前回から特集でご紹介している「レッドブルエアレース」。今回は日本大会の注目ポイントを一挙網羅してみようと思います。なかでも日本人パイロットの室屋義秀選手に世界中の注目が集まっています!
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幕張大会コース図
前年に続き千葉県の幕張海浜公園が戦いの舞台に選ばれています。
今季は全8戦の第3戦として開催され、東京湾の海上にパイロンが立てられコースが作り出されます。
関東圏で都心から近く、プロ野球チームの千葉ロッテマリーンズの本拠地であるQVCマリンフィールドや、多くのミュージシャンがライブを行う幕張メッセなどが周囲にあり、東京からのアクセスも非常に楽なため現地観戦がしやすいモータースポーツというのも魅力です。
エアレースを普段ご覧になられない方はコースレイアウトを見てもあまりピンと来ないかもしれませんが、スタートフィニッシュラインがコースの中央に設置されている珍しいコースとなっており、非常に風が強いことで有名なコースです。
この風という要素は車に比べ飛行機はより大きく影響を受けるので、こういった要素に上手く対処するかといった所もパイロットの腕の見せ所となります。
飛行機レースならではのちょっと変わったルールも?
サーキットで路面を走る車と違い空を飛ぶ飛行機ではルールが少し違ったものになっており、まずタイムアタック開始のスタートラインを通過するスピードは200.99ノットまで設定されています。
なので、201ノットを超えるとペナルティの対象となりタイムに1秒加算、また202ノットを超えると失格となってしまします。
またGフォース(重力加速度)がペナルティの対象となることもあります。
旋回時に大きなGがかかるエアレースでは、機体に搭載されたセンサーが10Gを超える数値を計測すると、これも違反とされノータイム扱いとなり重い処罰を受けることとなります。
またサーキットに例えるとコーナーの役割となるパイロンにも明確なルールが設けられ、通過時に機体を水平にしかつ、機体の高度にも厳格な審査があり、パイロンにヒットするとこれも当然ペナルティとして3秒加算となります。
攻めるとペナルティに繋がりやすくなるので、コンディションによっては保守的なフライトも重要な戦略となります。
世界屈指のパイロットたち!注目はだれ?
14名のパイロットが参戦するレッドブルエアレース。
今季は混戦模様となりそうですが、これらの選手はぜひ抑えておきたいという今大会の目玉パイロットの中でも、日本大会で注目の選手をピックアップしていきます!
マティアス・ドルタラー
開幕戦アブダビで2位を獲得すると、前戦シュピールベルグでエアレース初優勝を飾った、今最も勢いのあるパイロット。
現在ランキングでも首位につけ、千葉大会でも目が離せない選手なのは間違いなさそうです!
ハンネス・アルヒ
2008年にレッドブルエアレース世界王者に輝いたトップパイロットとして活躍するハンネス・アルヒ。
前戦シュピールベルグで2位表彰台を獲得しますが母国優勝を惜しくも逃し、その雪辱を晴らすべく千葉で素晴らしいフライトに期待できそうです。
ニコラス・イワノフ
今年の開幕戦を制し現在ランキング2位につけるベテランパイロットのニコラス・イワノフ。
芸術的な飛行ラインが美しいと言われ彼のフライトは「大空の絵画」と呼ばれています。
昨年の千葉大会では4位に入っており、今大会も注目の選手。
やはり最大の注目は日本人パイロット、室屋義秀!
日本人唯一のエアレースパイロット、室屋義秀は2009年にアジア人として初めてレッドブルエアレースに参戦すると、これまで3度の表彰台を獲得するなどして活躍してきました。
エアレース界きっての人気ドライバーでもあり、そのフライトは世界中から注目されており昨年はついに母国でのレースを迎えましたが、8位に終わり優勝争いを繰り広げることは出来ませんでした。
今季は開幕戦アブダビで7位入賞を決め波に乗ると自身初の優勝も期待されており、最終決戦ファイナル4への進出も十分狙える位置にいるでしょう。
一説によると機動戦士ガンダムのアムロ・レイに影響を受け、パイロットを目指すことになったそうです。
ファンの希望を乗せ大空で戦う日本人パイロット。思わず応援したくなりますね!
まとめ
今回はより深くエアレースの魅力と千葉大会の展望をご紹介しました。
今年で2回目の開催となる千葉大会は既に売り切れの席もあるようで大盛況となりそうです。
日本で世界屈指のパイロットが戦うなんて夢のよう、そこで室屋選手の表彰台に立つ姿を見てみたいですね!
次回は、エアレースに参戦するマシンにスポットを当てていきます。お楽しみに!