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マッスルカーのあるべき姿を貫いた8リッターV10のモンスター3代目ダッジ・バイパー!

2017年8月17日、アメリカンスポーツカー『ダッジ・バイパー』の生産が終了し、約26年間続いたダッジ・バイパーの歴史に幕を閉じました。世界中のスポーツカーやスーパーカーがダウンサイジングターボやハイブリッド、EVになっていく中で、ダッジ・バイパーだけは8リッターV型10気筒エンジンを貫き通し、最後まで大排気量エンジンにこだわり続けました。そんなダッジ・バイパーは、どんな車だったのでしょうか。生産終了して間もない、3代目(最終型)ダッジ・バイパーに注目してみました。

 

 

 

8リッターV10エンジンを搭載したアメリカンマッスルカーの最高峰『ダッジ・バイパー』とは?

 

初代ダッジバイパー

初代ダッジ・バイパー / Photo by Alexandre Prévot

 

ダッジ・バイパーは、1991年に米クライスラー社(現在はFCA)のダッジブランドから発売されました。

それは、車体の前半分以上がエンジンルームになっており、ボンネットの下には排気量8.0リッターのV型10気筒OHVを搭載。

アメリカンマッスルカーの最高峰というべき車でした。

 

ダッジ・バイパーとは、コブラから生み出された毒へび

 

AC コブラ

AC コブラ / Photo by Steve

 

ダッジ・バイパーの開発コンセプトは、1960年代に登場したAC・コブラという車を意識していたとされています。

そして、AC・コブラもコンパクトな車体にもかかわらず、『51 Mk Iモデル』と呼ばれるモデルには7.0リッターV型8気筒エンジンを搭載。

その中で代表的なモデルが『シェルビー・コブラ』!

アメリカを代表するマッスルカーといえば大排気量のV型8気筒OHVエンジンを搭載したクーペスポーツカーでしたが、シェルビー・コブラはマッスルカーの究極ともいえる存在でした。

そんな、偉大なるモデルを現代によみがえらせたのが『ダッジ・バイパー』で、車名にもコブラからのインスピレーションを受け、『毒へび』を意味するバイパー(Viper)と名付けられたのです。

 

巨大なエンジンを制御するのはドライバーの力量のみ

 

初期型が発売された当時、すでにABSやESC、エアバッグなどを装備する車が多かったのですが、ダッジ・バイパーに関しては、それらの制御システムや安全装備などは一切なく、大排気量のエンジンを己のドライビングテクニックのみで操るような車でした。

 

3代目ダッジ・バイパーの登場

 

3代目ダッジバイパー

Photo by LotPro Cars

 

1991年に初代モデルが登場してから、2002年に2代目モデル、2012年4月に3代目モデルが登場。

3代目発表当初は、ダッジというブランド名を伏せ、クライスラー車のスポーツグレード『SRT(Street and Racing Technology)』を頭につけた『SRTバイパー』という車名で売り出されました。

そして、2014年には再びダッジ・バイパーに車名が戻りましたが、車体そのものに変更はありません。

また、初代モデルのデビュー当初は8リッターV型10気筒エンジン搭載という思いきった作りだったので、モデルチェンジの度にさまざまな改良がなされましたが、その改良のなかにエンジンの小型化という考えはなく、逆に排気量は徐々に大きくなっていき、初代モデルの排気量が7,990ccだったのに対し、3代目モデルで8,390ccになり、エンジンの最高出力は654PSを記録。

これは、スーパーチャージャーを搭載したシボレー・コルベットとほぼ同等のパワーとなります。

さらにエンジンは、オールアルミ製に改良。

フレームはスチール製でエンジンルーム上部にアルミニウム製X字型ブレースが装備され、数多くの補強箇所を加えることで従来のものよりネジレ剛性が50%向上。

さらに、ルーフやボンネットといったパーツはカーボン、ドアにはアルミを用いることで2代目モデルより約45kg軽量化されました。

またトランスミッションは6速MTで、トレメック製『TR6060』を搭載。

シフトチェンジを動かしたときのストロークは短く、吸い込まれるようにギアが入っていきます。

そしてブレーキには14インチのディスクと対向4ポットのモノブロックキャリパーが収められ、ABSシステムは4チャンネルも選べるため、ストッピング性能も申し分ないレベル!

内装は、全面革張りでまさにアメリカンスポーツカーといった感じでした。

初代モデルでは、これといって当時の最新テクノロジーがありませんでしたが、3代目モデルではデジタルディスプレイやインフォテイメントシステム、ドライビングアシスト機能など近代的な機能が多数搭載されています。

オプションは、リアビューカメラ、USBポート、SDメディアスロット、携帯電話とナビゲーションシステムとのブルートゥース接続などが用意され、まさに至れり尽くせり!

ここまで改良されたにもかかわらず、生産終了となったことが本当に悔やまれる1台でした。

 

ニュルブルクリンク最速タイムを記録

 

 

ダッジ・バイパーと聞くとドイル・ニュルブルクリンクを思い浮かべる方がいらっしゃるかもしれません。

なぜなら、ダッジ・バイパーにとってニュルブルクリンクサーキットは切っても切れないサーキット!

一周25km、コーナー数170以上もあるドイツ・ニュルブルクリンク北コースは、多くの自動車メーカーが開発の場としており、そこでのタイムは自動車そのものの性能を現します。

2011年、そんなニュルブルクリンクサーキットでダッジ・バイパーSRT10 ACRがラップタイム7分12秒13を記録し、市販車レコードタイムを打ち出したのです。

それにより、ダッジ・バイパーが市販車最速の称号を得る事に!

しかし、2013年9月にポルシェ918スパイダーが6分57秒を記録し、さらにランボルギーニ・ウラカンペルフォルマンテが6分52秒という最速タイムを記録。

それに対して、ダッジ・バイパーのオーナー・グループがクラウドファンティング『GoFundMe』で資金を集め、再び最速タイム奪還に挑みました。

マシンはダッジ・バイパー最大手ディーラーの『ViperExchange』が2台のダッジ・バイパーACRを提供し、さらにニュルブルクリンクを熟知するドライバー2名を連れての挑戦です。

そして2017年8月には7分1秒を記録するも、まだレコード更新とまではいきませんでした。

それでも最速奪還のために白熱するダッジ・バイパーオーナーたちは、それほどダッジ・バイパーを愛してやまないのです。

 

3代目ダッジ・バイパーの仕様/スペック

 

3代目ダッジバイパー

Photo by Yahya S.

 

2017年モデル ダッジ・バイパーSRT
全長×全幅×全高(mm) 4,463×1,941×1,246
ホイールベース(mm) 2,510
乾燥重量(kg) 1,497
乗車定員(名) 2
エンジン種類 V型10気筒OHV
排気量(cc) 8,382
ボア×ストローク(mm) 103×100.6
圧縮比 10.2 : 1
最高出力(kW[PS]/rpm) 481[654]/6,200
最大トルク(N・m[kgf-m]/rpm) 814[83.0]/5,000
トランスミッション 6速MT
駆動方式 FR
燃費(km/L)※発売時のカタログ値 9.7
最高速度(km/h) 331
0-100km/h加速(秒) 3.5

 

3代目ダッジ・バイパーの中古車相場価格

 

3代目ダッジバイパー

Photo by Yahya S.

 

初代ダッジ・パイパーが登場した時、日本では『クライスラー・バイパー』として正規輸入されていました。

しかし2代目モデルでは、サイド出しマフラーなどが規制に適合しないため2002年12月に正規輸入中止となり、それ以降日本には並行輸入でしか入っていません。

そして3代目ダッジ・バイパーとなれば日本で走っている台数はとても少なく、中古車をさがしても1台あるかないかといったところです。

そんな3代目ダッジ・バイパーの新車価格は、イギリス仕様で75,000ポンド、日本円で約1,110万円(2018年3月24日時点)ですが、中古車で見つけたとしても相場は1,300~1,600万円と新車以上の価格設定になっていることがほとんど。

3代目ダッジ・バイパーがほしい人は、根気強く良質な中古車が出てくるのを待つことが必要かもしれません。

 

まとめ

 

3代目ダッジバイパー

Photo by Yahya S.

 

ダッジ・バイパーは、ハイブリッド化やダウンサイジングターボ化などが進むスポーツカーにおいて、アメリカンマッスルカーとはこうあるべきだというスタイルを今まで貫き通してきました。

それには8リッターエンジンを搭載したダッジ・バイパーを生産終了まで存続させたFCAの努力もさることながら、低排出ガス・低燃費の車をもてはやす世間の風潮の中で、ダッジ・バイパーを愛し続けたオーナーたちの熱意も大きいと思います。

それだけ人を魅了させるダッジ・バイパーは、アメリカンスポーツカーのレジェントといえるのではないでしょうか。

 

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Writer Introduction
池田 勇生

自動車・バイクを専門にフリーライターをしています。10代からTVでバイクレースを観たり、自らミニバイクレースへ参戦もしたりなんかして、プロレーサーに憧れていた青春時代を過ごしていました。車離れやバイク離れといわれる昨今ですが、若い方へ多くの魅力を伝えていき今後の自動車・バイク業界を盛り上げていきたいです。

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