レシプロエンジンの直列4気筒やV型8気筒エンジンなどはイメージしやすいかと思います。近年volkswagen系の車種に積まれているW型エンジンってどういったものなのか??動画とともに紹介します。

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今回はベントレーのエンジン製作工場をもとに、W12気筒エンジンの製作過程を紹介します。

W型エンジンとは

一概にW型エンジンと言っても、3バンク型と4バンク型があるのはご存知だったでしょうか??

実は100年以上も歴史があるW型エンジンのルーツを辿ります。

 

3バンク型

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出典:https://ja.wikipedia.org/

古くは1906年にアレッサンドロ=アンザーニ氏がオートバイ用に作ったW型3気筒エンジンが発祥となっています。

いわゆる3つのシリンダーバンクを持つ3バンク型のW型エンジンで、アンザーニ氏は後に各シリンダーを120度に配置したY型3気筒エンジンを開発。このY型3気筒は星型エンジンの原型ともされています。

しかしながら、3バンク型のエンジンは多気筒化した場合に吸排気系の取り回しが困難になることから冷却性に問題を抱えました。

1990年にF1に出場するライフが3バンク型W12気筒エンジン(4気筒の3バンク)を搭載したマシンで出場しましたが、全12戦で予選落ちするなど結果が伴いませんでした。

現在では、このような3バンク型W型エンジンは「Y型」エンジンと一括りにされており、後述の4バンク型ダブルVエンジンと区別されています。

 

4バンク型

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現在主流となっており、ドイツのフォルクスワーゲンが市販車用に生産している4バンク型のW型エンジンです。

狭角V型6気筒(VR型6気筒)エンジンを2つ組み合わせたもので、実際は写真のように4バンクにシリンダーブロックは分かれていません。

便宜上区別する上で4バンクとされており、VR型6気筒エンジンが2バンクあると考えて頂ければ大丈夫です。

またこのVR型6気筒からなるW型12気筒を、WR型やVV(ダブルブイ、ブイブイ)12気筒と呼んだりすることがあります。

 

VR型エンジンって??

掘り下げていくと、そもそもVR型6気筒エンジンってどんなもんなの??という疑問が湧きますのでちょこっと触れますね。

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通常のV型6気筒エンジンは片バンク3気筒となっており、シリンダーブロックが分かれていますが、VR型6気筒エンジンは1つのシリンダーブロックに互い違いに6気筒が収まっています。

直列6気筒エンジンともまた違い、V型エンジンのようにエンジン長を短くできることから、狭角V型(VR)エンジンと呼ばれます。

 

W型12気筒エンジンの製作動画

では、実際にW型12気筒エンジンの製作行程を見てみましょう。

熟練の職人によって1基1基丁寧に組み上げられているのが分かりますね。

自動化やパーツのユニット化が進み、作業行程の効率化が非常に進んでいるのも観てとれます。

 

写真で解説

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W12気筒エンジンのシリンダーブロックです。

片バンクがVR6気筒エンジンであることが分かりますね。

 

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2人の職人でピストンをクランクシャフトに取り付けていきます。

1人の職人がヘッド側から差し込み、

 

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もう一人の職人が、クランクシャフト側で受け取り、組み付けていきます。

 

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クランクシャフトを手動で回して、簡易的な動作確認を行っています。

規則的に往復するピストンを延々と見続けていられるのは筆者でだけではないはずです。

 

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こうして組み上げられたシリンダーブロックは、シリンダーヘッドと組みつけられます。

ヘッドが組みつけられるとエンジンの全貌が見えてきますね。

 

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最後にヘッドカバーが取り付けられて、エンジン本体の製作は完了です。

この後、タービン等の補機類、トランスミッションが取り付けられて、車体と取り付けられる直前の状態まで製作されます。

 

まとめ

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いかがだったでしょうか。

こうしてベントレーのコンチネンタルGTに搭載されるW12気筒エンジンが出来上がります。

ちなみにエンジンスペックはコンチネンタルGT Speedですと5998cc ツインターボで635馬力を発生するユニットとなっております。

あまりエンジンの中身を見ることは無いと思いますが、こんな感じになってるんだな、と言うのがご理解頂ければ嬉しいです。

 

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