本格クロカンとしての悪路走破性と、スクエアで愛らしいスタイリングで現行型も爆発的な人気を維持し続けているスズキ・ジムニー(JB64)。しかし、エントリーグレードなどに採用される「ハロゲンヘッドライト」の野暮ったい肌色の光に、どこか物足りなさを感じているオーナーも少なくないはずだ。

いくらエクステリアをタフにカスタムしても、夜間にライトを点灯した瞬間、どこか時代遅れな印象を与えてしまう。そんな悩みを解消すべく、今回は自動車ライターの増田氏が、ジムニーのスペシャリストとして名高い「レインボーオート」の横尾氏をゲストに迎え、サーキット仕様のJB64ジムニーをベースに、ライティングパーツの老舗「HID屋」のLEDバルブを用いたリフレッシュを敢行した。
目次
加工不要のドライバーレス設計がもたらす高い利便性
一昔前のLEDコンバージョンキットといえば、バルブの後方に巨大な冷却ファンが鎮座し、さらに別体のコントロールユニット(ドライバー)がぶら下がっているのが当たり前だった。そのため、エンジンルーム内の配線処理に頭を悩ませたり、防水用のゴムカバーをカッターで加工したりといった面倒な作業が付きまとったものである。
しかし、今回使用したHID屋の最新LEDバルブは、まさに「時代の進化」を具現化したようなパッケージングを実現している。

サイズは従来のH4ハロゲン電球とほぼ同等。別体のドライバーが存在しないオールインワン設計のため、車体に両面テープで固定したり、タイラップで配線を縛り付けたりする手間が一切ない。ジムニー特有のタイトなヘッドライト裏のスペースであっても、防水ゴムカバーを加工することなく、文字通り「ポン付け」で交換が可能となっている。この高い作業性とスマートな収まりの良さは、DIYユーザーにとっても大きなメリットと言えるだろう。
ナイトドライブで実感する、圧倒的な光量と照射能力
日が落ち、街灯が一切ない暗闇に包まれたロケ地で、その実力を試すべくテスト走行が行われた。ライトを点灯した瞬間、そこに広がったのは、これまでのハロゲンとは一線を画す「バキッ」とした純白の強烈な光だ。

テスト当日はあいにくの雨模様。濡れた路面は光を吸収・乱反射しやすく、ドライバーの視界を著しく奪う過酷なコンディションだったが、HID屋のLEDは路面の水溜まりの輪狂をくっきりと浮かび上がらせた。ハイビームに切り替えると、さらに遠方の視界まで圧倒的な光量で照らし出し、夜間走行のストレスを劇的に軽減してくれる。

この圧倒的な明るさは、単に運転が楽になるだけでなく、安全性の向上にも直結する。特にジムニーの主戦場である林道や、街灯のないキャンプ場周辺などの暗闇では、路面の凹凸や障害物をいち早く察知できるかどうかが死活問題となる。また、薄暗い昼間の林道などでも、対向車からの視認性が向上するため、事故を未然に防ぐ防衛策としても極めて有効だ。
路面状況に応じて使い分ける2色切り替えフォグランプ
今回のリフレッシュにおいて、ヘッドライトと並んで特筆すべきがフォグランプの存在だ。今回装着されたフォグランプバルブは、状況に応じて光の色を切り替えられる機能を備えている。

晴天時や通常の夜間走行ではシャープなホワイト光でスタイリッシュにまとめ、霧や雪、あるいは激しい雨に見舞われた際には、瞬時にイエロー光へと切り替えることができる。波長の長い黄色い光は悪天候時でも路面を的確に捉え、凹凸を非常に見えやすくしてくれる。オフロード走行やウインタースポーツで悪天候に見舞われる機会の多いジムニーオーナーにとって、この2色切り替え機能はこれ以上ないお守りになるはずだ。
DIYの境界線とプロからのアドバイス
手軽に交換できるフロント周りに対し、リア周りのバルブ交換(テールランプなど)に関しては、バンパーの脱着が必要になるケースがあるなど、一般のユーザーにとっては少しハードルが高くなる。元整備士であるライターの増田氏と、スペシャリストの横尾氏は、愛車のDIYについて次のようにアドバイスを送る。

同じH4規格同士の交換であれば、最近の車両に備わっているレベライザー調整の範囲内に収まり、光軸(ライトの光る向き)が大きくズレるリスクは低い。しかし、万が一取り付けに不安がある場合や、明らかな光軸のズレを感じた場合は、無理をせず「レインボーオート」のような専門ショップや修理工場に相談するのが賢明だ。せっかくの高性能バルブも、正しい位置に収まっていなければその性能を100%発揮できないばかりか、対向車への迷惑にもなりかねない。
コスパの高さも魅力、愛車のアップデートに最適な一品

かつては高嶺の花だったLEDバルブだが、HID屋の製品は非常にリーズナブルな価格設定となっており、現行のJB64/74オーナーはもちろん、増田氏が所有するJA11のようなクラシックなジムニーに乗るオーナーにとっても、費用対効果の高いリフレッシュメニューとなる。
夜間の視認性が上がれば、純粋にドライブが楽しくなり、疲れも軽減される。愛車のフロントマスクを現代的に引き締め、安全性も引き上げてくれるLED化。愛車ジムニーに「もうひとつの安心」を宿らせるための、極めて価値のあるアップデートと言えそうだ。
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