高速道路走行時に必需品となりつつあるETCですが、ETC2.0という新しい規格が登場しているのはご存知でしょうか。今回はETCとETC2.0ではどのような違いがあるのか、またETC2.0にするメリットなどをご紹介します。
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ETC2.0が高速道路の運転をさらに安全で快適になる
ETC2.0という、ETCの新しい規格はご存知でしょうか?
実は3年ほど前から、ETCの次世代型として導入されており、”道路を賢く使う”ことをテーマに開発された新しいETCなのです。
従来のETCの機能は、高速道路料金の支払いのみでしたが、ETC2.0ではさまざまな情報をドライバーに提供し、今までよりも安全で快適なドライブを可能にしています。
ITSスポットを活用したETC2.0のサービス
ITSスポットは道路上のさまざまな情報や交通状況、渋滞情報を発信するアンテナスポットで、全国に約1,700箇所配置されています。
ETC2.0ではその情報を利用し、従来の料金支払いはもちろんのこと、『渋滞回避支援』や『安全運転支援』、『災害時支援』をカーナビと連動して知らせてくれるのです。
また、さらに今後は『道路交通情報』や『走行履歴』、『経路情報』といったビッグデータを活用したサービスも提供されることが見込まれています。
ETC2.0であれば道路状況や運転支援などさまざまなサービスが受けられます
ETC2.0を使うと、高速道路を利用するうえで嬉しい情報や万が一の事故の支援など、さまざまなサービスを受けることができます。
渋滞情報
従来の渋滞情報システムは、狭い範囲に限られていましたが、ETC2.0では最大1,000kmの範囲で渋滞情報を把握することが可能です。
これは、ETC2.0と連動させたカーナビがドライバーへ知らせてくれるシステムで、渋滞を避ける最適なルートへと導いてくれます。
安全運転支援
高速道路には、歩行者がいない代わりに、車線の合流や急カーブ、落下物、故障車両など、さまざまリスクが潜んでいます。
ETC2.0では、そんな危険となる要因を、連動したカーナビで知らせてくれるのです。
障害物情報
高速道路を走行していると、落下物などが道路上に落ちていることがあります。
そんな落下物の情報についても、監視カメラや高速道路のパトロール、一般の方からの通報などで情報を収集し、落下物手前のITSスポットからETC2.0車載器へと情報が送られ、この先に落下物があることを知らせてくれるのです。
災害時支援
さらにETC2.0では、災害発生時の支援情報をうけることが可能です。
ITSスポットから災害情報が発信され、受信したETC2.0が、的確な迂回路や警戒計画の立案を支援してくれます。
今後もETC2.0のサービス充実の見通し
大都市部では環状道路の整備が進んでいるため、ETC2.0で収集したデータをさらに活用し、より最適な経路へ導いてくれたり、物流の効率化のために運搬時の経路や運転時の急ブレーキ・急ハンドルの情報を物流業者に提供。
運行や配送の支援を行うサービスも提供されています。
また、特殊車両や大型車両などの走行経路を把握したり、今後はコインパーキングの決済もETC2.0で行えるようになる予定です。
ETC2.0なら高速料金割引でお買得に
2016年4月から、高速道路の料金改定が行われ、ETC2.0搭載車が関東圏に開通した圏央道(茅ヶ崎JCT~海老名JCT、海老名~木更津JCT)、新湘南バイパス(藤沢~茅ヶ崎JCT)を利用すると、高速料金の割引をうけることができます。
また、高速道路のパーキングまたはサービスエリアどうしの間隔が25km以上あるときは、ドライバーの不安要素を減らすため、高速道路をおりて対象の道の駅に立ち寄った後、1時間以内に同じ方向の高速道路入口から入場した場合、継続利用とみなされ、高速道路を降りないでそのまま進んだときと同じ料金が適用されます。
ETC2.0利用にはまず対応車載器へ交換
今使っているETCからETC2.0へアップグレードするには、ETC2.0車載器への交換が必要です。
また、カーナビと連動させない場合は『GPS付発話型』の車載器単体でよく、音声案内で渋滞情報や支援サービスを受けることが可能となります。
デンソーからはスマホと連動させる車載器『DENSO DIU-A050』が発売されており、専用のアプリをダウンロードすればスマホからもETC2.0のナビサービスを受けることも可能!
しかし、スマホ連動型は現在デンソーの商品しかなく(2019年4月時点)、アプリはアンドロイドOSのみの対応なので、購入の際は注意して下さいね。
そして、カーナビと連動させるにはETC2.0対応のカーナビも必要です。
ほかにも、一般道の情報を前方30kmまで表示できる光ビーコン付のカーナビ連動型車載器なら、さらに細かい情報を受信可能!
そんなETC2.0車載器の相場は一番安いもので1万5千円、高いものでは5万円近くするものまでさまざまで、価格が安い順でいくと『GPS付発話型』<『スマホ連動型』<『カーナビ連動型』<『光ビーコン付カーナビ連動型』といったところです。
バイクでのETC2.0利用は
2輪車用ETC車載器でも、最近は2.0対応のものが増えてきました。
しかし、ナビゲーションモニターを取り付けている2輪車は稀であり、ナビ機能を活用しようとすれば、2輪車用ナビゲーションシステムを搭載するか2輪車専用のスマートフォンホルダーを取り付け、スマホのナビゲーションを利用するぐらいしかありません。
また、クルマのようにナビ連動型というものはなく、ETC2.0情報専用インジケーターというものを取り付け、インジケーターの点滅の色で『注意警戒』『安全運転支援』『災害時支援』を知らせるようになっています。
そうなると、クルマのものより簡素で詳細な情報を得られないことは残念ですが、割引が効くことや一度高速を降りて指定の道の駅へ行くための迂回が可能になることを考えれば、2輪車にもETC2.0へアップグレードさせる価値はあると思います。
ETC2.0を取り付ければ1万円キャッシュバック!二輪車なら車載器購入助成
EXCO東日本/中日本/西日本(NEXCO3社)は、2輪車のETC普及率向上のため、2輪車にETC/ETC2.0車載器の購入・セットアップ・取り付けをした方の中から先着35,000台に、費用から10,000円/台の割引を受けることが可能です。
キャンペーン期間は2019年4月1日(月)~2019年7月31日(水)で、申し込むためには指定の助成申込書に必要事項を記入し、キャンペーン対象店舗に提出する必要があります。
詳しくは、ネクスコの公式ページをご覧くださいね→NEXCO(中日本高速道路株式会社)
まとめ
ETC2.0を知れば便利でお買い得な感覚になりますが、サービスのいくつかは首都圏や都心部のみしか対応していないのが、少し残念なところです。
それでも、事故回避のために一旦下道におりて、別の入口から高速道に乗った場合でも継続利用となるサービスや、高速道路が渋滞中に他の高速道路への迂回ルートを選択すると、高速料金が割引になるサービスなど、全国どこの高速道路でも今以上のサービスが受けられるようになる見通しです。
ETC2.0は高速道路での渋滞回避やトラブル回避の面からも、これから取り付けても十分お得だと思います。
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