パトカーは交通違反などの車両を見つけるなり、一気に加速して驚異的なスピードで追跡を開始します。あの速さには、特別な改造がなされているのでしょうか?パトカーの速さの秘密に迫ってみました。

掲載日:2019/10/24

出典:写真AC

警察車両に特別な改造がされているのか

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ドキュメンタリー番組『警察24時』などを見ていると、違反車両や暴走族を追い回すパトカーは、警察官のドライビングスキルもさることながら、驚異的な速さで加速していきます。

交通機動隊や高速道路交通警察隊の覆面パトカーは通常のモデルと比べ、聞きなれないエンジン音で走行している車両の目撃談もよく耳にします。

過去には、ホンダ NSXや日産 R34型スカイラインGT-Rのパトカーが導入されたこともあったため、なにかしら特別な改造が施されているにちがいない!と考える人も多いでしょう。

パトカーは特別なエンジンチューンをしていない

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交通機動隊のパトカーは8ナンバーが付いているので、赤色灯など特殊な改造が施されていますが、エンジンに特殊な改造は施されていません。

トヨタが警察官向けに販売する210系『クラウンパトロールカー』の無線警ら車は、2.5リッターエンジン搭載モデルで、最高出力203PS/最大トルク243N・m。

交通取締車は、3.5リッターエンジン搭載モデルで最高出力315PS/最大トルク377N・mとなっており、実は210系クラウンの市販モデルからスペックに変更はないのです。

そのため、スピード違反車が警察の停止命令を無視してパトカーを振り切ろうと、速度制限を遥かに超えたスピードで走行しても警察官は受傷事故を防ぐために、無理に追尾することはありません。

現行犯で取り逃しても、連絡網やNシステム、監視カメラなどにより、スピード違反車両のナンバーなど、何かしらのデータを警察官が確認しているため、後日必ず検挙することができるのです。

なぜパトカーにはクラウンが多いのか

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パトカーなどの警察車両には、トヨタが製作するクラウンのパトロールカーが多く採用されています。

これは、警察庁が定めるパトカーの規格が、元々からクラウンを軸に決められてきた歴史的背景があるからです。

トヨタ クラウンには、1955年登場の初代モデルから、クラウンをベースにした警察車両『トヨタ・パトロール』が登場します。

そして1957年モデルからは、標準モデルにはない大型トラック用の3.9リッター直列6気筒エンジンが搭載され、見た目はクラウンのパトカーでありながら中身は全くことなる仕様でした。

パトカーの基準は、このトヨタ パトロールの規格をベースに、現在もブラッシュアップされています。

警察庁に導入される白黒のパトカーや覆面パトカーは、入札によって採用が決まりますが、この入札条件はサイズやドア枚数、ピラーの有無など多岐にわたるため、結局はフルサイズの4ドア車になるということです。

具体的にいうと、エンジンは6気筒限定、駆動方式は2WDに限定されていたため、クラウン以外にパトカーのベースになるモデルがありませんでした。

平成25年パトカー仕様書改正、レガシィB4のパトカー導入

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最近は、パトカーにスバル・レガシィB4も多く見られます。

これは平成25年に警察庁がパトカーの仕様書を改正し、4WDや4気筒エンジン搭載の車両も規定をクリアできるようになった為です。

旧仕様書(改定年月日:平成22年8月17日) 新仕様書(改定年月日:平成25年2月6日)
ボディタイプ 4ドアセダン、センターピラーを有するハードトップ型 4ドアセダン
車体サイズ 全長4,700mm以上、全幅1,700mm以上
室内高1,200mm
記載なし
駆動方式 二輪駆動 記載なし
排気量 2,500cc以上 2,500cc以上
エンジン気筒数 6気筒以上 記載なし
最高出力 記載なし 145kW以上

ここでスバルは競争入札に参加し、トヨタが14億5,072万7,400円だったのに対し、スバルは11億9,472万円を提示して落札。

レガシィB4のパトカーは一台当たり288万5,000円で、スバルは414台を納品しました。

ちなみに、クラウンのパトカーは350万4,173円だったため、パトカーの価格は若干安価になるも、馬力はクラウンよりレガシィB4のほうが優るため、パトカーはレガシィB4の導入でより速くなったことになります。

クラウン・レガシィB4以外のパトカーがなぜ走ってるのか

栃木県に導入された日産GT-Rパトカー / © Nissan 2019

現在、クラウンやレガシィB4がパトカーの主流となっていますが、明らかに規格から逸れたパトカーも街中を走行しています。

なかには日産・GT-RフェアレディZなど、高額スポーツカーも!!

それは、パトカーには警察庁が調達する『国費枠』と、各地方自治体が調達する『自治体枠』の2種類が存在しており、クラウンやレガシィB4は警察庁が所有するパトカー、逆にGT-RやフェアレディZなどは自治体枠で導入されたパトカーということです。

覆面パトカーにスーパーチャージャー仕様のマークX導入

覆面パトカーには、クラウンやレガシィB4以外に、日産 スカイラインやトヨタ マークXなども採用されています。

最近、にわかに話題なのが”日本警察史上最速”と呼ばれる、マークXにスーパーチャージャーを搭載した覆面パトカー。

これはモデリスタが製作した車両で、警視庁に15台導入されました。

スーパーチャージャーユニットはトムスが開発したもので、専用のECUを搭載。

ノーマル比42馬力アップの360馬力、トルク12kg・mアップの50.7kg・mを発生し、最高速はなんと260km/hにも達すると噂されています。

マークXスーチャー覆面パトカーだけは、絶対に近くを走りたくない覆面パトカー!怪しいマークXには要注意です。

まとめ

出典:写真AC

パトカーは白黒カラー、散光式警告灯、サイレンスピーカーといった装備以外は、通常のクラウンとほとんど変わりません。

しかし、スーパーチャージャー特有の独特なエンジン音のマークXに遭遇したら要注意です。

振り切ろうとしても、警察官が何かしらの証拠を残していること、そして警察官は業務の中にドライビングスキル向上の訓練をうけているため、一般ドライバーと比較しても確実に高いレベルのスキルを持っています。

パトカーから停止命令が出されたら対抗せず、誠実に要求を受け入れるべきです。

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