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「何も目指してない。ずっと競争が大好きなだけ。」レーサー片岡龍也の軌跡:後編|RacerzLife|

中編では片岡選手がスーパーGT300クラス、500クラスと戦っていく中で生まれた葛藤や、チャンスを掴んできた道のりなど、現在に至るまでの想いについてご紹介しました。最後は、片岡選手のモータースポーツへの、レースへの熱い気持ちや、目標に注目してみました。

出典:https://www.facebook.com/tatsuya.kataoka51

 

過去から現在

持ち前の決断の早さと行動力で、チャンスを掴み続けた片岡選手。日本のトップレーシングドライバーとして何を想い、ここまでやってきたのでしょう。

©︎Tomohiro Yoshita

 

ーーー目標としている人、憧れている人はいますか?

 

片岡:良くも悪くもあまり人の影響を受けない。受けてるんだけど受けてない。だから憧れもあんまりない。

憧れを持つとそこを目指すでしょ?でもポリシーは、『何も持たないこと』がポリシーだから、常に現在。

ナウのベストチョイスを繰り返すだけだから、あんまり考える事がないんだよね。

ああなりたいって意識しすぎると、レールを引いちゃって、レールから外れる事が嫌になっちゃうじゃん?

大きくは無意識にイメージしているんだろうけど、具体的じゃないね。

もちろんレーサーとして成功したいとか、もっと金を稼ぎたいとかあるけど、じゃあその方法って何?ってなった時に明確な答えなんてない。

今、目の前にあるチョイスの中で、常に良いと思う方をチョイスすることしか出来ない。

だから将来像はあまりイメージしていない。出来ないだけかもしれないけど。

 

ーーー今まで決断してきた中で、失敗したな~と思う事はありますか?

 

片岡:失敗は、自分的には無い。気付いてないだけかもしれないけど、失敗だと思っていない。

強いて言うなら、お酒を飲みすぎての失敗はちらほらと(笑)

失敗をしていても、気が付くのは難しいし。ずっと上手くいく訳もない、別にうまく行かなくても、良い時と悪いときのバランスが程々ならストレスは感じない。

悪いことばかり続くと少し不安になるけどね(笑)

 

ーーーいつ頃からプロのレーシングドライバーを意識し始めたのですか?

 

なるんだって意識より、なっちゃったみたいな感じ。

ヤマハの時はプロカートドライバー、4輪を始めた段階では、プロの意識は無かった。

でも、Fポン、GT500と契約金もらってマシンに乗らせてもらった時に、プロレーシングドライバーになったんだと思った。

後はプロドライバーとしてどれだけ継続できるのか。

 


「何も持たない事がポリシー」「気付いてないだけかもだけど、失敗は無い。」など、自然体で頑張りすぎないスタンスで、現在のポジションを確立してきた片岡選手。変化を求める攻めの姿勢と、ガツガツしていないラフな人柄が、多くの人を惹きつけ、チャンスを呼び込み続けたのです。


 

現在から未来

あくまでも自然体である事にこだわり、ベストを尽くしていれば、何かは開けると語る片岡選手。その行き当たりばったりとも言える人生のその先に、いったい何を見て、どこを目指しているのでしょうか。

©︎Tomohiro Yoshita

 

ーーー生きていく上で、絶対これだけは変えないと決めている事はありますか?

 

片岡:昔からの自分の唯一の強みは、いつやめてもいいと思い続けている事かな。しがみつく真似は1度もしなかったから。

これで首になるなら首でいいっていうスタンスできた。

年々守るものが増えてくると若干その姿勢も弱まってきていますが(笑)

若い頃はホントにいつ辞めてもいいと思ってやっていたから、判断する時に守りが出にくいというか、何も考えていなかった。

自分がこの世界で上手くいく訳ないし、数年で終わっちゃうかもしれない、実際今もそうだけど、永遠に続く話ではないから。流れに身を任せる。

一生現役は無理な話だけど、業界にずっと関わっていけるのか?答えは無いけどベストを尽くしていれば道は開けると信じている。

もし、開けなければその時に次を考えればいいだけ。

まずこの業界にいて1番のメリットというか、最大の魅力は人との出会い。絶対に、普通は会えないような会社の社長さんに会って話が出来たりする。

貴重な話を直接聞くことや、さらに横のつながりができたりする。

色んな話を聞いていると、レース以外でも新しいビジネスに挑戦できるかもと勇気が湧いてくる。

困った時に助言をしてくれる人が多くいれば、自分のチョイスが増えることになる。自分の考えだけでは世界が小さいけど、人の考えも取り入れられれば可能性は無限に広がるよね。

 

ーーーいつまで続くか分からないからこそ、いつ辞めてもいいというスタンスを貫くと?

 

片岡:レースに限らずどの世界も、いい学校を出ても就職出来ない人もいるし、いい会社に入ったと思ったら倒産する人もいる。

結局生き抜く力を身に付けなければ、どの商売をやったって絶対無理だし、成功しても続かない。

困った時や新しいことを始める時に仲間が10人より100人、100人より1000人いた方が可能性も広がるし、そこで更に横へのつながりも増えると信じている。

自分には力が無くても仲間がいれば力は生まれる!絶対どっかに特化した力はみんな持っているから、それを生かせれば組織が作れる。

あまり大きくなると喧嘩して別れるかもしれないけど、それぞれがその時に力を付けていれば問題ない。

今の形を守ることも、次の挑戦をする為に形を変えることも自分を信じるだけ。

今まで僕がチームを渡り歩いているなかで、常に今の環境の中で仲間と力を合わせてベストリザルトを残すことだけを考えるのは、学校が変わる、職場が変わる、などと同じようなことではと思う。

 

ーーーレースをやって行く上で目指している事はありますか?

 

片岡:何も目指してない。ただ単純に親からカートというきっかけをもらってから、ずっと競争が大好きなだけ。

自転車こいだら誰にも負けたくなかったし、駆けっこしたら誰にも負けたくなかったし、喧嘩も誰にも負けたくなかった。

勉強だけは、まあいいやって(笑)退いといたけど。

得意な事って苦痛じゃないし。更に上手くなりたい欲求があった。

野球も好きで、子供の頃学校から帰ってくると毎日陽が落ちるまで壁当てしたり、素振りしたりずーっとやっていた。小学校の時は4番でキャッチャーだった、中学校入ってもずっと野球をやっていたんだけど、ある時、監督が変わって全く気が合わない、そのタイミングでカートと出会ったこと、カートを始めてすぐに俺はレースに向いていると勘違いもしたから、野球部辞めてレース1本に的を絞れた。

得意なことはやっぱり楽しい。みんなに褒められるし。喜んでもらえる、この世界がどんどん好きになり、勝てば気持ちいい。その気持ちを元にステップアップを繰り返す。

大きな舞台になるほど勝った時の喜びが大きいし、単純に勝つ快感だけを求め続けた結果が今に繋がっている。

自分はプロとしてドライバーとして契約金をもらえるようになってから、その環境を維持することが唯一の目標かもしれない。契約金をもらって走るというポリシーは今のところ守れている。

18歳でヤマハのワークスになってから1円も払わずにレースをやり続けている、とても恵まれてはいるのは分かっているけど、この環境を継続させられるかどうかが自分の使命だと思う。

素晴らしい環境を手に入れた者の責任として、しっかりしがみつくとこはしがみつく。だけど、プロから外れるんだったらしがみつかない。

プロとしてのしがみつきはするけど、そうでなくなった時は次に切り替える。ざっくり言うと、今やっている事に対して自分が気持ちいいか気持ちよくないか。

結局レースをやる為にストレスを感じたり、やりたくないなーって思うならやめた方がいい。その時は次のやるべきことを考えます。

そうなったら皆さんの力を貸してくださいね。

 


何も目指していない事と目標が無いことは違う。今の自分に自信と誇りを持ち、未来へのビジョンを持った上での潔さと、レーシングドライバーというカテゴリーに囚われることなく、その時にやりたい事をやって行くという自由なスタンス。これこそが、”片岡龍也”の魅力なのではないでしょうか。


 

まとめ

©︎Tomohiro Yoshita

「どんな世界でも、その場に合った力を持っている人間が強いと思うし、自分の得意な事、向いていることを突き詰めるべきだと思う。やれないことを好きだからってやるのは無理があって、得意な事を頑張る方がいい。」

そう語った片岡選手は、これまでいくつもの好きだけどやれない事を切り捨ててきたのかもしれません。

そうして得意な事だけを拾い集め、突き詰めてきた結果が、現在のレーシングドライバーとしての片岡選手を作り上げているのです。

今年も、チームを立ち上げてのS耐参戦など、新しい挑戦を続ける片岡選手の変わらない生き方に注目していきたいと思います。

 

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Writer Introduction
Chika Sakikawa

モデル・ライターをしながらモータージャーナリスト目指して奮闘中( *´艸`) 好奇心旺盛で、モータースポーツを観戦するのも挑戦するのも大好き! そんな大好きな世界の魅力を伝えていきたいと思います。http://chika-sakikawa.com/

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