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最近、ランフラットタイヤを標準装備するモデルが増えてきましたが、ランフラットタイヤとは、いったいどんなタイヤなのでしょうか。ランフラットタイヤの特徴やメリット&デメリットなどをご紹介します。

©2017 Bridgestone Corporation
パンクしてもへっちゃら!!ランフラットタイヤとは

©2017 Bridgestone Corporation
ランフラットタイヤは、タイヤの空気圧がゼロになっても一定距離走行が可能なタイヤのことを指します。
商品にもよりますが、パンク後に80km/hの速度で100kmぐらいは走行できるため、パンク時にその場でタイヤ交換やパンク修理をせずに、近くのガソリンスタンドや修理工場まで自走で移動することができます。
タフさの秘訣はタイヤのサイドウォールに有り。
通常のタイヤに比べ、サイドウォールが非常に硬く作られているため、タイヤに大きな穴が開いたとしても、多少の距離は走行可能なのです。
また、バースト(破裂)やサイドウォール・ホイールリム変形に伴った走行不能に陥る損傷は極めて稀で、ランフラットタイヤとは、非常に丈夫に作られたタイヤなのです。
ランフラットタイヤの種類は

© 2019 Pirelli & C. S.p.A
サイドウォール強化タイプ
ランフラットタイヤで最も多いのがサイドウォール強化タイプのものです。
タイヤ内の空気圧が低くなっても、タイヤがぺしゃんこにならないようにサイドウォールの一部に補強層を設け、タイヤの形状を維持して支えます。
中子(なかご)タイプ
中子(なかご)タイプは、その名の通りタイヤ内部に中子構造を持たせたもので、ランフラットタイヤが登場した当初はほとんどが中子タイプでした。
中子を持たせる分コストが高くなり、重くなってしまうため、現在は一部の車種や公共交通車両で採用されていますが、乗用車ではほとんど採用されていません。
補助リング
補助リングは、タイヤそのものではありませんが、タイヤを強化する目的で開発された後付け型の中子です。
中子といっても、タイヤの強化を優先し、空洞ではないプラスチックのような補助リングをタイヤに埋め込む場合もあり、内閣総理大臣専用車や御料車、政府要人を送迎する公用リムジンが、万が一何者かから銃弾でタイヤを打たれたとしても、安定して走行できるよう併用されています。
ランフラットタイヤのメリットとデメリット

© 2019 Pirelli & C. S.p.A
メリット
ランフラットタイヤは、タイヤに穴が開いてパンクしても安定して走行ができるため、パンクの際に、急にハンドルがとられてしまい、周りのクルマや障害物との接触を起こしてしまうというような、2次3次事故のリスクを軽減します。
また、ランフラットタイヤを装着すればスペアタイヤを装備する必要もありません。
重たいタイヤを積載する必要がなくなれば、当然、燃費にも良い影響を与えます。
また、現在新車に装備されているスペアタイヤの量は、年間5,900万本とされているため、スペアタイヤがなくなれば省資源化に貢献できます。
余計なスペアタイヤが製造・廃棄されなくなると、それらの処理の際に発生するCO2排出量が年間200万トンも削減されることになり、環境にも優しいことだらけなのです!
デメリット
ランフラットタイヤはサイドウォールを強化しているため、その分タイヤの弾力性が不足し、乗り味が悪化するとされています。
しかし、ランフラットタイヤの性能は年々向上しており、今では多くの高級車に標準装備されるレベル!
乗り味が極端に悪いということはないとされていますが、後付けで装着するのであれば、乗り心地が低下する恐れもあるので、注意が必要です。
むしろ、”タイヤサイズが少ない”、”従来のラジアルタイヤより高価格”、”パンク後のパンク修理ができない”といったデメリットが多くあげられることが、日本であまり普及しない大きな理由とされています。
ランフラットタイヤへ履き替える際の注意点

ランフラットタイヤ対応のフルスペック・タイヤチェンジャー / © 2019 Sumitomo Rubber Industries,
今までラジアルタイヤが装着されていたクルマにも、ランフラットタイヤを装着することは可能ですが、いくつか注意点があります。
まず、ランフラットタイヤは通常のラジアルタイヤよりもサイドウォールが硬いため、基本的にランフラットタイヤ装着はランフラットタイヤ対応のタイヤチェンジャーが必要です。
そのため、お店によってはランフラットタイヤの交換を断られることも。

ZEEPIN タイヤ空気圧モニター / © 1996-2019, Amazon.com, Inc. or its affiliates
また、ランフラットタイヤはパンクしたとしても、普通に走行出来てしまう為、以上になかなか気が付けないことも注意が必要です。
そのため、ランフラットタイヤを標準装備しているクルマの多くは、タイヤ空気圧を常時モニタリングする『TPMS(Tire Pressure Monitoring System)』が搭載されています。
シガーソケットに差し込むだけで簡単にモニタリング可能なTPMSも販売されていますので、合わせて装備しておきたいところです。
まとめ

ミシュラン・プライマシー3 BMW承認 ランフラットタイヤ / © 1996-2019, Amazon.com, Inc. or its affiliates
ランフラットタイヤが標準装備されているクルマは、BMW、メルセデスベンツ、レクサスといった高級車が大半で、現状ではまだまだ”高級車のタイヤ”という印象。
ここ数年で認知されてきましたが、サイズラインナップが不足していることや、高額であるといった改善の余地があるため、この辺りの課題がクリアされたら、ランフラットタイヤが新たなスタンダードになる時代がやってくるかもしれません。
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