2015年12月に兵庫県たつの市で誕生し、ナックルアダプターを中心に足回り関係のパーツを展開するZEGRACE(ゼグラス)。設立からわずか3年目という新しいショップながら、開発するナックルはかなり高品質で、多くのレースやドリフト競技者から支持されています。そんな噂を聞きつけたMotorz編集部は、ショップへ急行!『ZEGRACE』とは、いったいどんなブランドなのかを探るべく、同社の前田代表に話を聞いてきました。
CONTENTS
ZEGRACE(ゼグラス)とは?
2015年12月に兵庫県たつの市で誕生した『ZEGRACE』は、ナックルアダプターを中心に足回り関係のパーツを展開するブランドです。
『人とは違う視点でパーツを作る』をコンセプトに、足回りの重要部品であるナックルを中心とした自動車競技用部品の設計・製作しています。
また、自社オリジナルパーツの開発が基本業務ですが、他ショップのブランドで販売されるオリジナルパーツの開発・製造などの裏方業務も行っているそう。
設立から3年と若いブランドですが、ユーザーからの評判を聞きつけたモタガレ編集部は、ZEGRACEの前田明徳代表に会いに、兵庫県たつの市へ向かいました。
自動車競技用部品の設計・製作の大ベテラン
『大好きだからこだわりたい』がモットーの前田代表。
クルマの免許を取得した18歳の頃からサーキットを走り始め、2002年まではAE86やシビック(EF~EK9)でJAFの公式戦に参戦。
優勝した経験もあるそうです。
「ドリフトでの戦歴はありませんが、JAF公式戦への参戦をやめた2003年以降はAE86やシルビアで、中山サーキットや備北、鈴鹿ツイン、モーターランド鈴鹿を舞台にドリフトをしていたので、下手くそではないはずです(笑)」と前田代表。
実はJAFの公式戦に参戦していた頃から、自身がレースへ参戦するかたわら、委託業務としてワンオフ製品の製作も請け続けてきた自動車競技用部品の設計・製作の大ベテラン!!
ドリフトに関わり始めた頃から、ワンオフだけではなくブランド化の計画を立て始め、D1グランプリやD1ストリートリーガルの選手と密接に関わるようになった2015年、本格的に競技用部品の『ナックル専門ブランド』として『ZEGRACE』を立ち上げました。
そして2018年シーズンのD1グランプリでは、最古参の田所義文選手や岩井照宣選手を筆頭に複数のドライバーにナックルをサポート。
ドリフトのプロも使用する、ハイクオリティな製品を開発し続けています。
『ZEGRACE』の86用ナックルアダプターが選ばれる理由
『ZEGRACE』はナックルやナックルアダプターを中心に、商品を展開するブランドです。
ちなみにナックルとは、ステアリングを切った力をハブを通じてタイヤに伝える部品で、タイヤの切れ角・切れ方はナックルの構造によって変化します。
そしてナックルアダプターは純正のナックルを流用し、純正ナックルと組み合わせることで目的に応じてセッティングされたナックルと同じ効果を発揮するパーツです。
そんなナックル、ナックルアダプターの効果は以下の通り。
どんなクルマも純正のナックルは公道での使用を前提としているため、サーキット走行ではどんなにサスペンションの設定を煮詰めても、タイヤの摩耗・熱ダレ等により極端なフロントグリップの低下を生じさせてしまいます。
例えば、トヨタ86でのサーキット走行の場合だと、コーナーの進入ではキャンバー等アライメントの変化やサスペンションセッティングで対処できますが、 コーナリング中盤から出口にかけてはノーマルナックルの構造や特性上、アンダー傾向から抜け出す事が出来ません。
リアグリップを下げても、テールスライドを起こしながらもフロントはアンダー傾向になってしまうのです。
そこで、ノーマルナックルを削り取り、専用ナックルアダプターのはめ込みを可能にしました。
こちらがZEGRACEイチオシの『ナックルアダプター Type-TA(For TimeAttack/Race)』というサーキット走行向けのナックルアダプターです。
埋め込むナックルアダプターは、サーキットでの操作に特化させたアライメントの変化や切れ角・切れ方を設定した削り出し品!!(トヨタ86/SUBARU BRZ専用です)
速く走る事だけを目的とし、フロントタイヤの最大グリップ・舵角を付けた時の抵抗が減少します。
一言にまとめると、フロントのメカニカルグリップの向上に貢献する、サーキットで装着したくなるパーツです!!
ここで、前田代表 に気になる質問をぶつけてみました。
Q.ZEGRACEの製品はどのようなユーザーさんに選ばれているのですか?
ウチの製品を選ぶお客様は、レース・ドリフト問わず『勝ちたい』とか、『上手になりたい!』という走りに対する向上心を持つ方が多いです。
それは、安かろう良かろうではなく『高いモノには意味がある』を理解して下さっている方々です。
ZEGRACEの製品は高額です。
何故なら大量生産品ではなく、少数生産で性能・耐久性・品質にこだわっているだけでなく、目指す所は『一度買えば車が潰れるまで使える製品』だからです。
その意味を分かって頂ける、車作りや走りにこだわりを持っていらっしゃるお客様ばかりですね。
『売れればOK』ではなく、本当に意味や価値のある製品のみを作るよう心掛けています。
前田代表イチオシ!! ナックルアダプター Type-TA(For TimeAttack/Race)
ドリフトで人気の車種を中心に、商品を開発してきたZEGRACE。
中でもイチオシという『ZN6/ZC6用 ナックルアダプター Type-TA』についても、前田代表に伺いました。
Q.『ZN6/ZC6用 ナックルアダプター Type-TA』を購入いただいたお客さんからの反応は如何ですか?
まず『すごくフロントがグリップするので回頭性が良い』『レスポンスが抜群に良い』 『車が曲がる』といった声を聞いています。
どうしても高額になる製品なので、まだまだ認知度は低く、付けて下さっている方も少ないです。
ただ、装着して下さっている方からは、高い評価を頂いています。
また、私自身も弊社デモカーでの走行会参加(ドリフト・グリップ)をしながら、ナックルの性能向上を目指しており、良い所が見つかれば即座に製品へのフィードバックを行っています。
ちなみに製品としてホームページ上には載せていませんが、ドリフト用Type-Dも存在します。
こちらのドリフト用も『ドリフトが容易になる!』という声を多数聞いています。
Type-Dは競技(D1GP/FormulaD)で勝つ為のモデルではなく、走行会レベルで遊べる、頑張れば勝てるという事をコンセプトにした「ちょいドリフト用」。
競技に勝つ為のモデルは、現在ロアアームから設計し直したモデルをフルキットとしてテスト中です!!
ZN6/ZC6用 ナックルアダプター Type-TAの詳しい情報を見る
【ZEGRACE】開発車両紹介!!
ZEGRACEの開発車両であり、デモカーでもあるトヨタ86をご紹介。
内装はサーキットでの激しいテスト走行に支障がないよう、シンプルにまとめられています。
シートはブリッド、4点シートベルトはTAKATA製を使用。
タイヤは前後GOODRIDEの『SPORT RS』、215/45ZR17サイズの通しです。
ブレーキキャリパーは、ADVICS製が装着されていました。
ブランド情報
ZEGRACE
住所:兵庫県たつの市新宮町新宮538-1
TEL:0791-76-0007
FAX:0791-76-0008
URL:http://zegrace.com/
まとめ
いかがでしたか?
足回りの部品の中でもショックアブソーバーやサスペンションとは違い、ナックルというパーツに馴染みのない方もいらっしゃったのではないかと思います。
ナックルはドリフトでも、グリップ走行でも「クルマをもっとイメージ通りに動かしたい」と思った際に、こだわりたいパーツの1つ!!
気になった方は是非、ZEGRACEの製品をチェックしてみてくださいね。
※ZEGRACEナックルアダプターシリーズは公道での使用は出来ません。クローズドコース専用品です。
Motorzではメールマガジンを配信しています。
編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?
配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!