アウトドアコーディネーターの森風美、カメラマンのショーン、そしてボーダーコリーのどんちゃん。今回の一行は、ダイレクトカーズのキャンピングカー「オステリア」に乗り込み、長崎のディープな魅力を再発見する旅に出た。

フェリーで島原へ。コンパクトな車体がもたらす旅のゆとり

旅の始まりは熊本港から。高速カーフェリー「オーシャンアロー」に乗り込み、有明海を渡る。今回相棒となるオステリアは、全長5m未満というコンパクトなサイズ。フェリーの車両運賃が抑えられるだけでなく、乗船手続きの際に「フェリーカード」をコレクションする楽しみも。

愛犬のどんちゃんは、乗船中は車内でお留守番。断熱性の高いアクリル二重窓と換気扇を活用すれば、風が循環し、夏場でも車内は涼しく保たれる。飼い主たちはデッキから、カモメが舞う美しい海の景色を眺めながら島原へと向かった。

城下町の湧水と、名物スイーツ「かんざらし」に癒やされて

島原に到着後、城下町特有の細い路地へと車を進める。一般的な駐車枠に収まるサイズ感は、こうした観光地の移動でも心強い。「浜の川湧水」では、地面からこんこんと湧き出る新鮮な水に触れ、どんちゃんも一番下の出口から喉を潤した。

湧水を望む名店「銀水」では、島原名物の「かんざらし」と、温かい出汁に白玉が浮かぶ「だしざらし」を堪能。カルメ焼きを思わせる優しい甘さが、移動の疲れをそっと解きほぐしてくれる。

土石流被災家屋に学ぶ、キャンピングカーが持つ「防災」の役割

続いて訪れたのは、道の駅「みずなし本陣ふかえ」に隣接する「土石流被災家屋保存公園」だ。平成4年の普賢岳噴火による土石流で埋没した家屋が当時のまま保存されており、2階まで泥に埋まった姿に自然災害の脅威を思い知らされる。

災害時、ペットを連れての避難所生活には多くの課題がある。電気やガスを備え、足を伸ばして眠れるキャンピングカーは、プライバシーを守る避難場所としても大きな可能性を秘めている。旅を楽しむツールであると同時に、家族を守る「移動シェルター」としての側面を改めて実感する機会となった。

島原城で車中泊。夜の屋台と天然温泉を満喫

今夜の宿は、なんと島原城の敷地内にある「RVパーク島原城」。Web予約と無人のチェックインシステムにより、到着後もスムーズに滞在を開始できる。五層の天守閣からは、遠く熊本の地や、駐車場に停めた愛車のソーラーパネルまで見渡すことができた。

夜は徒歩圏内の「遊楽の湯」で地元客に混じって天然温泉を楽しみ、その後は市役所駐車場に現れる夜の屋台へ。巨大な丸天のおでんや、旨味の詰まった島原名物「雲仙ハム」、締めの豚骨ラーメンに舌鼓を打つ。お酒を楽しんだ後、すぐに自分のベッドで眠れるのは、キャンピングカー旅ならではの醍醐味だ。

ノスタルジックな池島へ。釣りと炭鉱ツアーで長崎を味わい尽くす

翌日はさらに足を延ばし、かつて炭鉱で栄えた「池島」へと上陸した。急勾配の坂道と、廃墟が立ち並ぶラピュタのような風景。島内でサビキ釣りに挑戦すると、次々と新鮮なイワシが釣り上がった。

釣ったばかりのイワシは、車内のキッチンで揚げたての天ぷら丼に。屋外での活動には、電池式の防虫ツール「CANOX(カノクス)」を併用し、虫を気にせず調理に集中。食後は元炭鉱マンの案内による炭鉱ツアーに参加し、トロッコで坑道へ。当時の貴重な話に耳を傾け(※ツアーは今年度末終了予定)、島に唯一残る100円の風呂で汗を流した。

長崎の歴史、食、そして防災の視点まで。キャンピングカーという自由な足を得て、旅の密度はどこまでも深まっていく。なお、今回の旅を支えたダイレクトカーズは、三重県に「鈴鹿ベース」をリニューアルオープン。レンタルや整備拠点も充実しており、新たな旅の出発点として注目したいスポットだ。

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