カスタムカーの祭典になぜ、ランクルが?

見事約2ヶ月で長い眠りから目覚めたさくら号ですが、やはり2ヶ月という期間では100%の完成度で仕上げることは叶わなかったのだそうです。

主に細かなディティール部分を更にブラッシュアップして、2018年の東京オートサロンに展示することになりました。

50年前に宮城県を離れ、南北アメリカ大陸を縦断したさくら号ですが、そのまま宮城県に戻り、眠ってしまっていたため、意外にも宮城県外に出たのは初めて(もちろん、国外は除いて)とのこと。

現在ではそのカスタムも多様になっているランドクルーザーですが、恐らく本格的なクロカン用の装備を装着して冒険に出たランクルは、このさくら号がオーソリティーであると言えるでしょう。

つまり、ノーマルのFJ28ランドクルーザーに大冒険の為のカスタムパーツを取り付けたさくら号も広い意味で「カスタムカー」と呼べるのではないか、ということで今回のオートサロンにやってきたのでした。

「半世紀以上前のカスタムカーが、レストアされてやってきた」と考えるとオートサロンにやって来た意義が腑に落ちるのかもしれません。

走破時の激しさを伝える為に壊れたままキレイにしている、当時物のトヨタ純正のウインチ。 ©︎Motorz

 

こちらのウインカーはオートサロンに向けて作成したもの。趣味のラジコンカーの技術を活かして宮城トヨタの小幡さんが自作したワンオフ品です。 ©︎Motorz

 

これは当時装着されていた左ミラー。破損したが、応急処置を施し走行し続けたのだとか。このように壊れた部品も歴史を伝えるために保存されています。 ©︎Motorz

 

50年前の地球縦断ドライブの際の、現地(恐らくメキシコと思われる)のレジストレーションシールが今も残っています。©︎Motorz

 

走破当時はスペアタイヤなどを積んでいたルーフキャリアには”地球縦断「さくら」”の文字が描かれています。 ©︎Motorz

 

こちらはカナダのブリティッシュコロンビア州のナンバープレート。本来はリアのナンバープレートなのですが、展示用としてフロントに装着しています。 ©︎Motorz

 

左後方のボディの凹みは恐らく樹木との接触によるもの。また欠損していた、左のテールレンズも制作しました。 ©︎Motorz

 

出発日と到着日、それぞれの地名が描かれた走破ルートがボディに描かれています。前ページに掲載されている出発前の写真には描かれていないので、これは帰国後に加えられたものだと思われます。 ©︎Motorz

 

まとめ

©︎Motorz

 

半世紀以上前に地球を縦断したランドクルーザー”さくら号”はいかがでしたか?

戦後からわずか15年後の1960年に、日の丸を掲げて南北アメリカ大陸を縦断したさくら号とその乗員は、一体どのような想いでその道のりを走破したのでしょうか。

たくさんの人の想いを運んださくら号は、宮城トヨタの手を借りて、再び今回のオートサロンで日の目を見ることになりました。

再び走り出したさくら号が、これからも日本各地で元気な姿を見せてくれることを期待しましょう。

 

Photo by 宮城トヨタ