近年人気の軽自動車の魅力は、なんと言っても扱いやすいコンパクトなボディと維持費の安さ。中でも、軽自動車規格という限られたスペースを有効に使うことのできる、いわゆる“軽バン”の魅力が再認識され始めています。そこで今回の記事では、東京都福生市に本拠地を置くRIDE+TECH(以下ライドテック)から、軽バンをオシャレに、且つ気軽に変化させたカスタムカーをご紹介していきましょう。

Text : Shingo MASUDA / Photo : Takanori ARIMA

気軽に手を出せるアゲ系カスタム入門仕様


いわゆる“アゲ系カスタム”は、どんなラフロードでも走破できてしまうタフなイメージが大きな魅力。

また、車高を上げることで車格が1段上がったような風格を得ることも可能です。

ところが、リフトアップすると「走行が不安定になってしまうのではないか」「実用性が損なわれてしまうのではないか」、そして、何より「そもそも車検に通るのか」という不安を感じてしまう方も少なくないはず。


しかし、今回ご紹介するライドテックが制作したエブリイは、それらの不安をすべて解消した、まさにアゲ系カスタム入門仕様。

見た目ではバッチリ決まっているこのコンプリートカーは、いったいどんな手法でカスタムされているのか、各部のディテールを細かく見ながら確認していきましょう。

バネレートを上げリフトアップ時の不安定さを払拭するライドテックUPスプリング


まず、最大のポイントとなるリフトアップについては、ブロックなどを使わず、バネだけを交換するお手軽なもの。

リフト量は1インチに抑え、純正ショックアブソーバーのストローク量内に収まるため、ショックアブソーバーを専用品に交換する必要はありません。


リフトアップ用のブロックを使用する場合、簡単にリフトアップすることができる反面、高くなった重心を純正スプリングで支えることになります。

すると、バネレートの不足が起こり、コーナリング時のロール量やフワフワ感が増し、不安定な乗り心地になってしまうのです。


しかし、ライドテックのリフトアップスプリングは、純正スプリングよりも、わずかにバネレートを上げ、高くなった重心を支えるしっかり感を持たせています。


また、車高が高くなったことで、タイヤハウス内のスペースに余裕が生まれ、165/60R15という大径タイヤを装着することが可能に。

純正サイズである145/80R12の外径が542mmなのに対し、165/60R15サイズの外径は572mmとなり、車高は15mmアップすることになるのです。


つまり、1インチリフトアップするスプリングと組み合わせれば、1インチ(25.4mm)+15mmで、約40mmのリフトアップ効果が期待できます。

現在の保安基準で言うと、40mmまでの車高の増加までは構造変更を行う必要はなく、事実上車検もそのままでクリアすることが可能。

それでも心配という方はタイヤのサイズをわずかに小さくすれば、安心して使用することができます。

適切なポイントに絞りコスパに優れたカスタマイズ


バンパーの高さを短くした前後のUPバンパーや専用スキッドプレートは、実際のリフトアップ量よりもさらに車高を高く見せる効果が期待できます。


はみだし幅を8mmに抑え、保安基準に適合したフェンダーアーチモールに加え、ライドテックオリジナルカラーのXTREME-Jホイール。

さらに、ライドテックのロゴがあしらわれたプロテクター風のサイドデカールを配することで、視線のポイントをボディ下部に集め、よりドッシリとした力強さを演出。


そして、ボンネットやルーフ、オリジナルのリヤウイングをブラックとすることで、ボディの上下でまとまり感を演出しています。

また、JQRの認定を受け、保安基準に適合したUPSTYLEマフラーは、UPリヤバンパーに最適な高さにデザインされ、よりレーシーな雰囲気をプラスすることが可能。


今回ご紹介した、ライドテックのコンプリートカーは、エブリイ純正のデザイン特性を理解し、適切なポイントに絞ったカスタマイズが大きな特徴です。

その費用対効果は抜群で、オマケに車検も安心な保安基準適合とくれば、いきなり新車でコンプリートモデルを購入してしまうという選択も、十分“アリ”なのではないでしょうか。

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