打倒ダットラ(ダットサントラック)を目指してライトスタウトから一新、新たに傘下となった日野自動車の開発でデビューし、トヨタトラックとして輸出もされた初代ハイラックス。1972年には初のモデルチェンジで2代目となり、高速道路時代に合わせてパワフルなエンジンを搭載した『ハイウェイ』や、スポーツピックアップトラック的な性格を強めたフロアシフト式の『ハイウェイスポーツ』が登場、AT車も設定されてイージードライブに対応しました。

2代目トヨタ ハイラックス / Photo by Jacob Frey 4A
基本は初代からキャリーオーバーに近いものの、精悍なルックスへ

2代目トヨタ ハイラックス / Photo by dave_7
1972年5月の初モデルチェンジを受け2代目となったトヨタの1t積みボンネットトラック、ハイラックス。
初代末期に搭載された1.6リッターエンジン主体の標準 / ロングボディのボンネットトラックとしてメカニズム的には大きな変化は無く、標準で10mm、ロングボディで45mmホイールベースが延長された程度で、デッキ寸法は変わり無し。
丸目4灯式ヘッドライトやフロントグリル周りに突き出す枠が設けられて、ヘッドライト位置も初代より高くなり、さらにテールランプも初代の荷台下へ横型から、荷台左右縦型となったのがデザイン上のアクセントで、より精悍(せいかん)なスタイルになりました。
高速化、イージードライブに対応した2代目ハイラックス

2代目トヨタ ハイラックス キャンピングカー仕様 / Photo by Greg Gjerdingen
特徴的だったのは2リッター105馬力の18Rエンジンを搭載した『ハイウェイ』グレードの登場で、名神高速道路の開通(1963年)と全通(1965年)をはじめ、日本全国で高速道路の建設が進むハイウェイ時代が到来したのに伴い、ハイラックスも時代に合わせて変化していきます。
基本的にはコラムシフトにベンチシートの3人乗り仕様でしたが、『ハイウェイスポーツ』および『ハイウェイオートマティック』では、左右独立したセパレートシートの間にフロアシフトのレバーが生えた2人乗り仕様で、より乗用車然としたカタチになりました。
さらに『ハイウェイオートマティック』では、3速ATを採用したことでイージードライブにも対応しましたが、ミッションの容量ゆえか最大積載量は500kgに制限され、2人乗りスポーツトラックとしてレジャー感覚も強かったと言えます。
また、安全性に配慮して『マスターバック付タンデム マスターシリンダー式ブレーキ』を標準装備したほか、荷重変化に合わせてブレーキの効きを制御する『ロードセンシングプロポーショニングバルブ』も採用。
快適性が高くパワフル、運転もしやすい小型ボンネットトラックとして完成度を高めたのですが、ハイラックスのような商用車にも排ガス規制の波は押し寄せ、1975年10月には18Rが廃止、80馬力1.6リッターの12R-Jのみとなりました。
主なスペックと中古車相場

2代目トヨタ ハイラックス / 出典:https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/car/id60015479/
トヨタ RN22-KD ハイラックス ハイウェイスポーツ 1972年式
全長×全幅×全高(mm):4,275×1,580×1,585
ホイールベース(mm):2,580
車両重量(kg):1,110
エンジン仕様・型式:18R 水冷直列4気筒SOHC8バルブ
総排気量(cc):1,968
最高出力:77kw(105ps)/5,500rpm(グロス値)
最大トルク:157N・m(16.0kgm)/3,600rpm(同上)
トランスミッション:4MT
駆動方式:FR
中古車相場:38万~138万円
まとめ

2代目トヨタ ハイラックス / 出典:https://www.favcars.com/pictures-toyota-hilux-1972-78-417179-800×600.htm
1ランク上(シングルキャブ1.75t積み、ダブルキャブ1t積み)のスタウトが1960年以来フルモデルチェンジを受けないロングライフモデルだった一方、より広範なステージでの使い勝手が求められたハイラックスは、流行や時代の変化に合わせたモデルチェンジが行われます。
おかげでデザインはよりスポーティになり、パワフルなエンジンを得てスポーツトラック的に使ったり、バイクのトランポ(トランスポーター)として使っても絵になるようになり、その傾向はダブルキャブが追加される3代目以降でより強まっていくのでした。
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