その名の通り、オールシーズンタイヤは春夏秋冬すべての季節をカバーでき、近年注目を集めるようになってきています。その魅力は、急な雪予報にも焦ることがなく、年に2回訪れるタイヤ交換の手間が不要となること。さらに、意外とかさばるタイヤの保管に悩む必要がなくなることです。とは言っても気になるのが、夏タイヤやスタッドレスタイヤと比較した、舗装路や雪道での性能。そこで今回は、グローバルタイヤメーカーとして世界180か国に展開するクムホタイヤの、オールシーズンタイヤ「クムホ SOLUS(ソルウス)4S HA32」の実力を試してみました。
Photo:Kiyoshi WADA Text:Shingo MASUDA

一般的な夏タイヤと変わらないオンロード性能を確認!

オールシーズンタイヤの性能で一番気になるのが、「本当に雪道を走れるのか?」という点です。

そこで、関越自動車道を北上し、一路、新潟長野方面へと向かいます。
今回試乗に使用するトヨタ アクアにクムホ ソルウス 4S HA32を装着し、まずは市街地から高速道路の走りをインプレッション。ここで感じた第一印象は、転がりが軽いということでした。

一般的なスタッドレスタイヤでは、最初のひと転がりで“ムニュッ”という柔らかさがあるものですが、まるで夏用タイヤのようにスッと車が前に進みます。
夏タイヤのような乗り味は高速道路でも変わらず、80km/hを超える速度域でも十分な安定感。

ゴムの柔らかさが欠かせないスタッドレスタイヤは、高速域で頼りなさが顔を出すことも多々ありますが、クムホ ソルウス 4S HA32はその頼りなさを全く感じません。

その理由は、クムホ ソルウス 4S HA32には、ブロック間の噛み合わせを向上させて、高い操縦安定性を発揮するという3Dサイプが採用されている事。

さらに、高い排水性や排雪性能、トラクション性能を実現した、V字型ディレクショナルパターンが採用されており、それらの効果をしっかりと実感することができました。

静粛性に関しても特にうるさいということはなく、静かさを売りにしているコンフォートタイヤと比べて、ややパターンノイズが大きい程度。音楽をかけたり、車内で会話をしていれば、気にならないレベルです。

「冬タイヤ規制」もOK!急な雪でも慌てない

北上するにつれ、遠くの山や道路わきに雪が見られるようになり、高速道路の看板には「冬用タイヤ規制」の表示が出され始めます。

この「冬用タイヤ規制」は、改正前のチェーン規制のことで、2018年に法律の一部が改正された事により、呼び名が変更されました。

もちろん、オールシーズンタイヤのクムホ ソルウス 4S HA32なら、冬用タイヤ規制時も走行可能です。ただし、スタッドレスタイヤでも走行できない現在の「チェーン規制」では、当然オールシーズンタイヤも走行不可。

豪雪地域にお出かけの際は、チェーンも携行しておくと安心です。

コンディション最悪でも安心感のあるグリップ

さて、いよいよ雪がしっかりと残る山間部に到着し、クムホ ソルウス 4S HA32の雪上性能を試します。

市街地と高速道路を走った印象は、一般的な夏用タイヤとほぼ変わらない印象だったため、雪上性能はそれほど過度な期待をしていませんでしたが、結論をいえば十分すぎるものでした。
テストを行った場所は、道路ではなく閉鎖された広場のような場所で、圧雪された雪の上に新雪が乗った状態です。

さらに当日は、雪ではなく雨。雪、氷、水、そして泥まで混じった、最悪のコンディションでした。
そんな状況であるにも関わらず、クムホ ソルウス 4S HA32を履いたアクアは、特にすべることなくスルスルと動きだし、急激なアクセル操作さえしなければ普通に加速。

ブレーキや、操舵の効きも問題ありません。
路面のタイヤの跡を見ると、特徴的なV字型ディレクショナルパターンがクッキリとついています。

これは、ソルウス 4S HA32の太い横溝が雪を踏み固めて駆動力を増やす、スタッドレスタイヤをはじめ雪用タイヤには欠かせない「雪柱せん断力」を発揮している証拠です。

雪道を走っていることさえ忘れなければ十分走れる

もちろんスタッドレスタイヤやチェーンではないため、急加速や急制動を行うとスタッドレスタイヤより滑ります。

また、今回はテストをすることができませんでしたが、ツルツルのアイスバーン(氷上)での使用は推奨されていません。
しかし「今は滑りやすい雪道を走っている」という感覚を忘れなければ、難なく走ることができるグリップレベル。

スタッドレスタイヤでもチェーンでも、雪道をドライ路面と同様の感覚で走る方はいないと思うので、それらを考慮するとクムホ ソルウス 4S HA32の雪上性能は十分です。
そして、雪解けによって完全ウエットになった路面でもテストをしましたが、ハイドロプレーニングが起こるような不安感は無し。

クムホ ソルウス 4S HA32は、まさしくドライから雪上までオールシーズン履けるタイヤということがわかりました。

新たな選択肢におすすめなグローバルタイヤ

クムホ ソルウスHA32には、欧州で冬用タイヤとして認められたことを示す、スリーピークマウンテン・スノーフレーク(3PMSF)、通称スノーフレークマークが表示されています。

さらに、一般的な夏用タイヤに比べ、泥や雪上での走行に優れたタイヤに与えられるマッド&スノーマーク(M+S)も刻印されている信頼性の高さです。

クムホタイヤは日本においてそれほど高い知名度はありませんが、世界中の自動車メーカーに新車装着タイヤを供給し、現在では世界180カ国以上で販売されるグローバルタイヤメーカーです。

日本法人も1977年に設立され、日本の道路環境に合ったタイヤを開発し販売してきました。そんな世界でも認められ、日本との繋がりも深いクムホタイヤのオールシーズンタイヤ「ソルウス 4S HA32」。

次回、タイヤ交換する際は、新たな選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

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