近年、1980年代から1990年代の日本車が北米やカナダで大人気ですが、その理由には右ハンドル車の輸入規制が緩和される、「25年/15年ルール」が深く関わっています。今回は25年/15年ルールの解説と、今後2021年から2023年に高騰すると考えられるクルマを3台ご紹介します。
掲載日:2020/03/12
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25年/15年ルールとは何か
25年/15年ルールは、北米大陸で施行されている右ハンドル車の輸入制限ルールで、アメリカは25年なので「25年ルール」、カナダは15年なので「15年ルール」と呼ばれています。
アメリカやカナダは右側通行の国であるため、“安全上の問題がある”という理由から右ハンドル車の輸入は基本的に認められていません。
また、アメリカは世界で最も安全規制が厳しい国とも言われており、安全性能テストの一環として「衝突試験」や排ガス検査のための「スモッグテスト」など、様々な厳しい試験を経なければ、クルマを輸入できないのです。
しかしこの厳しい規制も、“販売から25年が経過したクルマ”であれば免除されるため、右ハンドル車の走行が可能となり、スモッグテストや衝突試験を受ける必要もなくなります。
そして2020年現在、日本で1980年代から1990年代にかけて製造されたクルマがそのルール適応の対象となっており、次々と北米市場に流れているのです。
この25年ルールは、カナダだと適用までにアメリカより10年短い15年ルールとなっており、アメリカ国内の車メディアやユーザーは、アメリカも同様に10年早く輸入規制緩和措置が適用されることを訴えています。
25年/15年ルール適用で、今後価格が高騰するクルマは?
25年/15年ルールは、販売から25年、または15年経ったクルマに適用されるルールなので、今後価格の高騰が考えられるクルマは、2020年時点では1995年に製造されたクルマです。
では、今後2021年から2023年の3年の間には、どんなクルマの値段が高騰するのでしょうか。
1996年から1998年にかけて製造されたクルマのなかから、値段が高騰すると考えられるクルマたちを3台ピックアップしてみました。
三菱 ランサーエボリューションIV E-CN9A
1996年8月に三菱から発売された、通称“エボⅣ”と呼ばれる4ドアのスポーティーセダンです。
ランサーエボリューションシリーズの4代目に当たり、搭載された2.0リッター直列4気筒の4G63型エンジンには、鍛造ピストンやツインスクロールターボを採用。
その最大出力は、当時の自主規制値ギリギリの280馬力まで到達しています。
しかし、旋回性能をアップさせるべく搭載されたアクティブ・ヨー・コントロール(AYC)により、コーナリング性能は向上したものの、異音が発生するというトラブルに見舞われ、ユーザーが社外製のLSDに交換している車体も多々存在。
もともと限定生産モデルでしたが、人気に火がついたことにより、最終的にランサーエボリューションシリーズの中で最も生産台数が多い個体となりました。
ホンダ シビックタイプR EK9型
EK9型は1997年にホンダが6代目シビックのマイナーモデルチェンジ時に追加した、シビックモデル初のタイプRグレードです。
搭載された1.6リッターのB16B型 VTECエンジンは、最大出力185ps/8,200rpmを発揮し、足回りにはダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用。
トランスミッションには5速MTが設定され、NSXタイプRやインテグラタイプRと同様に、車体の軽量化が図られ、外装にはエアロパーツが装着されています。
内装にはレカロ製のバケットシートと専用チタン製シフトノブ、モモ製のステアリングなどが装備され、1999年には各種機器を充実させた「タイプR・X」が追加されました。
トヨタ・アルテッツァ XE10型
1998年にトヨタから登場した、FRのスポーティセダンです。
開発コンセプトは「FRのコンパクトなスポーツセダン」だったものの、同時期に欧州で販売されていたBMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラスへの対抗馬として、プレミアムセダンとしての位置づけもされていました。
高剛性のボディに搭載するエンジンは、高い耐久性を誇る2.0リッターの直列6気筒 1G-FE型(2.0リッター)エンジン、2.0リッターの直列4気筒 3S-GE型エンジンの2つを設定。
3S-GE型エンジンには可変バルブタイミング機構、MT仕様におけるチタンバルブなどの最新技術が用いられ、その甲斐あって最大出力は、当時の日本製2000ccのNAエンジンにおける最高値となる210psを達成。
大径ホイールを採用し、ショートオーバーハングとロングホイールベースを組み合わせたボディは、ライバルであるBMW 3シリーズを意識したかのようであり、内装にはクロノグラフモチーフのメーターが設置されていました。
また、ステーションワゴンモデルのアルテッツァ ジータも存在しており、こちらには3.0リッターの直列6気筒 2JZ-GE型エンジンが搭載されています。
まとめ
北米における25年/15年ルールにより、1980年代から1990年代にかけて製造されたクルマが大量に流出している影響を受け、国内で1995年に販売されたクルマの価格は高騰しています。
2021年には1996年に販売されたクルマの値段が上がることが考えられるので、1996年製スポーティーカーの購入を検討しているのであれば、なるべく早めに入手することをおすすめします。
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