最近ではテレビCMをはじめ、モーターズでも度々取り上げているオールシーズンタイヤ。今回は、今やファミリーカーの定番車種「ミニバン」を使い、クムホ SOLUS(ソルウス)4S HA32の実力を確認。さらに今回は、日産 ラフェスタのオーナーYさんにご協力いただき、購入に至った理由と率直な感想を聞かせてもらいます。
Photo : Takanori ARIMA Text : Shingo MASUDA

機能も見た目も世界基準のオールシーズンタイヤ

クムホタイヤは、世界中の自動車メーカーに新車装着タイヤを供給し、現在では世界180カ国以上で販売されるグローバルタイヤメーカー。日本法人も1977年に設立され、日本の道路環境に合ったタイヤを開発し販売してきた信頼できるタイヤメーカーです。

そんなクムホタイヤが作ったオールシーズンタイヤが、SOLUS(ソルウス)4S HA32。同社のコンフォートラインであるSOLUS(ソルウス)を冠に持ち、雪道も走れる夏タイヤとして昨年モーターズでもテストさせていただきました。

オールシーズンタイヤを表す四季のアイコンに加え、複数のナーリング加工により、近年の欧州タイヤにあるような洗練されたサイドウォールデザイン。さらに、冬タイヤとして使用できる50%の摩耗を確認しやすくする砂時計を模したスノー摩耗インジケーターを採用するなど、他メーカーにはない、実用性と遊び心を兼ね備えた演出がされています。

 

年間通して使える全天候対応型タイヤ

「スタッドレスタイヤは高いので、首都圏に住む身としては年に1度か2度降るかもしれない雪のために買うのは勿体ないと思っていました。そこで、年間を通して履いていられることを期待して購入させてもらいました」

まさに、オールシーズンタイヤは、通年使用できる性能を備えた全天候対応型タイヤ。冬になってもほとんど雪が降らない、非降雪地域在住の方にはもってこいのタイヤです。
ではまず、雪上のテストに向かうまでの高速道路区間で、オンロードの印象を聞いてみました。

「雪でも走れると聞いて、スタッドレスタイヤのような柔らかい乗り味を想像していましたが、夏タイヤから履き替えても特に違和感がなく、同じような乗り味ですね」

車関連のお仕事をされているというオーナーのYさん、その感覚は流石といったところ。クムホ ソルウス 4S HA32は、スタッドレスタイヤの代用品ではなく、あくまで雪上も走行可能な夏タイヤという位置付けです。

「一般道では特にうるさいという印象はありませんが、高速道路で速度を上げていった際には、少しロードノイズは聞こえてきます。また、ランフラットタイヤのような硬さも感じますが、音や乗り心地についても、決して不快なレベルではなく、事実妻は何が変わったのか分からないようでした(笑)」

夏用タイヤと変わらない走行安定性

雪道や冬の低温下でもグリップ力を確保するため、クムホ ソルウス 4S HA32には、天然成分(パインレジン)をベースにしたオールシーズン専用コンパウンドを採用。夏タイヤとスタッドレスタイヤの中間にあたる特性を持たせています。

また、外側に向けて広がる特徴的なV字トレッドが、排水、排雪効率を高め優れたトラクション性能を発揮。これらの構造的特徴を持っているため、夏タイヤと冬タイヤ両方の特性を兼ね備えているのです。

「ここまで一般道から高速道路と走ってきましたが、タイヤのしっかり感が非常に好印象です。スタッドレスタイヤは乗り心地が柔らかい反面、どうしても頼りない腰砕け感がありましたが、このタイヤはその頼りなさが無く、安心して運転することができます」

クムホ ソルウス 4S HA32には、大きさの異なる5種類のサイプを最適に配置。さらに、ブロック一つ一つの倒れ込みを抑制する3Dサイプを搭載することにより、季節や路面温度を問わず優れた操縦安定性とブレーキ性能を発揮します。

このように、雪上テストの現地に到達するまでの区間で、夏タイヤとしてクムホ ソルウス 4S HA32の持つ十分な性能が確認できました。

そして、車窓には徐々に雪景色が見え始め、いよいよ雪上性能を実感してもらいます。

雪を踏み固めて雪道でもグリップ力を発揮

取材当日は、高速道路の一部区間で冬タイヤ規制が実施される状況。あくまで雪道も走れる夏タイヤだという、クムホ ソルウス 4S HA32。一般オーナーのYさんは、雪道でどんな印象を持ったのでしょうか。

「このタイヤ(クムホ ソルウス 4S HA32)で初めて雪道を走っていますが、特に不安はないですね。途中踏切や信号待ちの一旦停止もありましたが、しっかりとまることもできました」

スタッドレスタイヤではないクムホ ソルウス 4S HA32が、雪道でもしっかりグリップ力を発揮する秘密は、太い横溝が雪を踏み固めて駆動力を確保する「雪柱せん断力」の効果です。

氷上も走れる一般的なスタッドレスタイヤは、雪や氷との密着度を上げてグリップ力を確保しているのに対し、クムホ ソルウス 4S HA32は雪を掻いてグリップ力を得ています。

オールシーズンタイヤって何ですか?

 

タイヤ交換の手間を掛けたくない方におすすめのオールシーズンタイヤ

「除雪された道や、融雪のために水がまかれたような状況で言えば、特に不安になるようなことはありませんでしたが、トンネルの入り口をはじめ完全に凍結しているような場面では、やはり滑るなという印象です」

スリーピークマウンテン・スノーフレーク(3PMSF)マークが刻印されたクムホ ソルウス 4S HA32ですが、そこはあくまでオールシーズンタイヤ。雪上での高い走行性能は証明されているものの、バキバキに凍ったアイスバーンでの使用はおすすめできません。

「趣味で冬場はスノーボードによく来るので、比較的雪上での運転には多少慣れています。急の付く運転をせず、地面が氷じゃなく雪であればまったく問題ないと感じました。普段私のようにほとんど雪が降らない地域に住んでいるなら、ぜひおすすめしたいタイヤですね」

繰り返しになりますが、オールシーズンタイヤのクムホ ソルウス 4S HA32はスタッドレスタイヤではありません。仕事で雪道を走らなければならない人や降雪地域に住んでいる方で、絶対的な安心感を求めるのであれば、やはりスタッドレスタイヤの方がおすすめです。

しかし、非降雪地域にお住いの方なら、急な降雪予報にも慌てることがなく、冬タイヤ規制になっても走行できることは心強いポイント。年に2回のタイヤ交換が面倒に感じている方、また、夏と冬で2セットのタイヤを持つことに抵抗があるなら、クムホ ソルウス 4S HA32をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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