オフロードバイク乗りならば、1度は挑戦してみたい林道ツーリング。いざ行こうと思っても、通常のツーリングよりも危険が多く、林道ツーリング特有のルールも存在します。ここでは林道ツーリングへ行く前に、知っておきたいルールや準備についてご紹介します。

掲載日:2019/07/30

Photo by forevercapone

林道ツーリングのルールと行く事前準備とは

© Yamaha Motor Co., Ltd.

近年、登山やキャンプなどアウトドアブームの到来により、二輪車メーカーもオン/オフどちらも走れるデュアルパーパスモデルを、125ccから401cc以上の大型まで、幅広いモデルをラインナップしています。

オフロードバイクを手に入れたら、1度は未舗装の地を走る林道ツーリングに行ってみたくなるもの。

しかし、山中の林道は一般道にないルールがあり、法律で定められていること以外でも山道を利用する人同士の、暗黙のルールのようなものが存在します。

そのため、林道ツーリングへの挑戦は、十分な下調べと準備やルールを把握したうえで行わなければ、重大な事故を起こしてしまう危険性があるのです。

そもそも林道とは

日本は国土面積の66%を森林が占める、世界でも有数の森林大国です。
(ちなみに、世界の平均は約31%)

これらの森林は日本の『森林法』によると、国が保有する『国有林』と都道府県や市町村など地方公共団体が所有する『民有林』の、ふたつに分けられます。

他にも個人や法人が所有する『私有林』もありますが、私有林に入り込むと不法侵入になるので注意しましょう。

また、そんな森林を管理するために整備された道の事を『林道』と呼びます。

林道は、れっきとした交通がある公道であり、普通車はもちろんのこと、伐採した木を運搬する大型トラックも通ります。

といっても、狭く見通しの悪い急カーブが連続し、道の横は崖、急こう配の坂道、さらには大きな石や丸太、切り株などの障害物に遭遇したりと、一般道とは全く異なる危険が潜んでいることも。

一般道よりも交通量は少ないとはいえ、トレッキングを楽しむ歩行者やMTB(マウンテンバイク)の往来もあるので、接触事故には気をつけましょう。

また、公道になるためキープレフトが基本なのはもちろん、一般道と同じ法定速度が適用されますが、実際はそれ以下の速度でないと安全に走れないでしょう。
舗装されてない分ワダチが多く、障害物やぬかるみを避けながらの走行も求められるため、左側通行を維持することは不可能に近いです。

そのため、林道ツーリングにはさまざまな状況に対処できるノウハウと、ライディングテクニックが必要になります。

林道ツーリングがひとりで行くものではない!?

© BMW AG 2016

全くの初心者が山中の未舗装道路に飛び込むのは、あまりにもリスキーで危険です。

いくら下調べをしていったとしても、初心者が林道ツーリングに行く場合は、必ず経験者とふたり以上で行きましょう。

経験者でもふたり以上で行く

KTMのオフロードバイクマニュアルには、「オフロード走行はふたり以上で走りましょう」と書かれています。

実は、数回林道ツーリングをこなして自信がついたとしても、素人・ベテラン問わず、ひとりで行くのは好ましくありません。

林道ツーリングに行った際は、万が一事故を起こしてしまった時にひとりだと助けてくれる人が近くにないのです。

そのため、携帯電話を持っていたとしても、山中は電波が届かないところがほとんどなので、通りすがりのだれかが発見するまで放置状態という恐ろしい事態に陥ることもあります。

林道ツーリングにおいては、崖に転落、障害物で転倒し重症のケガで動けない、バイクが故障してもロードサービスが呼べないから身動きが取れなくなってしまうなど、通常のツーリングではありえないアクシデントが発生するものなのです。

ひとりで林道ツーリングをしながらのソロキャンプなんて、究極の大人の楽しみのようで憧れますが、それは管理されたキャンプ場や4WDのクルマで十分なキャンプ用品を運ぶことができるからできるのであって、バイクで林道ツーリングに行く際は、極力ふたり以上の複数で行くことを強くおすすめします。

オフロードタイヤ交換と空気圧を落とす

ダンロップ D603 / © Sumitomo Rubber Industries,Ltd.

未舗装の道を走るなら、通常のロードラジアルタイヤで走るのは危険です。

そのためデュアルパーパスモデルにはブロックタイヤが装着されていることもありますが、ロード走行兼用のため溝が浅く、実際に未舗装路を走ってみると全く走らないなんてこともあります。

対策はまず、オフロードタイヤに履き替えること。

さらに、グリップ力を稼ぐためにタイヤの空気圧を落としておきましょう。

通常時が、空気圧2.0kgf/cm2であれば、1.0~1.5kgf/cm2ぐらいまで空気圧を落とします。

最適な空気圧というのは、ひとそれぞれ好みや考えが異なりますが、まずは1.5kgf/cm2ぐらいにして、グリップ力が足りなければもう少し落としてみるなど調整してください。

アクシデントに備えたスペアパーツは必ず持参

デイトナ(DAYTONA) パンク修理キット / © 1996-2019, Amazon.com, Inc.

25種類緊急セット / © 1996-2019, Amazon.com, Inc.

ツーリング中にバイクが故障してしまうトラブルは稀にありますが、林道ツーリングでは、故障のリスクが一気に上がります。

そのため、最低限パンクした時の修復液や、チューブラータイヤであれば予備チューブとパンク修理工具、そして転倒して破損しやすいブレーキ/クラッチレバーやステップ、そして簡単な工具は携帯すべき。

また、ケガをしてしまった際の応急処置セットや、虫に刺されない為の虫よけスプレーは必ず携帯しておきましょう。

さらに、万が一だれかがケガをしてしまったときに適切な処置ができるように、応急手当講習会を受講しておくこともおすすめです。

ワダチを作りながらの走行はNG

Photo by Ole Holmblad

林道の深いワダチは障害物と一緒です。

いきなり深いワダチに遭遇すれば、そこに水が溜まっていたり、地面の凹凸が転倒を引き起こすこともあります。

また、ワダチは大雨の際に水が流れ込むと浸食がすすみ、道路を崩壊させる要因になることも!

そのためワダチを深くする行為は、林道を愛するものにとってご法度!

林道ツーリング愛好家の間では、普段走行している林道にスコップを持ち込み、ワダチを埋めることを自主的に行うライダーもいるほど、ワダチは林道にとって大敵なのです。

深溝のオフロードタイヤは土や砂をかき分けてグリップ力を得る構造になるため、走行したあとはどうしてもワダチになりがち。

同様にブレーキング時にわざとリアタイヤをロックさせて、車体をスライドさせるなどの行為も林道(トレール)にダメージを与える行為となるため、控えましょう。

自分たちの遊び場を自分たちで守るためにも、林道走行時は、故意にタイヤを空転させたり、ロックさせたりするのはNGです。

まとめ

今回紹介した内容以外に、林道ツーリングへ行く際はプロテクターや専用のヘルメット、ゴーグル、ロングブーツなど、適正な装備をすることや、ガス欠にならないためにガソリンを満タンにしておくこと、さらには害虫や野生動物の接近に注意することなど、多くの注意点やルールが存在します。

また、走行する道を下調べし、GoogleマップやYahoo!カーナビで法定速度を把握することも重要です。

以上、これら十分な下調べや用意を行い、林道ツーリングを楽しんでください。

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