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ニュルブルクリンク市販車最速タイムを刻んだアメ車、2代目ダッジ・バイパーってどんなクルマ?

伝説のアメリカンマッスルカー、シェルビー・コブラを現代に蘇らせた初代ダッジ・バイパー。当初はタルガトップを持つロードスターのみなど極めて限定的に生産されたオープンスポーツでしたが、ダブルバブル・ルーフを持ちボディ剛性の高いクーペの追加などで、パワフルなだけでなく高い走行性能を持つアメリカンスポーツへと成長しました。しかし、その2代目は2002年に登場するも、残念ながら日本への正規輸入は実現されませんでした。

 

2代目バイパー / 出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Dodge_Viper

 

 

「コブラの再来」から代表的なアメリカンスポーツへ

 

2代目バイパー /  出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Dodge_Viper

 

初代ダッジ バイパーとは突き詰めて言えば「1960年代に登場し、その軽量パワフルさで度肝を抜いた、シェルビー・コブラの再来」でした。

「コブラ」「バイパー」ともに日本語では”毒蛇”を意味し、さらにその両者に名チューナー、キャロル・シェルビーが関わる、超ド級パワーユニットを搭載した軽量スポーツカーという共通点があります。

当初はあくまで「コブラの現代解釈版」として限定的なユーザーを対象としたバイパーでしたが、その秘めるまでも無いポテンシャルをレースで使わないのはもったいないとばかりに、オープンモデルのRT/10だけでなく、クーペのGTSも追加。

ル・マンやニュルブルクリンクといった24時間レースなど各種レースでも活躍し、もはやクライスラーのスポーツブランド”ダッジ”の看板モデルに成長していったのです。

そしてモデルイヤーが10年近くなると「モデルチェンジして2代目へ。」と期待が高まるのも当然というもので、2002年に2代目オープンモデルのSRT/10、続いて2006年にはクーペが登場します。

その後クライスラーのチューニングブランド(トヨタでいうTRDバージョンのような)、ACRの名をいれたバイパーSRT-10・ACRなどハイパフォーマンスバージョンも登場してファンを増やして行きますが、残念ながら日本でその正規輸入車が販売されることはありませんでした。

理由は定かではありませんが、当時の日本ではいわゆる「斜め出しマフラー」が許されておらず、それを2代目バイパーで純正採用していたクライスラーにとって、日本仕様に改修するほど魅力的な市場では無かったのかもしれません。

 

全体的にはキープコンセプトながら、よりパワーアップ

 

2代目バイパー用8.3リッターV10エンジン / 出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Dodge_Viper

 

初代バイパーの持っていた、「うねる毒蛇のような、絶妙な曲線を持つボディ」は、2代目でまるで「巨大なホンダ S2000」のごとく直線的になったものの、依然としてグラマラスであり、フロントフェンダー後部のエアアウトレットなど特徴も健在でした。

そしてバイパーの定番、V10エンジンが収まる長大なフロントのロングノーズと、その怪物ぶりからすれば申し訳程度と言って良い程のショートキャビンという古典的スポーツカースタイルも踏襲されており、「バイパーらしさ」を見事に表現しています。

その一方、あまり変わらぬ全長・全幅とは裏腹にホイールベースは70mmほど延長され、直進安定性向上に寄与しているようです。

またバイパー最大の目玉、V10OHVエンジンは8.3リッターで510馬力、最終的には可変バルブタイミング機構8.4リッターで600馬力にまで高められ、インテークマニホールドの最適化でレスポンス向上など、スポーツカーらしいチューニングが図られています。

それに加えてクラッチの踏力軽減など乗りやすさにも気が使われており、バイパーのスタイルとパワーに憧れながら、乗り手を選んだがゆえに購入をためらっていたユーザーの背中を後押ししました。

ちなみにACR版では元々大パワーで性能向上の必要性が薄かったこともあり、エアロパーツの追加による魅力アップが図られましたが、サーキットユース向けオプションのHCP(ハードコアパッケージ)では快適装備のカットで軽量化まで手がつけられています。

 

2代目バイパー、モータースポーツでの実績

 

2代目バイパー / Photo by Roman Boed

 

ル・マンやニュルブルクリンク24時間レースで活躍した初代バイパーに続き、2代目はGT3規格、あるいはGT2規格に出場するレースマシンが作られました。

そして、北米やヨーロッパ、オーストラリアのGTカーレースに投入されたバイパーGTS-ACRなどは各地で優勝の記録を残しているものの、初代ほど華々しい活躍の舞台に恵まれたわけではありません。

日本でもJGTC(全日本GT選手権)で初代バイパーを走らせていたタイサンが、2003年のGT300クラスに2代目バイパーを出場させ、その年の第4戦でJGTC、SUPER GTを通じ唯一のバイパーによるクラス優勝を遂げましたが、スポンサー撤退によりバイパーによる、国内GTレース参戦そのものが2003年を最後に終了しています。

むしろ2代目バイパーにとっての晴れ舞台はニュルブルクリンクサーキット北コースでのタイムアタックで、2008年8月18日に2代目バイパーSRT-10・ACRが7分22秒1を刻んでニュルの市販車最速タイムを記録。

その後も何度かライバル車と更新合戦を繰り返し、2代目としての最速記録は2011年に記録した7分12秒13でした。

 

主要スペックと中古車価格

 

2代目バイパー  / Photo by www.twin-loc.fr

 

ダッジ バイパー SRT-10 2008年式

全長×全幅×全高(mm):4,460×1,920×1,230

ホイールベース(mm):2,510

車両重量(kg):1,530

エンジン仕様・型式:Viper 水冷V型10気筒OHV20バルブ

総排気量(cc):8,390cc

最高出力:600ps/6,000rpm

最大トルク:77.5kgm/5,600rpm

トランスミッション:6MT

駆動方式:FR

中古車相場:438万~998万円(各型含む)

 

まとめ

 

日本では正規輸入されてレースでも活躍した初代や、いよいよ生産終了ということで限定モデルが多数登場し、海の向こうのこととはいえ、そのたび話題になった3代目と比べて話題になることが少なかった2代目バイパー。

メジャーなレースでの活躍も少なく、日本でもJGTCでの参戦が1年で終わった事から、2代目バイパーと言われてもアメ車好き以外にはピンと来ない人の方が多いかもしれません。

むしろ「モデルチェンジしてまだ売っていたのか」ということで、初代と2代目バイパーの区別がつかない人も多いような気がします。

しかし、その間にも海の向こうで着実に進化をとげ、ニュルブルクリンクでの市販車最高タイムへ挑戦といった努力もあったからこそ3代目まで続き、今なお復活を願う声が高かいわけで、日本で思っている以上に2代目バイパーとは重要なモデルなのかもしれません。

名車は日本市場で日本人が知っているものばかりにあらずといったところですが、とにかく日本との縁が無く印象が薄いので、この機会に再評価してみてはいかがでしょうか。

 

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Writer Introduction
兵藤 忠彦

ダイハツ党で、かつてはジムカーナドライバーとしてダイハツチャレンジカップを中心に、全日本ジムカーナにもスポット参戦で出場。 その後はサザンサーキット(宮城県柴田郡村田町)を拠点に、主にオーガナイザー(主催者)側の立場からモータースポーツに関わっていました。

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