トヨタのチューニングメーカー『TRD』は、1994年の東京オートサロンに1台のコンプリートカーを出展しました。それが『TRD 3000GT』で、当時のJZA80型 スープラのGTカーを模したウィングや、ワイドボディ化されたエアロを装備し、ギャラリーの視線を集めて話題となりました。今回はそんなTRD 3000GTの特徴や魅力について、語りたいと思います。

掲載日:2019.8/9

出典:TRD https://www.trdparts.jp/supra/3000gt.html

1994年、東京オートサロン TRD 3000GT 現る

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1994年、晴海の東京国際見本市会場で開かれた東京オートサロンでは、トラストやRE雨宮などの各チューニングメーカーが、スカイラインGT-R(BNR32)やRX-7(FD3S)などのコンプリートカーを出展していました。

その中でもギャラリーの熱い視線を集めたのが、トヨタのチューニングメーカー、TRDが発表した『TRD 3000GT』です。

ボディにラッピングやステッカーの類は一切貼られていませんでしたが、そのスタイルはまさにGTカーそのもの。

リアには雄々しくも美しい巨大なウィングが装備され、レーシングカーと酷似したワイドボディはそれよりもさらに拡大されて、見る者を圧倒します。

当時は全幅1,700mm以下(5ナンバー規格)の車が主流の時代。

このTRD 3000GTはそんな時代に抗うかのように広いボディ幅を持っていましたが、その姿は見かけだけではなく、レースに勝つためだけに空力・冷却性能を追求したがゆえのものでした。

ボンネット、フロントバンパー、サイドスカート、リアウィング……etc、各部に装備されたパーツは本物のレーシングパーツであり、同年の全日本GT選手権でその性能を見事なまでに証明。


出典:TRD https://www.trdparts.jp/supra/3000gt.html


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実際に’94年の全日本GT選手権最終戦において、このTRD 3000GTに装備されたパーツを装着したJZA80型 スープラが、圧倒的な速さとともに華々しくデビューしたのです。

このレーシングカー並の性能を誇るマシンは、実際の販売時はコンプリートカーとして売られたわけではなく、構造変更を伴うチューニングキットとして発売されました。

しかしそれは公認申請が必要な反面、ドライバー自身の予算の範囲内に合わせてカスタムが可能だということを意味しており、リアウィングを装着するだけでも、このTRD 3000GTの性能を一部体感できたのです。

圧倒的な速さをもたらすパーツが一部だけであれば、まだ手が届きそうな領域にあったこと。

それがTRD 3000GTの魅力だったのかも知れません。

TRD 3000GTの仕様

出典:TRD https://www.trdparts.jp/supra/3000gt.html

1994年の晴海、東京オートサロンの会場に展示されたTRD 3000GTの仕様は、内部に関してはほぼノーマルに近い状態でした。

しかしエンジンやサスペンション、マフラーなどはバランス良くチューンされており、その性能を引き出すための各種エアロパーツは、当時のTRDが持つ技術の粋を結集したもの。

各種パーツ開発にはレースで培ったデータを反映し、公道走行仕様に改めながらも、風洞実験やコンピューターを使った3D造形などを経て設計された、文字通りの「最速」を求めた仕様になっています。


出典:TRD https://www.trdparts.jp/supra/3000gt.html


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特にリアウィングはダウンフォースを発生させながらも、ファッション性にも優れたデザインが採用されており、ドレスアップ志向のユーザーにも対応。

また握りやすさを追求したであろうステアリングは、現在の「トヨタ 86」のステアリングを先取りしたような姿をしています。

こうした徹底したこだわりのもと、本物のレーシングカーとして開発されたTRD 3000GTの再販を求める声は今も後を絶ちません。

TRD 3000GTの各種パーツ

出典:TRD https://www.trdparts.jp/supra/3000gt.html

品名 価格
(円 , 税抜)
備考
ワイドボディキット (~96.5) 925,000 記載事項変更必要 受注生産品
(96.5~) 925,000 記載事項変更必要 受注生産品
ワイド
ボディキット
構成品
フロントバンパーカバー (~96.5) 110,000
(96.5~) 110,000
フロントバンパースポイラー 90,000
フロントバンパーエアダクト 80,000
フロントフェンダーパネル、RH (~96.5) 125,000
(96.5~) 125,000
フロントフェンダーパネル、LH (~96.5) 125,000
(96.5~) 125,000
リヤクォーターパネル、RH (~96.5) 80,000
(96.5~) 80,000
リヤクォーターパネル、LH (~96.5) 74,000
(96.5~) 74,000
サイドステップ、RH 57,000
サイドステップ、LH 57,000
リヤバンパーカバー 79,000
フューエルリッド 26,000
フィッティングキット 65,000 改造用金具、ショートパーツ一式
エアロボンネットフード(単品取付可能) 200,000 放熱用エアスリット付 重量:11.3kg 受注生産品
リヤウイング Type-S 140,000 角度調整式 ※
Type-R 140,000 角度固定式トリプルステータイプ ※

引用:TRD TRD 3000 GT https://www.trdparts.jp/supra/3000gt.html

出典:TRD https://www.trdparts.jp/supra/3000gt.html

出典:TRD https://www.trdparts.jp/supra/3000gt.html


まとめ

出典:http://www.trdparts.jp/supra/performanceline.html

本物のレーシングカーとしての仕様を追求し、ラッピング以外はGTカーとほぼ同じ姿で登場したTRD 3000GT。

そこには、グループCクラスのマシン開発に注ぎ込んだTRDの高い技術力が投入されており、その性能は全日本GT選手権での速さで証明されて、今でも根強い再販を求める声が聞かれます。

国内外のワークスやショップチューナーなど、多様な場面で採用され続けたこのTRD 3000GTに注がれた技術力。

それは後の「TRD 14R-60」を経て、「大阪オートメッセ2019」で発表される「GRスープラ パフォーマンス ライン コンセプトTRD」にも受け継がれていることでしょう。

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