クルマの免許を取得したら、次に欲しくなるのがマイカー!いきなり新車を購入するのもひとつの手ですが、初心者ならば「すぐぶつけてしまうのではないか……」と不安に思う方も多いでしょう。そこで選択肢に挙がってくるのが中古車ではないでしょうか。今回は初心者でも安心して乗れるモデルや、安くて良質な中古車の探し方をご紹介します。

掲載日:2019/05/30

出典:写真AC

初心者に合わせた車を探すスキルが必要

出典:写真AC

多くの免許を取ったばかりの運転初心者は、さまざまな車種からどのクルマに乗ればよいのか悩んでしまうもの。

お店に行って「これが初心者におすすめのクルマです!」と店員さんに勧められても、本当に自分に合っているか判断は難しいと思います。

特に中古車ともなると、車両の状態が良いのか悪いのかを、初心者ドライバーが見極めることは至難の技です。

こだわりがなければコンパクトなボディサイズ

コンパクトカーのホンダ フィット / © Honda Motor Co., Ltd.

初心者ドライバーが最初に選ぶクルマの条件として思いつくのは、まずは運転のしやすさ!

運転のしやすさには、ボディサイズが大きく関わってきます。

サイズが小さなクルマは、クルマの前後左右の感覚を簡単につかみやすく、小回りがきいて、車体を擦ってしまう恐れが少ないので、オススメ。

ちなみに、よくクルマのナンバープレートについて、『5ナンバー』や『3ナンバー』と呼ばれることがありますが、これはクルマのボディサイズやエンジン排気量の枠組みを表しています。

5ナンバーは全長:4,700mm以下/全幅:1,700mm以下/全高:2,000mm以下/排気量:2,000cc以下(ガソリン車の場合のみ。ディーゼル車は排気量制限なし)、これら条件を一つでも超える車両は、3ナンバーとなります。

さらに軽自動車は、全長:3,400mm/全幅:1,480mm/全高:2,000mm/排気量:660cc以下であるため、普通車よりさらにコンパクトです。

また、これまでコンパクトカーは、5ナンバーサイズが主流でしたが、近年では走行時のクルマの安定性を重視するために全幅が広げられ、3ナンバーサイズのモデルが多くなっています。

そのため、3ナンバーサイズでもボディサイズが5ナンバーを若干オーバーしている程度であれば、運転に慣れるためのサイズとして許容範囲かもしれません。

また、5ナンバーサイズ目いっぱいまでボディを拡張させたワンボックスカーやバンも販売されているので、一概に5ナンバーが”小さいクルマ”とは呼べなくなっています。


トールワゴンのスズキ・ワゴンR / ©SUZUKI MOTOR CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.


ハイトールワゴンのダイハツ・タント / © 1996-2019 Daihatsu Motor Co.,

もう1点、初心者がクルマを選ぶ基準として、高い座席があれば見晴らしがよく、広い視界を確保できます。

ボンネットが短く、フロントウィンドウと車体の前先端までが近いクルマも、クルマの先端位置が把握しやすく、うっかりクルマをぶつけてしまうリスクが低減できるのでオススメ。

例えば、軽自動車であればトールワゴンやハイトールワゴンが該当し、自動車メーカー各社から販売されているコンパクトカーもボンネット部分が短くなっています。

コンパクトSUVも高い座面から広い視覚を確保できますが、ボンネットが長く車両前方の間隔が把握しずらいため、ボディが大きく感じやすいという難点があります。

そこそこパワーがあるほうが運転が楽

スズキ・ワゴンRに搭載されるハイブリッドシステム / COPYRIGHT SUZUKI MOTOR CORPORATION.

車体がコンパクトで運転しやすそうな軽自動車ですが、排気量が660ccと限られるため、普通車よりもローパワーです。

パワーが低いと加速時や坂道でアクセルを踏み込まなければならず、初心者ドライバーにとって、他のクルマの流れに合わせて走るのが困難かもしれません。

そこで、軽自動車のなかでもターボやモーターアシストでパワーを補っているモデルであれば十分なパワーを発揮でき、NAエンジンの軽自動車より運転が断然に楽になるのでオススメです。

しかし、昔の軽自動車のターボは、ある回転数でブーストがかかった時に急加速することがあり、逆に危険な目に合うこともあるため要注意。

コンパクトカーは1,000~1,600ccぐらいのため、軽自動車のようにパワー不足で運転しにくくなる恐れは低くなりますが、あまりにも古いモデルだと現行の軽自動車よりパワーがないこともあるため、古いモデルの激安中古車はあまりおすすめできません。

できれば予防安全システム搭載車を選択

ホンダのの安全運転支援システム『ホンダ・センシング』作動時のイメージ図 / © Honda Motor Co., Ltd.

ここ数年で予防安全技術の性能が劇的に良くなっているため、不注意による事故の恐れがある場面に直面した際には、それを阻止してくれる予防安全技術搭載したものを是非購入していただきたいです。

予防安全技術が搭載されているクルマは最近発売されたモデルのため、中古車相場では価格が高くなりがちですが、事故のリスクが高い初心者ドライバーには非常に有効な機能なので、保険会社によっては自動車保険料が安くなることも!!


© 1996-2019, Amazon.com, Inc. or its affiliates

また、ナビゲーションモニターにバッグモニターの映像が表示されるクルマは、バックで駐車するのが容易になり、クルマをぶつけるリスクが低くなるため、バックモニター搭載の中古車を購入することもおすすめです。

初心運転者でも車両状態が良いのか悪いのか見極めは必須

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ここまで初心者ドライバーに勧めたいクルマの条件を紹介してきましたが、もうひとつ重要なのが中古車の状態が良いものなのか、悪いものなのか見極めるスキルです。

ここからは中古車の見極め方を、詳解していきましょう。

購入前に必ず試乗をすること

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中古車を試乗できるかというと、答えはYES!初心者ドライバーであっても試乗させてくれます。

しかし、中古車の試乗が可能なお店は一部で、展示している中古車の車検が切れていること、売れるまで整備をしないため試乗時に不具合が起こっていまう可能性があることから、中古車の試乗を断るお店もあります。

それでも試乗はクルマの調子を見極める最も有効な手段で、目測だけではわからなかったクルマの調子を把握できるため、お店の方に試乗できるかを聞いて、可能であれば是非試乗することがオススメです。

試乗時にチェックする項目

チェック項目 チェック内容
エンジンの始動 エンジン始動時にスムーズにエンジンがかかるか。
アイドリングの状態 アイドリング時にエンジンの回転数が安定しているか。
マフラー マフラーの排気音がうるさくないか。
マフラーから黒い排ガスが出ていないか。
灯火類 ヘッドランプ、テールランプ、バッグランプ、ブレーキランプ、方向指示器が作動するか。
乗り心地 運転時に違和感ある振動や異音がないか。
加速時のパワー アクセルを踏み込んだ時に加速がスムーズに行われるか。
アクセルペダルを踏んだ時に重すぎたり、軽すぎたりしないか。
ブレーキの利き具合 ブレーキを踏んだ時に十分ブレーキ制動されるか。
ブレーキの利きしろが浅すぎたり深すぎたりしないか。
シフト・クラッチ シフトレバーを動かしたときに重すぎたりガタがないか。
シフトレバーの位置が正しくメーター部分に表示されるか。
マニュアル車の場合、クラッチが重すぎたりしないか。
ステアリング ステアリング重すぎたり、ステアリングを切った時に変な音がしないか。
エアコン/オーディオ/カーナビ エアコン、オーディオ、カーナビが正常に作動するか。
電動ミラー/パワーウィンドウ 電動ミラーやパワーウィンドウが正しく作動するか。

外装・内装のチェック

中古車の外装は車体に傷がないかを見ることと、ボディとボディの継ぎ目が均等であるかをチェック。

ボディとボディの継ぎ目の溝が一部だけ広かったり立て付けがズレていれば、ボディが歪んでいる恐れがあり、事故歴があっても十分な整備がされていないことが考えられます。

内装は、シートの汚れや破れだけでなく、床面やドア側のサイドパネルにも目立つキズや汚れがないかチェック。

また、ダッシュボードやコンソールボックスが正常に閉まるか、バイザーが破れていたり正常に動くかなどもチェックし、納得がいくまで確認することで購入した後に気づかなかった汚れやキズを発見してしまわないようにすることが重要です。

整備やメンテナンスを記録簿でチェック

3ヵ月点検記録簿 / © 2019 | Yamaguchi Trucking Association.

売られている中古車の前オーナーがきちんと整備をしているかを見定めるには、記録簿の確認が重要です。

記録簿では『点検項目およびチェック欄』、『所有者(使用者)の情報』、『点検を実施した整備工場』、『点検を行った整備主任の情報』が分かり、以前にどのような整備やメンテナンスがなされたかを知ることができます。

また、エンジンオイルやエレメントの交換は『オイル交換ステッカー』が貼られているので、一番最近オイルを交換した時期を確認する事が可能です。

「最初はボロいクルマでいい」はナンセンス

©フリー素材のぱくたそ

最後に、初めて乗るクルマに対し「最初はぶつけるだろうからボロいクルマでいいだろう」と考えるのは、あまりお勧めしません。

クルマを当てたり擦ったりすることを前提にすれば、運転が荒くなったり、クルマに対して大切にするという気持ちが薄れてしまい、そのうち重大な事故を起こしてしまう可能性が高くなってしまいます。

自ら洗車したりマメにメンテナンスに出し、常にクルマを万全の状態で乗り続けることがドライバーとして必要な心掛けなのです。

そのため、「ボロいクルマだから」という意識を持たず、古かったり多走行車でも最初から外観や内装のキズや汚れを最大限キレイにし、しっかり整備された不具合のない中古車を選んで乗るようにしましょう。

まとめ

出典:写真AC

初心者ドライバーでも、運転しやすいクルマを選ぶことで、徐々にクルマに慣れて素晴らしいカーライフを送ることができます。

そんな初心者にはコンパクトカーや軽自動車はオススメ!

しかし、何と言っても乗りたいと思ったクルマに乗ることが1番。

もし、免許取得直後から乗りたいモデルを決めている方は、ぜひ好きなクルマを選んでいただきたいものです。

ただ1点、スポーツカーの中古車は過去に大きなダメージを受けていたり乱暴な運転がなされていることがあるため、今回紹介した中古車の見極め方に注意して、後悔のない中古車を選んでくださいね!

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