雨の日の高速道路は、速度制限が行われることがあります。これは道路に雨水がたまると、ハイドロプレーニング現象を起こし、交通事故を誘発する恐れがあるからです。しかし最近の高速道路は、雨が降っても雨水が道路にたまることはありません。その秘密が、「高機能舗装」です。

高速道路 雨

出典:https://www.photo-ac.com/profile/1020715

アスファルト舗装とは?

アスファルト 高速道路

出典:https://www.photo-ac.com/profile/378070

まずはアスファルト舗装の構造について、おさらいします。

アスファルトは石油精製時に分離する、最重量物質です。

これをストレートアスファルトといい、道路の舗装に使われる以外にも防腐、防水作用を持っています。

また、道路に使用されるアスファルト舗装の構造は、ストレートアスファルトに骨材と呼ばれる砕石、砂利、砂などを施工地域や用途に応じて混ぜており、このアスファルト舗装材をアスファルト混合物と呼びます。

そして、アスファルト混合物の骨材が文字通りアスファルト舗装の骨格となり、ストレートアスファルトは骨材同士を接着させた交通車両が与える荷重を分散させることで道路の平均性を保つのです。

ちなみに、アスファルト混合物での骨材の混入率は95%で、間隙率は5%しかありません。

その5%の隙間に防水性に優れたストレートアスファルトが流れ込んでいるため、通常のアスファルト道路の水はけは悪く、アスファルト舗装の表面を水が流れていってしまうのです。

高機能舗装とは?

道路 水たまり

出典:https://www.photo-ac.com/profile/1020715

高機能舗装は、1989年から東北自動車道でテストが始まり、1998~1999年に各高速道路会社で採用され始めました。

そして今では、水はけが良く、走行時の騒音を低下させてくれるアスファルト混合物を使用したアスファルト舗装が施された高機能舗装は、高速道路のみならず一般道でも採用が始まっています。

そんな高機能舗装は浸水性が高まり、アスファルト舗装表面に雨水がたまることなく、アスファルト舗装に染みていきます。

この技術のカギとなるのが、骨材です。

通常のアスファルト舗装の間隙率は5%でしたが、高機能舗装では骨材の大きさを工夫して、15~25%に高められています。

その、10~20%増えた隙間に水が染み込んで、水たまりの生成を防ぐのです。

また、走行騒音は主にタイヤと路面の摩擦から生じますが、通常のアスファルト舗装では間隙率が5%のため、騒音のほとんどは道路上に発生してしまいます。

しかし高機能舗装では間隙率が15~25%のため、空気の振動である音は道路上だけでなく道路内にも発生。その結果、走行騒音は3デシベルほど低下するのです。

ちなみに、騒音が3デシベル低いと、同じ大きさの音を2倍離れた場所で聞くのと同じ効果があるそうで、自動車の乗員には静寂性が、高速道路周辺の住民にはまるで高速道路が遠くにあるかのように感じられるようになりました。

初期の高機能舗装は耐久性に難があったため、現在は耐久性を向上させた改良型が施工されているとのこと。

高機能舗装の舗装率は高速道路全体ですでに70%を超えており、今後は一般道も含めてますます普及していくようです。

他にも高機能な道路がある!?

道路 遮熱性舗装

©一般社団法人 日本道路建設業協会 出典:http://www.dohkenkyo.net/pavement/meisyo/syanetu.html

高機能舗装は浸水性と騒音低減に秀でていますが、他にもアスファルト混合物に機能を持たせたものがあります。

その1つが遮熱性舗装で、2020年の東京オリンピックの暑さ対策にも活用される予定です。

遮熱性舗装を施工した道路を未施工の道路と比較すると、道路表面温度が10度低いという結果に!

その仕組みはアスファルト混合物の骨材に中空セラミック微粒子や熱反射性特殊顔料を混ぜ、太陽光の赤外線を反射させて道路が熱くならないようにしています。

アスファルト舗装は保温効果もあるため、昼間太陽光で熱くなった道路が夜になっても熱いままとなり、ヒートアイランド現象の一因にもなっています。

その点、遮熱性舗装は赤外線を反射するので保温効果も限られ、夜になれば道路の温度は低くなるため、ヒートアイランド現象の低減に貢献。

都内では既に渋谷駅前のスクランブル交差点や、銀座の国道15号線に施工済みです。

特徴は色がグレーであることなので、渋谷や銀座にでかけた際は、探してみてください。

まとめ


道路の原料であるアスファルト混合物に工夫を凝らし、機能を追加していることには驚かされました。

他にも夜間の視認性を高める道路、キャタピラへの耐久性が高い道路、凍結を防ぐ道路などがあります。

細長い国土で多様な気候環境にある日本の道路技術の進化は、まさにガラパゴス的進化といえるかもしれません。

Motorzではメールマガジンを配信しています。

編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?

配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!