ブレーキを作動させるための要となるブレーキフルードですが、その役割や仕組みを正しく理解している人は少ないのではないでしょうか?今回はブレーキフルードの役割や交換時期等について説明します。
掲載日:2020/05/06
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そもそもブレーキフルードって?
ブレーキフルードは、油圧ブレーキの油圧系統内に充填される液体の事で、別名ブレーキオイルとも呼ばれています。
ブレーキペダルを踏んだ際の力をブレーキパッドまで伝える役割を担っており、ブレーキフルードがしっかり役割を果たしていないとブレーキが効かなくなってしまうのです。
ブレーキフルードの交換時期は?
ブレーキフルードは吸湿性が高い事が特徴で、車に乗らなくても徐々に水分が混じっていき、劣化していきます。
基本的には走行距離で10000km、乗っていなくても1年毎の交換が推奨されています。
その他、目視で交換の目安を判断する方法として、「ブレーキフルードの色」や「リザーバータンクの残量」を確認するやり方があります。
まずブレーキフルードの色についてですが、新品時は透明に近い黄色をしているのに対し、長時間の使用や時間の経過で茶褐色に変化します。
変色が見られたら走行距離に関わらず、すぐに交換するようにしましょう。
「リザーバータンクの残量」は、ボンネットの中にある白い半透明の容器で確認することが可能です。タンク横にMAX,MINなどと表示された目盛りが付けられているので、フルードの残量がこのメモリの中に収まっていれば問題ありません。
フルードの色が新しくてもリザーバータンク内の残量が著しく減っている場合は、オイル漏れが起こっていたりブレーキパッドが異常に摩耗している可能性があるので確認が必要です。
工賃はどのくらい?
整備工場にフルード交換を依頼した場合は、およそ5000円、ディーラーでは10000円前後が一般的です。
カー用品店では3000円くらいから、対応してくれるお店も存在します。
量販店と比較して、ディーラーによる作業が高額となるのは理由があり、量販店はリザーバータンク内のフルード交換のみしか行ってくれないのに対し、ディーラーはリザーバータンク以外にもブレーキディスク、ブレーキライニングまで油圧系統内の全てのブレーキフルードを交換してくれるのが一般的です。
ブレーキフルードを交換しないとどうなる?
ブレーキフルードの状態を確認せずに使用し続けると、ペーパーロック現象の様な危険な状態に陥ってしまう可能性が高まります。
ベーパーロック現象とは、ブレーキによる熱でフルードが沸騰して気泡が発生する事により、制動力が落ちてしまう極めて危険な状態です。
その他、錆が発生した箇所からフルート漏れが発生する可能性もあります。
ブレーキフルードはその液体の性質上、塗装面を侵す特性があり、ブレーキがきかなくなるだけでなく、他の金属部品も劣化させてしまう可能性のある危険なアイテム。
そのため、定期的にリザーバータンクを確認するように心がけましょう。
自分の車にあったブレーキフルードを選ぼう!
ブレーキフルードは、ただ交換すれば良いというものではありません。
ブレーキフルードにはDOT(ドット)規格というものが存在し、数値が高いものほど沸点が高く、高性能である事を示しています。
グレードの違いは、主に新品時における吸湿率0%時点での沸点と、1、2年使用した時点での沸点(吸湿率3.7%)で決まります。
最も標準的なDOT3で、ドライ沸点が205℃以上・ウェット沸点が180℃以上なのに対して、最もハイスペックなDOT5でのドライ沸点は260℃以上、ウェット沸点は180℃以上です。
その為、街乗りがメインであればDOT3でも十分ですが、サーキット等でのスポーツ走行を楽しむ人は、DOT4以上を選ぶと良いでしょう。
モタガレでも用途に合った様々なブレーキフルードを販売しているので、是非覗いてみてください!
DIYで交換するのは危険?
結論から言うと、ブレーキは「重要保安部品」であるため、素人が自分で交換する事は推奨出来ません。
交換が上手くできていないと、運転者本人だけでなく搭乗者も危険に晒すことになり、交通事故に直結してしまう危険性が増大します。
ブレーキフルード交換は、経験豊富なショップに任せるのが安全です。
まとめ
定期的にブレーキフルードを確認、交換することの重要性を理解していただけましたでしょうか。
命に直結する重要な部品であるだけに、ブレーキフルードはクルマに乗るうえで重要な存在を果たしているのです。
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