性格診断や占いで用いられることの多い血液型。A型は慎重、B型はマイペースなどそれぞれの性格が分類されることもありますが、それをF1王者たちに当てはめても同じような傾向が見られるのでしょうか?今回は血液型といういつもとは違った角度からF1王者たちの傾向に迫っていこうと思います。

掲載日:2017/11/21

©Pirelli

血液型で見るF1王者の数は?

 

©Pirelli

 

占いなどでも性格診断として用いられることの多い血液型で、歴代F1王者たちを分類してみるとどうなるのでしょうか?

一般的にA型は慎重、B型はマイペースなどと評されることもありますが、最先端テクノロジーが集結されたマシンで世界のトップを競うF1ドライバーたちもそれぞれのレースに対するスタイルを持っています。

そして、これまでF1王者に輝いたドライバーたちは総勢33名おり、様々なキャラクターを持つドライバーたちが栄冠を手にしてきました。

往年のドライバーの場合は血液型が公表されていないケースが多いので、今回調べたところ結果が判明したのは21名。

こうした血液型による分類はあくまで統計学なので、元々対象者が少ないF1王者の数をさらに減らしてしまうのは残念なところですが、そこから見えるF1王者の傾向を覗いてみたいと思います。

 

A型のF1王者は我が道を行く!?

 

©︎Pirelli

 

まず最初に世界中の人口のうち約4割が占めているA型から見ていきましょう。

A型のドライバーで絞ると、これまで9名がF1王者に輝いており、合計14度のタイトルを獲得しています。

ルイス・ハミルトン 4回(2008,2014~15,17)

ニコ・ロズベルグ 1回(2016)

キミ・ライコネン 1回(2007)

ミカ・ハッキネン 2回(1998~99)

ニキ・ラウダ 3回(1975,77,84)

ケケ・ロズベルグ 1回(1982)

アラン・ジョーンズ 1回(1980)

ジェームス・ハント 1回(1976)

グラハム・ヒル 2回(1962.68)

A型と言えば一般的に慎重なイメージを持つ方も多いかもしれませんが、2017年王者に輝いたハミルトンは攻撃的な走りを得意としているので、意外だと思われる方も多いかもしれません。

そして昨年までハミルトンと王座を争ったニコ・ロズベルグも同じA型ですが、両者のレースに対するアプローチは対照的と言えるほど異なるものでした。

また、近年公開されたF1映画「RUSH」の主役であるラウダとハントも対照的な性格ながら、実はA型同士の戦いだったというのも意外に思われるかもしれません。

それに加えて、このA型を見ていくなかで特徴的なのは歴代のフィンランド人王者が揃っているという事。

初代フィンランド人王者ケケ・ロズベルグからハッキネン、ライコネンがA型、さらにドイツ国籍で参戦したニコ・ロズベルグも父親からのフィンランドの血を引いているところが興味深い点です。

確かにフィンランドはA型の人口が最も多い国ですが、その割合はおそよ4割強と圧倒的にA型が多いという訳でもありません。

しかし、現在メルセデスに在籍するバルテリ・ボッタスや、F1通算100人目の勝者となったヘイキ・コバライネンもA型であり、F1ドライバーに当てはめると非常に高い割合となっているのです。

さらに、このA型で興味深いところが引退に未練を残さない選手が多い事。

 

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%AD%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%80

 

まだ記憶に新しいニコ・ロズベルグの電撃引退に加え、ロズベルグの件にチーム側の立場として言及したラウダも最初の引退は「グルグル回るだけが人生ではない」と言い放ち、一度目の引退をあっさりと決断しました。

さらに、現在フェラーリのドライバーを務めているライコネンも2009年末には、わずか30歳で1度目の引退を決めておりWRCへ転身するなど、現役生活に未練を残さず、その時にやりたい事をやるというスタイルがこのA型王者に多く見られます。

それは最後の優勝から引退までの期間が短いことにも表れており、引退の経験が無いハミルトンと最終優勝から5年後に引退したヒルを除くと、7名中5名が引退レースから遡って5戦以内に優勝を飾っているのです。

つまり、それら7名を平均すると最終優勝から約8戦後に引退レースを迎えている計算になります。

一般的には慎重などと言われるA型ですがF1王者に当てはめてみると、実は周囲に振り回されずに我が道を行くマイペースな人物が多いと言えるのではないでしょうか。

 

アスリート向きのB型はわずか1名という結果に

 

©鈴鹿サーキット

 

続いては、マイペースと評されることの多いB型を見ていきましょう。

世界中で約1割と決して人口が多いとは言えないB型ですが、スポーツマンに向いていると言われているのでF1ドライバーにも向いていると想像する事が出来ます。

しかし、その結果はわずか1名しか存在しないという、実に意外なものとなりました。

アイルトン・セナ 3回(1988,90~91)

なんと、他のスポーツではトップアスリートに多く見られるB型ですが、F1王者に輝いた選手はアイルトン・セナのみ。

セナは周囲に大差を築いていようと、それが自身のペースであれば最大限の速さを引き出し、チェッカーまで手綱を緩めることなく走る姿で多くのファンの心を掴んできました。

彼が残した走りやエピソードは今でも伝説的に語られますが、こうした血液型による分類においても彼が何か特別なものを持っていた事を感じさせる結果と言えるのではないでしょうか。

またB型は絶対数が少ないこともありF1ドライバーの数もそれほど多くはありませんが、セナ以外のB型のF1ドライバーにはロバート・クビサやジャンカルロ・フィジケラ、中嶋悟などが挙げられ、ウェットレースで印象的な走りを見せた選手が多く見られます。

また、セナ以外のB型でF1王者に最も近付いたのはロニー・ピーターソンで、残念ながら彼はタイトルの可能性があった1979年のイタリアGPの事故がきっかけとなり帰らぬ人となりましたが、セナと同様に速さで多くのファンを魅了したドライバーとして知られています。

 

おおらかで社交的と言われるO型はF1王者の宝庫

 

出典:http://formula1.ferrari.com

 

世界の全人口では約45%と最多を占めるO型。

一般的にはおおらかで社交的などレースにあまり向いているタイプとは思えませんが、実に9名のドライバーによって21度と最も多くF1王者を獲得している血液型となりました。

セバスチャン・ベッテル 4回(2010~13)

ジェンソン・バトン 1回(2009)

フェルナンド・アロンソ 2回(2005~06)

ミハエル・シューマッハ 7回(1994~95,2000~04)

ジャック・ヴィルヌーブ 1回(1997)

デイモン・ヒル 1回(1996)

ナイジェル・マンセル 1回(1992)

ネルソン・ピケ 3回(1981,83,87)

エマーソン・フィッティパルディ 2回(1972,74)

他の血液型に比べて絶対数が多い為か、様々な個性を持ったドライバーがいるのが面白い点で、中でも目立つのは、やはり史上最多7度の王者に輝いたミハエル・シューマッハ。

彼のチームをまとめ上げる能力からは、O型の社交的な一面が伺えます。

現在フェラーリを牽引する活躍を見せるベッテルもシューマッハ同様、2015年のフェラーリ加入以降チームの躍進に大きく貢献し、移籍初年度に早くもチームの心を掴むことに成功。

 

©Shunsuke Kawai

 

レースではどちらの選手も少々強引な走りが見られることもありましたが、ガレージ内では社交的な一面を見せチームを牽引する努力が見られたドライバーだったと言えるでしょう。

また、マクラーレンに長年在籍したバトンもチームスタッフの心を掴むことに定評があり、加入当初はハミルトン主導で戦っていたチームを自らが過ごしやすい雰囲気に変え、絶対的な速さでは優れる同僚を上回って見せたこともありました。

バトンは激しい戦いに身を置きながらも紳士的な性格として知られており、これは1996年王者に輝いたデイモン・ヒルにも共通しています。

ヒルもチームのスタッフから愛されていたことで知られており、こうしたO型の社交的な一面を生かしてスタッフとのコミュニケーションを図り、優位にマシンのセットアップを進め、ライバルと見事に渡り合って見せました。

また、このO型には勝負が醍醐味であるF1で戦っていながらも、彼らのコメントからは余裕が見られ、コメントでも冗談を多用する選手が多い傾向にあります。

 

©鈴鹿サーキット

 

これは往年に活躍した選手にも見られ、ピケはジョークをコメントの基本と言わんばかりに頻繁に多用し、マンセルも自らが批判された場合でもジョークで応戦するなどユーモアある人物として知られています。

また、フェルナンド・アロンソやジャック・ヴィルヌーブは過激なコメントで話題に上がることもありますが、それらも彼らの独特な表現が強く人物像に影響を与え、シューマッハのような率先してリーダーシップを取るタイプとは違った印象に。

こうした豊かな表現力は優勝した際になどの表彰式でも見られることが多く、表彰式ではジャンプしたり変わったガッツポーズなどで喜びを爆発させるタイプが多いのも面白い点です。

F1王者から話を逸らすと先日引退を表明したフェリペ・マッサやマーク・ウェバーもO型であり、彼らは惜しくもあと一歩王者には届きませんでしたが、表彰台上でのパフォーマンスが印象的な点で同じタイプと言えます。

 

世界でわずか4%しかいないAB型が大健闘

 

©鈴鹿サーキット

 

血液型を4つに分類した際に、最も人口が少ないAB型。

日本ではおよそ10%と世界的には高い割合ですが、全世界の人口で換算するとその数はわずか4%程度と珍しいタイプに分類されます。

そんな希少なAB型のドライバーですが、F1では2名が計5度の王者に輝いています。

アラン・プロスト 4回(1985~86,89,93)

マリオ・アンドレッティ 1回(1978)

セナの最大のライバルであったアラン・プロストが4度のタイトルを獲得しており、血液型におけるタイトル獲得回数ではB型を抜いて3位となったAB型。

AB型は計算高い人物が多いと言われており、これは決勝レースで緻密な計算を組み立てるプロストの考え方に当てはまると言えるでしょう。

こうしたプロストの戦略的な戦い方はかつてチームメイトとなったラウダから学んだと言われており、ここでも考え方を頻繁に変えるAB型の特徴が表れています。

また、AB型の大きな特徴である人は人、自分は自分という考え方は、人気と速さでは上回るセナに振り回される事なくタイトル獲得に向けた走りに徹するスタイルにも通ずるものがあるのではないでしょうか。

これはマリオ・アンドレッティにも同じことが言え、周囲の選手がF1に集中するなか、自身は一つでも多くのレースに勝利するために、F1だけでなくアメリカでもレースを掛け持ちして参戦しました。

これまで2名しか王者が誕生していないため傾向と言うには難しいかもしれませんが、どちらのドライバーもマシン開発能力に定評があり、そういったドライビング以外の面でもチャンピオン獲得に貢献しています。

 

まとめ

 

以前から血液型での性格分類などがありますが、F1王者に当てはめると従来のものとはまた違った傾向が見られました。

特にA型は人数が多いことを踏まえても興味深く、今後活躍が期待されるドライバーにもこういった傾向が見られるかもしれません。

あくまで傾向ではありますが、こうしたところから少し意外な共通点を見つけてみるのも楽しみ方の1つではないでしょうか。

 

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