近未来的なデザインと、スポーツカーも顔負けの走行性能で多方面から驚きと歓迎の声を呼んだ60型新型プリウスですが、唯一とも言える欠点が存在します。それは“後方視界の悪さ”です。 間違いのない燃費性能とカッコ良さを持っている60系プリウスだからこそ、その欠点をなんとかしたい!ということで、これまでモーターズでも何度か取り上げているアルパイン ドライブレコーダー搭載デジタルミラーを使い、どこまで後方視界の悪さを解消できるのか検証していきます。 Photo : Takanori ARIMA Text : Shingo MASUDA

デザインに振り切った60系新型プリウス

5代目に当たる現行型60系プリウスは、第5世代のTHSII(Toyota Hybrid System II)を搭載し、エンジンの排気量は2.0Lに拡大。ハイブリッドならではの滑らかな走りと、スポーツカー顔負けの力強い加速を持ち、「お!?プリウス良いんじゃない?」と多方面から注目を集めています。

省燃費かつパワフルな走りもさることながら、60系プリウスの目玉はなんといっても内外装のデザインです。これまでの「見た目はそこそこにとにかく燃費!」というコンセプトを捨て、指名買いされる魅力を持った「カッコ良いクルマ」に生まれ変わりました。

先代比で全長はプラス25mm、全幅は20mm拡大したのに対し、全高は40〜50mm低くなっています。まさに“ワイド&ロー”でスポーティなスタイル!空気抵抗係数(Cd値)が0.03悪化させてまでこだわったという、後方に向かってボリューミーになる姿は、シンプルにカッコ良い!と言えるものになっています。

そして、車内のメーターやハンドル、各種操作スイッチが各セグメントごとにまとめられており、操作性も抜群。先代に比べてやや狭く感じるものの、囲われ感のある空間はコックピットのような雰囲気です。

これなら、「ファミリーカーでかっこいい車に乗りたいけどミニバンほどの車内は必要ない」という世のお父さんたちも十分満足できるのではないでしょうか?

60系新型プリウスで悔やまれる後方視界の悪さ

思わず本題を忘れ、熱く語りたくなるほど魅力的な60系プリウスですが、そのカッコ良いデザインがゆえにやや注意したいポイントが視界です。前後のガラスは一見すると大きな面積を持っていますが、大きく傾斜がついていることで実質的な視界はかなり狭くなっています。

特に後方の視界は、正直なところ“良い”とはいえません。

後方に行くほどキャビンが絞り込まれているため、リアウインドウから見える視界はわずか。さらにクーペのようなルックスを演出している太いCピラーがあり、斜め後方はほとんど見えません。

この位置に内原さんがいますが、サイドミラー、ルームミラー、肉眼で見えていません

往年のスポーツカーに乗りなれた方ならいざ知らず、あまり運転に自信がないユーザーさんにとって、この後方視界の悪さはかなり注意です。

どれほどの死角があるのか検証してみたところ、左斜め後方のあるエリアのみ、ルームミラー、サイドミラー、そして振り返っての肉眼でもまったく見えません。もちろん見えないものだという認識を持ち、注意していれば良いのかもしれませんが、やはりまったく見えないのは考えものです。

純正ミラーとアルパイン ドライブレコーダー搭載デジタルミラーの違いを検証

同じ位置に立っている内原さんがバッチリ確認できます。

次は同じ車両にアルパインのデジタルミラー(DVR-DM1000-IC)を取り付け、視野の違いを検証します。
車両の位置と対象物(モーターズ編集部内原さん)を全く同じ位置で配置し、サイドミラーと肉眼では目視できない状態ですが、デジタルミラーではバッチリ確認することができました。

「上:純正/下:DVR-DM1000A-IC」駐車枠1台分広い範囲が見えます。

純正状態では見えなかった死角が解消されたことで、“まったく見えない”という不安がなくなったのは大きなメリットです。また、かなり広い範囲を見ることができるため、コンビニやサービスエリアなど左右の安全を確認しなければいけないシチュエーションでも安心してバックできます。

確かな視野とドラレコ付きで安心安全!アルパイン ドライブレコーダー搭載デジタルミラー

筆者自身も自分の200系ハイエースでデジタルミラー(DMR-M01R)を使用しており、かなり満足していますが、改めて最新モデルであるアルパイン ドライブレコーダー搭載デジタルミラー(DVR-DM1000A-IC)についてみていきます。

純正内装に馴染む質感と良好な使い勝手

システムON時のオープニングもカッコいい!

今回テストに使用させてもらったのは、10型液晶を備えたモデル。ラインナップには12型も存在しますが、10型でも映る範囲は同じで視認性は十分確保されており、サンバイザーにも干渉しない収まりの良さは魅力的です。
取り付けは車種専用のアームを使用しているため後付け感がなく、一切グラつきがありません。また、洗練されたデザインのミラーは、質感の高い素材を使い絶妙にラウンドさせ、シンプルかつ上質にまとめられた60系プリウスの内装にもマッチしています。

筆者も200系ハイエースで旧型のデジタルミラーを使用しており、かなり重宝していますが、唯一嫉妬してしまう点がルームミラーとしての映り方です。DVR-DM1000A-ICは電源OFF次の反射率が向上しており、普通の鏡として十分機能します。これなら後部座席にいるお子さんの様子を確認したいママさんや、身だしなみを確認したビジネスマンも安心です。

もちろん、デジタルミラーとしての映りもバッチリ。液晶は上下/左右ともに160度という広い視野角があり、通常のミラーのように運転席側へ向けていなくてもクッキリした映像を見ることができます。

欲しいドラレコ機能を完全網羅

そして、アルパインのデジタルミラーをおすすめしているもっとも大きな理由が、ドライブレコーダー機能を搭載していることです。

連日のように危険運転や煽り運転が報道されているにもかかわらず、迷惑で危険な運転は無くなっていません。自分自身はもちろん、家族の安全を守るためにも、やはりドライブレコーダーは欠かせないアイテムです。

DVR-DM1000A-ICに搭載されているドライブレコーダー機能は、もしもの時に安心な衝撃録画や手動録画に加え、オプションの追加不要で駐車監視まで対応しています。カメラは昼夜問わず高精細に映し出してくれるため、ナンバーや運転手の顔までしっかり記録を残すことが可能です。

そして、何よりDVR-DM1000A-ICを買えば、別にドライブレコーダーを用意しなくて良いのはかなりのメリットだと感じています。

ただでさえ、ADAS(安全運転支援機能)を搭載している近年のクルマの場合、フロントガラス周辺にカメラやレーダーのユニットが取り付けられているため、できるだけ後付けのアイテムを増やしたくありません。

その点、デジタルミラーとドライブレコーダーを兼ねているDVR-DM1000A-ICであれば、必要以上にフロントガラス周辺にアイテムを増やす必要がなく、さらに純正ミラー交換タイプのためスッキリした見た目に仕上がります。

まとめ

自動車ライターという仕事柄、60系プリウスのデザインにはかなり驚きました。そもそもプリウスの存在意義については、メディア関係者の間でも危うく感じていたので、ここまでデザインに振り切ったトヨタの英断には感服です。ただ、カッコ良い見た目に振り切ったことの弊害として、後方視界が良くないことも言われていました。

プリウスはこれまでの流れから考えて、スポーツカー好きだけじゃなく、若者からママさん、高齢の方まで幅広いユーザーが購入を検討している(または購入した)はず。そうなれば、後方視界の悪さはぜひとも解消しておきたいポイントです。

60系プリウスのオーナーさんはもちろん、車内の雰囲気を壊さず安心と安全を手に入れたい方は、アルパインのドライブレコーダー搭載デジタルミラーを検討してみてはどうでしょうか。

ドライブレコーダー搭載デジタルミラーはアルパイン