日本が誇る本格オフローダーの王様『トヨタ ランドクルーザー』は大雑把に言えばステーションワゴン系、ライトデューティー系、ヘビーデューティー系の3つに分かれていますが、このうちある意味もっとも『ランドクルーザー』らしいのがヘビーデューティー系のランドクルーザー(70系)。30年以上も生産されて海外では今でも販売中、日本国内でも販売終了10年後に『30周年記念モデル』が期間限定復活するなど、特別な存在です。

 

トヨタ ランドクルーザー(70系) / © 1995-2018 Toyota Motor Corporation. All Rights Reserved.

 

ランドクルーザーでもっとも伝統的な元祖ヘビーデューティ系『70ランクル』

 

トヨタ ランドクルーザー(70系ピックアップ・手前) / © 1995-2018 Toyota Motor Corporation. All Rights Reserved.

 

第2次世界大戦後、世界中で日本車が売れるようになったのは『普通にエンジンがかかって動く』抜群の信頼性を証明してきた歴史あってこそですが、ではどのモデルが証明してきたかと言えば、ランドクルーザーの名前は確実に出てきます。

1950年代からの海外輸出では、一時期ランドクルーザーしか売る車が無かったほどでしたが、初期のトヨタBJジープ(初代10系ランクル)から20系、40系と発展する中で信頼性を勝ち取り続けた元祖ランクル『ヘビーデューティー系』の最新モデルが70系です。

最新と言っても発売されたのは1984年なので30年以上経過していますが、ラダーフレーム、ボディ、サスペンション、エンジン全てが頑強で信頼性高くシンプルで整備しやすい上に、世界中で売れたので部品も豊富で安く手に入ります。

また、流行り廃りに合わせて売れ行きの決まるモデルと異なり、本当の意味で『必要とされている』車にはかえってフルモデルチェンジなど不要で、環境問題に対応した改良は受けるものの基本的には30年以上たった今でもほぼそのまま生産中。

日本では途中から乗り味がマイルドでより手軽に日常使用できるライトデューティー系の『ランドクルーザープラド』を分岐させ、そちらが販売の主力となったので2004年で一旦販売を終了してヘビーデューティー系の歴史は途絶えますが、『本物』を求めるユーザーからの根強い支持は続き、2014年には『30周年記念モデル』が約10ヶ月の期間限定で復活しました。

 

コイルスプリング化が嘆かれるほど超保守的、まさに国産車界の『老舗大衆食堂』

 

出典:https://www.favcars.com/toyota-land-cruiser-bj73v-mn-1984-wallpapers-99470-800×600.htm

 

1980年代のRVブーム(RV=レクリエーショナル・ビークル)真っ只中に生まれ、途中からよりRVライクなライトデューティー系の70ワゴンを『ランドクルーザープラド』として分離独立させた後は、1990年代前半には「まだ作っていたのか」扱いだった元祖70系。

しかし、頑強なラダーフレームに前後リーフリジッドのタフなサスペンション、快適性より粘り強さや信頼性といった実用性一辺倒のディーゼルエンジンをラインナップした70系ランドクルーザーは『これぞ元祖、本物のランドクルーザー』として粘り強い支持を受けていました。

この種の車になると快適性というより『どこでどう使っても動き、壊れないのはもちろん簡単にサビて朽ちたりしない』のが大事で、ラグジュアリー感あふれた高級内装や快適な乗り心地は二の次。

変わらない事こそ美徳、信頼性の証となります。

そのため、1999年のマイナーチェンジでフロントサスペンションのみコイルスプリング化された時など、『ついに70系も快適性重視の波に飲まれたのか?』と残念さと不安の入り混じった紹介をされたほど。

普通の車が『グルメ系のWEBサイトや雑誌を見て流行の最先端を味わいに行く店』だとすれば、70系ランドクルーザーは『大将が代替わりしても変わらぬ味を提供する老舗大衆食堂』そのものです。

しかし頑丈で信頼性が高く最新モデルは不要となると、日本国内レベルの使い方では壊れることも稀で、乗り換えの必要性がほとんど生じないためか販売的にはだんだん地味になっていき、2004年にはついに『一旦日本でのノレンを下ろす』形となりました。

 

主なスペックと中古車相場

 

トヨタ BJ70 ランドクルーザー(70系) ショート幌タイプSTD 1984年式  / 出典:https://www.favcars.com/toyota-land-cruiser-bj73v-mn-1984-wallpapers-99470-800×600.htm

 

トヨタ BJ70 ランドクルーザー(70系) ショート幌タイプSTD 1984年式

全長×全幅×全高(mm):3,975×1,690×1,905

ホイールベース(mm):2,310

車両重量(kg):1,740

エンジン仕様・型式:3B 水冷直列4気筒ディーゼルOHV8バルブ

総排気量(cc):3,431

最高出力:72kw(98ps)/3,500rpm(※グロス値)

最大トルク:226N・m(23.0gm)/2,200rpm(※同上)

トランスミッション:5MT

駆動方式:パートタイム4WD

中古車相場:49万~599万円

 

まとめ

 

2014年に期間限定で復活した、ランドクルーザー(70系) 30週年記念モデル / Photo by Lee K C

 

70系ランドクルーザーが2004年に後継車も無いまま国内販売を終了した時には、これも時代の流れで、売れない事情があるのだろうとあきらめた人も多かったと思います。

しかし、2014年に30周年記念モデルが販売されてみると、外観がちょっとスマートになったのは元よりABSやエアバッグなど近代装備も備えつつ、従前の信頼性やタフな走りは改良刷新されて続行していたので「なんだまだイケるんじゃないか!」と歓喜した人が、多数存在しました。

『30年間作られた車がついに販売終了』というニュースならともかく、『30年作られている車が期間限定で国内市場に復活』など、国産車では前代未聞のエピソードが70ランクルらしいところです。

2018年10月現在こそ『保安基準の問題で日本では売れない』と言われているものの、2024年頃にはそんな問題をクリアし、サラっと『40周年記念モデル』が発売されるのでは無いか、そんな気がしてなりません。

世界中のどこかでランドクルーザーが求められる限り、70系の生産は100年でも200年でも続いていくのだと思います。

 

Motorzではメールマガジンを配信しています。

編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?

配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!