909年(日本はまだ明治時代!)に建設され、その2年後、1911年からインディ500レースはスタートしました。

オープン当初のコースはアスファルトではなく、レンガが敷かれていたため「ブリックヤード」と呼ばれていました。その名残が今もスタートラインに残っています。

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出典:http://www.honda.co.jp/

今も1ヤード分だけ残るレンガ敷き。ギャップにならないように加工されているそうです。

元々はメモリアル・デー(戦役将兵追悼記念日)という祝日に開催されていましたが、後に法律が変更され、毎年5月の最終月曜日の前の日曜日に開催されることとなり、今年は5月29日(日)となっています。

こうした祝日に行うことが確定していることから、カレンダーを見ずとも何が行われるかわかるので、アメリカ国内では国民的行事となっているそうです。

日本でこどもの日にかぶと飾りや鯉のぼりを出すのと変わらない感覚なのでしょうか?

 

ちなみに、1911年から2016年まで毎年では100回を超えてしまうのですが、この期間に戦争があったため、数度開催を中止しています。

そのため、100周年は2011年ですが、今年が100回目の開催になるのです。

 

昔はF1のレースだった!?

近年はF1でもインディアナポリスでのレース自体はありましたが、あれはオーバルではなく、インフィールドでのレースでしたよね。

でも実は、1950年〜およそ10年、オーバルコースでインディ500としてF1が開催されているのです。

ですが、ヨーロッパから参戦するチームがほとんどおらず、ほぼアメリカ出身のチームのみが参加しており、現在のF1のようなイメージはほぼ無いようです。 

かなりワンメイクなレギュレーション

出典:http://blog.gaora.co.jp/indy/

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昔はエンジン形式などかなりユルかったらしく、ガスタービンエンジン(ヘリコプターのエンジンと同じ形式)もいたらしいですが、現在のインディカーに積まれているエンジンはホンダかシボレーの2社のみで、6気筒以下、2.2リッター以下のツインターボ直噴エンジンとレギュレーションで定められています。

また、シャーシはダラーラ製、タイヤもファイアストン製のワンメイクですが、空力パーツは各チームで独自に開発が可能なため、各社、個性のあるエアロパーツがついています。

ただし、1レースあたりの参戦コストを上げすぎないために、総額は30万9千ドル以内(2016年4月時点、日本円にすると3300万円)までと決められています。それでも十分高く聞こえてしまいますよね。

出典:http://www.honda.co.jp/

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また、インディなどのオーバルコースでのレース独特のセッティングとして目立つのは「スタッガー」と呼ばれる左右異径のタイヤセッティング。

簡単に言うと、アウト側のタイヤをイン側に比べて大きくすることで、旋回性能を高めるセッティングです(実際はキャンバーやサスペンション、デフなども細かくセッティングします)。

これによって車体は左右どちらかに傾いた状態となり、旋回性能が上昇するのです。

 

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写真提供:本田技研工業

こうすることで、左コーナーのときにハンドルをあまり切らなくてよくなります。

 

インディカーと言えば、独特な予選方法!

インディカー・シリーズが他のレースと圧倒的に違うのはその予選方式。

モータースポーツの予選というと、混走やスーパーラップなどの形式の違いはあれど、コースを短い時間で駆け抜けた順に予選順位が決定するのが定番ですが、インディではコースごとに予選方式が違います!

予選のために数十周のレースをやったり、エントリーしたチームを2つのグループにわけて、奇数と偶数のグリッドごとに選ばれたりと様々ありますが、インディ500ではコースを4周し、その平均速度でグリッドが決まるというなんともショーマッチされたもの。

もちろん、平均速度が速い方が一周あたりのタイムは短いはずなので、結果はおのずとタイムも早い車体が前のグリッドを埋めることになりますが、誰が一番速いかを決めるこの予選方式、こまかいことを抜きにしたわかりやすさが、なんともアメリカらしいですね。

 

賞金総額10億円超え!アメリカンドリームなレース

写真提供:本田技研工業

写真提供:本田技研工業

インディ・カーシリーズはとてつもない賞金があることでも有名で、インディ500ではなんと優勝賞金2億4000万円!10位以降でもおよそ2000万~3000万の賞金が獲得できるとのこと。

その他にも、初参戦したドライバーの中で一番上位だった選手へ「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」金曜日の予選で一番速かったレーサーへ「ファストフライデー」など、多種多様な賞が用意されているのも特徴です。

 

また、インディ500では優勝したドライバーは牛乳を飲むという変わった伝統がありますが、その牛乳を飲む行為にもスポンサーがついており、この行為でも賞金がもらえるとか。

Scott Dixon, of New Zealand, drinks milk after winning the Indianapolis 500 auto race Sunday, May 25, 2008, at Indianapolis Motor Speedway in Indianapolis. (AP Photo/Darron Cummings)

出典:出典:http://www.hakko-motor.com/

出される牛乳もアメリカンサイズでボリューミーです。

まさにアメリカン・ドリーム。

命がけの超高速バトルによって、巨万の富を得ることが可能なのもインディカーの特徴なのです。

 

2016年は、記念すべき第100回のレース!

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出典:http://blog.gaora.co.jp/indy/

国民的行事で世界最大級のモータースポーツイベントが、2016年は100回記念のアニバーサリーイヤー!

それに合わせて、各テレビ局などが特集を組んでいるほか、コカ・コーラにはインディ500のロゴがプリントされ、ファイヤストン供給のタイヤには、歴代のインディ500チャンプの名前が全てビッシリと刻まれています。

なんと、この日のためだけに5000本ものタイヤが製作されるようです。

その他にも、この第100回開催まで一度もつくことがなかったイベントタイトルスポンサーに「ペングレードオイル」がつくなど、現地ではこのビッグイベントを前に、並々ならぬ盛り上がりを見せているようですよ! 

まとめ

いかがだったでしょうか?

日本ではあまりオーバルレースは馴染みがないため、あまり興味が無かった人も多いかと思いますが、この世界でもトップクラスのレース、そして超高速スリップストリームからのオーバーテイク合戦!

目まぐるしく順位が変わるレースはエキサイトすること間違いなしです!

2013年に、日本人として初めてインディカーで優勝した佐藤琢磨選手が、インディ500のポディウムに上る姿、そして牛乳を飲み干す姿を期待しましょう!