世界最高峰レースのF1第5戦スペインGPが5月15日に決勝レースを迎えます。今回から各チームの拠点があるヨーロッパに舞台を移し、さらにバトルは激化すると予想されています。今回は、そのスペインGPの展望をお伝えしようと思います。
第4戦ロシアGPのおさらい
今季も注目のメルセデスルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグによるメルセデス勢同士の戦い。
当初はハミルトン有利かと思われていましたが、大方の予想を大きく覆す展開で序盤戦となり、ロズベルグが開幕4連勝を成し遂げました。
一方最大のライバルとされるハミルトンはロシアGP予選で、中国GPに続きトラブルに見舞われ後退。
決勝では激しい追い上げを見せますが2位に終わり、チームメイトを上回ることは出来ませんでした。
ライバルチームに目を向けると、打倒メルセデスの筆頭候補であるフェラーリはキミ・ライコネンが3位表彰台を獲得しますが、同僚のベッテルはダニール・クビアト(レッドブル)との接触によりリタイアを喫してしまいました。
そしてクラッシュの原因を作ったとして批判を受けたクビアトは、今回から姉妹チームのトロ・ロッソへの降格を命じられ、代わりにマックス・フェルスタッペンが抜擢されるとの発表がありました。
またマクラーレン・ホンダはドライバー2名が堅実なレース運びでフェルナンド・アロンソが6位、ジェンソン・バトンは10位と共に今季初入賞。
チーム首脳陣もようやく安堵の表情がこぼれました。
ロズベルグVSハミルトンの優勝争い、スペインでついに勃発か!?
開幕4連勝を飾りさらに勢いを増してゆくロズベルグは、今週末も連勝記録をさらに伸ばそうとしています。
スペインでも勝利を飾るとF1史上最多タイとなる開幕5連勝を達成。かつての英雄であるナイジェル・マンセルとミハエル・シューマッハに肩を並べることになります。
それに対し、トラブルなどで今季は後方からの追い上げを強いられ、優勝争いに加われずにいるハミルトン。
気がつけばランキング首位のロズベルグとは43ポイントという大差がついてしました。
序盤戦でロズベルグに楽な展開を許してしまったハミルトン。まずは彼との直接対決に持ち込むことを誰よりも望んでおり、そのうえで優勝を飾る事ができると考えているようです。
大きなリードを許す展開でも、王者の余裕か取り乱す姿勢を一切見せないあたりが非常に不気味な雰囲気を醸し出していますね。
また今回のインターバルで最大のニュースだったのはフェルスタッペンの電撃移籍。
18歳にして早くも上位で戦えるチームに昇格し、史上最年少優勝へ期待が膨らんでいます。
移籍初戦から印象的な走りが出来るのか多くのファンはその走りを心待ちにしています。
また前回6位入賞を果たしたアロンソ(マクラーレン)と、カルロス・サインツJr(トロ・ロッソ)は母国レース。大きな声援を受け、2名とも前戦ロシアに続いて連続入賞に期待がかかります。
決戦の舞台はカタロニア・サーキット!
ここはオフシーズンテストの会場として使用されているため、他のサーキットに比べ豊富なデータを各チーム所有しています。
また観客席の至る所に水色に黄色の天秤が描かれた旗が見られます。
これはスペインの英雄であるアロンソを応援するために、彼の出身地オビエドがあるアストゥリアス州の州旗を使用されているためです。
また高速コーナーが多いためタイヤへの負荷が激しく、ピットストップは多くなる傾向があり、作戦面での攻防もこのサーキットの見どころとなります。
サーキットデータ
初開催:1991年(開催26回目)
レース周回数:66周
サーキット全長(1周):4.655km
レース距離:307.104km
周回方向:右回り
コーナー数:16
コースレコード:1.21.670 K.ライコネン(2008年)
2015ウィナー:ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
バトルが頻発するDRSゾーンは2カ所設置されます。
1つ目は最終コーナーから1コーナーまでのホームストレート区間。
2つ目は9コーナーから10コーナーまでのバックストレート区間に設置されています。
また毎年スタート後の1コーナーはアクシデントが多く非常に注意が必要なポイントとなり、その後も接触寸前の際どいバトルが見られる名所ですので、レース中は要チェックです。
またピットストップ直前などタイヤに苦しむマシンが明らかに横滑りしてしまうのも特徴。それをねじ伏せるように走るドライバーの技量面も画面から読み取りやすいコースです。
いつもと違った視点で見てみるもの楽しいかもしれませんよ!
マイスターがいない?勝者が予測不能なサーキット
「マイスター」とはレース界においてそのコースで多くの勝利を飾り得意とする、いわば名人を意味する言葉です。F1では多くのサーキットにはそういったマイスターが存在します。
しかし近年はこのサーキットを非常に得意とするドライバーがいないことが、このサーキットの一筋縄ではいかない所なのかもしれません。
現役ドライバーでカタロニアサーキットにて優勝経験のあるドライバーは7名。その内訳はライコネンとアロンソが2回、ベッテル、ハミルトン、バトン、ロズベルグ、マッサが1回と非常にばらけた結果が残っています。
また今季は現役ではなくなってしまいましたが、2012年にはパストール・マルドナドが当時低迷していたウィリアムズに8年ぶりの勝利をもたらしたというトピックもありました。
このカタロニア・サーキットであり、今季も予想外な勝者が現れる可能性を秘めているグランプリでダークホースの出現も楽しみにしてみてはいかがでしょう?
まとめ
ついにメルセデスのチームメイトバトルに火が付きそうな予感がするスペインGP。
また18歳のフェルスタッペンはレッドブルに昇格しどんな走りを披露するのか。
アロンソの母国凱旋での激闘、また同じスペイン人のサインツにもカッコイイ所をみせてもらいたいですね!
F1第5戦スペインGPは5月15日(日)日本時間21:00に決勝レースがスタートです!