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1980年創立と、長い歴史を持つチューニングメーカーの雄であるBLITZは、軽自動車ながらサーキット走行をも視野に入れたS660のデモカーを作り上げてきました。これは足回りからエンジンチューン、エアロパーツまで自社でリリースするBLITZだからこそ成せた技。そんなBLITZ製 S660の気になる中身を早速、解剖していきます!
Text : Koichi KOBUNA
Photo : Takanori ARIMA
100PS弱を狙えるキットを開発中
サーキットコンセプト「Spec C」として開発されたこのS660。
中でも注目したいのが、約100PSを目標に開発が進められている試作、ハイフローターボキットでしょう。
こちらはハイフローターボチャージャーと専用のECUをセットにしたもので、ボルトオンで装着できるものとしてリリースが予定されています。
なお、すでに発売済みの「BLITZ TUNING ECU」を装着しているユーザーに向けては、ターボチャージャー単体の価格でBLITZ BOLT ON TURBO SYSTEM専用のチューニングECUを手に入れることができるお得なセットも設定予定とのことなので、余計な出費の心配がないのも嬉しい配慮です。
また、ターボ車では、アクセルオフ時にターボチャージャーによって過給された空気が逃げ場を失って逆流しようとし、逆流した空気によってターボを破損させてしまったり、レスポンスの悪化を招いてしまいます。
それを防止するための「ブローオフバルブ」は、すでに登場から四半世紀が経過していますが、8年ぶりのフルモデルチェンジとなり、4代目となりました。
「SUPER SOUND BLOW OFF VALVE BR」と名付けられた4代目は、キレのある開放サウンドはそのままに、ベンチュリファンネルやニューデザインの採用など、ターボチャージャー本来の性能を十分に発揮させることが可能なブローオフバルブに進化。
S660に新たに装着するのはもちろんですが、旧世代のものを使用しているユーザーは、本体のみの付け替えでOKという配慮も嬉しいところでしょう。
さらにこちらのデモカーには吸気効率を最大限にアップさせる「CARBON POWER AIR CLEANER」とフロントパイプもセットとなったマフラーの「NUR-SPEC VSR」を装着。
パワーアップはもちろん、吸排気のサウンドも楽しめる仕様となっています。
最大96段階の細かいセットアップが可能な車高調
車高調は全長調整式の「DAMPER ZZ-R SpecDSC」と呼ばれるもの。
こちらは車内のコントローラーから減衰力を自在に変更可能なタイプの車高調で、いちいち車両から降りてボンネットを開けて……という煩わしい調整をしなくてもいいスグレモノです。
しかも最大で96段階の細かい調整が可能なので、サーキットまでの道中はソフトに、サーキットではハードにといった設定も簡単に変更することができます。
サーキットでは空力も味方に付ける!
S660をさらにスポーティーに進化させる、オリジナルエアロキット「AERO SPEED R-CONCEPT」は、軽自動車の規格内に収めながら、しっかりとした存在感を演出。
空力性能と迫力のフロントフェイスを高次元で両立させるフロントリップスポイラーと、シンプルなデザインを基調にしつつ、純正とはまた異なるアクセントを与えるサイドスポイラーを設定しています。
さらにドレスアップ性だけではなく、吸入効率、冷却、排熱性能までを考えた、リアサイドダクトとリアフードカバーは、純正とくらべると、フェンダー部の盛り上がりがさらに強調されたエアロボンネットとなっています。
リアウイングは、圧倒的なインパクトを与えるS660専用GTウイングのほか、車検対応のスタンダードモデルと競技車両専用品の大型スペシャルモデルを設定する充実ぶり。
どれも見た目だけでなく、空力性能を考慮して制作された本格的なエアロパーツとなっています。
発売が楽しみなビッグキャリパーキット
デモカーのS660にはターボキットのほかに、もう一つ試作パーツが装着されていました。
それがこの「BIG CALIPER KIT Ⅱ」です。
前後とも4POT化されたビッグキャリパーは、ストッピングパワーはもちろん、その存在感もピカイチ。
しかも、街乗りなどの低速走行時のコントロール性は純正と同等を確保しているというから、装着することでのデメリットは皆無と言えるでしょう。
このように、全体的なクルマとしての性能を底上げしつつも、街乗りでの快適さや扱いやすさはほとんど犠牲となっていないBLITZのS660。
このトータル性能こそが、さまざまなパーツを自社で開発しているBLITZの強みと言えるのではないでしょうか。
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