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シビックの歴史上最もマニア向け!?EP3型シビックタイプRとはどんな車だったのか?

現在に至るまで、「もっとも安価で身近なタイプR」であるホンダEK9シビックタイプR。その後継車が必要とされた時、時代は大きく動いており「国産ホットハッチのタイプR化」は許されない流れになっていました。その最初のモデルとしてイギリスから輸入されたのが、EP3シビックタイプRだったのです。

 

ホンダ EP3 シビックタイプR  / Photo by ChiLam Ly

 

 

3ドアハッチバック低迷期に生まれた、帰国子女EP3

ホンダ EP3 シビックタイプR  /  Photo by Grant C

2代目シビックタイプR、EP3型が登場した2001年、日本の自動車市場は大きな変化を迎えていました。

1990年代半ばまでの日本では常識となっていた「5ドア車よりスポーティな3ドア車の方が売れる」が、全く通用しなくなっていたのです。

当時の自動車のトレンドは広くて効率的なスペースを持ち、乗降性や使い勝手に優れ、なおかつ低コストなモデル。

もちろんホンダ シビック自体も初代シビックタイプRが設定された6代目EK型から、7代目EU型へのモデルチェンジにあたり、4ドアのシビックフェリオこそ従来の延長線上にあったものの、ハッチバック車は「ショートワゴン」的にキャラクターが様変わりします。

インパネシフトやフラットフロアの採用で後席ウォークスルーが可能になり、全幅こそ5ナンバーサイズいっぱいながら全長、全高の拡大で室内長・室内高も広くなり、短いステーションワゴン、あるいは2列シートミニバン的なクルマになったのです。

そして日本仕様では、3ドアが廃止されて5ドアオンリー。

直後に3列シートミニバンのストリームが発売された時には、EUシビックはそのベース車だったのかと思ったほどで、なおかつEK型までのスポーツDOHC VTECエンジンを搭載したSiRは、廃止されてしまいます。

そのような状況の中、シビックタイプRは初代EK9の生産終了から若干間を置いて、2代目はイギリスから輸入することが決まり、2001年12月に発売されました。

 

インパネシフト式6MTがビックリだった、EP3の魅力

ホンダ EP3 シビックタイプR /  Photo by Mark van Seeters

 

前項で述べた事情に加え、ホンダの車種整理の影響もあってEP3シビックタイプR、および同時期デビューのDC5インテグラタイプR(2001年7月登場)は、メカニズム面で非常に似たものとなりました。

ただし、プレリュードと統合して車格が上がり、ホンダ唯一のスポーティクーペとなったDC5と、ボディサイズは拡大したとはいえ、あくまでホットハッチのEP3では若干キャラクターが異なります。

エンジンは同じK20A i-VTECのタイプR仕様のハイチューン版ながら、DC5の220馬力に対しEP3は215馬力。

全長はEP3の方が250mmも短いものの車重はほぼ同程度でホイールベースは共通、サスペンション形式も車種固有のセッティング違いはあれどフロントがストラット、リアがダブルウィッシュボーンと同様です。

その結果、空力性能も合わせて高速域での性能に勝るDC5が「当時世界最速のFF車」だったのに対し、EP3は前後オーバーハングの短さを活かして旋回中の慣性が小さく軽快なFFホットハッチという違いがありました。

なお、最大の違いはシフトレバーにあり、どちらも6速MTなもののEP3はインパネシフトのまま6MT化しており、ユーザーを驚かせていました。

 

モータースポーツであまり出番の無かったEP3

ホンダ EP3 シビックタイプR / Photo by Adam Court

EP3シビックタイプRの時代、伝統のシビックワンメイクレースがDC5インテグラレースへと切り替わり、さらに後継のFD2シビックタイプRレースへ変わるまでシビックレースが途絶えていたほどEP3はあまりモータースポーツで顧みられることの無い車でした。

目立った戦績は2004年全日本ジムカーナシリーズにおいて津川 信次がシーズンを通してN2クラスで使用、2回優勝したという実績があるくらいです。

それ以外はジムカーナでもダートトライアルでもラリーでも、全日本級のイベントではほとんどスポット参戦に留まり、上位で活躍していないのが実情。

メジャーなレースでも2002年のスーパー耐久でスプーンがEP3を使ったくらいで、DC5の活躍の陰に隠れてしまう形となっています。

 

ホンダ EP3 シビックタイプR スペックと中古車相場

ホンダ EP3 シビックタイプR  / Photo by Mark van Seeters

 

ホンダ EP3 シビックタイプR 2001年式

全長×全幅×全高(mm):4,135×1,695×1,430

ホイールベース(mm):2,570

車両重量(kg):1,190

エンジン仕様・型式:K20A 水冷直列4気筒DOHC16バルブ i-VTEC

総排気量(cc):1,998cc

最高出力:215ps/8,000rpm

最大トルク:20.6kgm/4,500rpm

トランスミッション:6MT

駆動方式:FF

中古車相場:52.8万~179.8万円

 

まとめ

もはや日本で3ドアハッチバック車が売れる時代ではなく、それでもEK9後継となるシビックタイプRが欲しい!という声を予想したのか、日本未発売の3ドアハッチバック車ベースのタイプRをイギリスから輸入したEP3。

しかし、一足早くデビューしたDC5が「本命」のごとく人気を得たのに対し、EP3は「どうしても3ドアハッチバックが欲しい人向け」のニッチな需要しか無かったようで、3年半程度の輸入販売期間を通じ、販売台数は4,500台程度と低迷しました。

これにはDC5の陰に隠れたというだけではなく、ベース車が日本未発売かつイギリスで生産されていたので、修理などで純正部品が必要になった時、取り寄せが面倒だと敬遠する声もあったようです。

とはいえ、性能面は「シビックタイプR」であることに疑いは無く、数少ないながらモータースポーツでの実績もあり、生産台数の割にタマ数も豊富なことから、EK9よりちょっと新しくて珍しいシビックタイプRが欲しい、という人には狙い目ではないでしょうか?

 

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Writer Introduction
兵藤 忠彦

ダイハツ党で、かつてはジムカーナドライバーとしてダイハツチャレンジカップを中心に、全日本ジムカーナにもスポット参戦で出場。 現在はサザンサーキット(宮城県柴田郡村田町)を拠点に、主にオーガナイザー(主催者)側の立場からモータースポーツに関わっています。http://dctm.info/

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