新型ジムニーが発売されてから、様々なメディアに取り上げられ、全国各地のジムニー専門ショップはパーツを作り、軽いお祭り状態が続いています。また、どのメディア、どのショップに話を聞いても、20年ぶりのフルモデルチェンジを果たした新型ジムニーを絶賛する声ばかり。ならば実際に何がスゴいのか?本当に隙なく進化しているのか?自身がJB23オーナーでもある編集部トリと共に、新旧ジムニーを徹底比較してみました。
JB64は本当に隙がない?
今回の企画に協力して頂いたのは、東京都にある老舗ジムニー専門店『Suzy sports(スージースポーツ)』。
新旧ジムニーを比較する現場には、同社の秋山 拓也さんにお越し頂きました。
新型ジムニーが発売されて以来、毎日のようにJB64Wに乗ったりイジったりしている秋山さんに、まずは新型ジムニーについての所感を聞いてみる事に。
「やっぱり、クルマとしての完成度はメチャクチャ上がっていますね。
これまで歴代ジムニーはたくさん乗ってきましたが、乗り心地が抜群に向上しています。
先代までは高速道路なんか走ったらフワフワしてしまって走れたもんじゃなかったのですが、新型ではそうですね。
まるでワゴンRに乗ってるような、ある意味やっと普通のクルマになったって感じですかね(笑)」
やはり、先代と比較してもその進化は圧倒的なものだそう。
しかしそんな話を聞くと、余計斜に構えたくなってしまうのがMotorz編集部。
自分らの目と耳と腕でその真価を問うてやろう!ということで、とあるオフロードコースへやってきました。
早速秋山さんと、お互いのクルマを乗り比べます!
まずはスージースポーツのJB64Wをチェック!
今回新型ジムニーを持ってきてくれたスージースポーツさんのデモカーに付いているパーツをチェックします!
「正直クルマが出来すぎていて、ボクらとしてもどう触っていいか考えあぐねているんですよ。
それでも足回りだけでも変えると楽しくなるのはこれまで通りですね。」
との事で、デモカーも足回りをメインに軽めのカスタムが施されていました。
こちらはリアの足回り。
14段調整式のショックアブソーバーに、現在開発中という試作品のコイルスプリングが組み合わされ、2インチアップとなっています。
他にも、ラテラルロッドが装着されていたり、ブレーキホースが黒のステンレスメッシュに変更され、リア周りだけで4本這っていたりと細かい部分にもこだわりが見え隠れ。
また、JB23からJB64への大きな変更点としては様々な電子デバイスが装着されたことではありますが、中でも電子スロットル化された事はトピックの1つでしょう。
デモカーのJB64には、現在開発中のスージースポーツオリジナルのスロットルコントローラーが付いていました!
加えてレスポンスブレードも装着されており、スージースポーツでは新型ジムニーの電スロのレスポンスの悪さに、改善の余地を感じていることが伺えます。
そして実際に、オリジナルの電スロやレスポンスブレードで新型ジムニーのレスポンスの悪さを補っているとのことでした。
それでは、一体どのようなシチュエーションでどのようなストレスを感じるのでしょうか?
まずは秋山さんに新旧ジムニーを乗り比べて頂いて、インプレッションを伺います!
久々にJB23へ乗ってみる!
JB64用の電スロやコイルの開発で、最近は専ら新型ジムニーばかり乗っているという秋山さんに、まずは編集部トリの愛車 JB23のステアリングを握ってもらうことに。
ちなみに、編集部トリのジムニーのスペックは以下の通りです。
・ハイブリッジファースト 3インチサスキットアームキット
・4x4IMPS アルティメットLSD
・MRS インテークチャンバーFirst model
・HKS レーシングサクションリローデッド
一応、ひと通り手は入れてある感じです。
「JB23も全然悪いわけじゃないんですけどね、JB64がちょっと圧倒的なだけで……。」
と言い残して、秋山さんは走り出しました。
ロングライフを誇ったJB23にずっと携わっていただけあり、軽快にクルマを走らせます。
そして少し走らせた所で、一度我々のところへ戻ってきてひと言
「やっぱりJB23は楽しいっすね!(笑)
JB64は変に電子制御でガチガチにされちゃってる分、リニアさに少し欠ける感じがあるんですよね。
直感的というか、”操作感”を感じますね。
あれ、やっぱりJB23楽しいぞー!!」
旧型ジムニーの楽しさを思い出した秋山さんはその後、なかなか戻ってきませんでした……。
新型ジムニーに改めて乗ってみる
気を取り直して、改めて新型ジムニーにも乗ってもらいます。
「うん、やっぱり乗り心地が圧倒的に向上してますよね〜。
路面のギャップに対する”いなし方”が、新型の方が圧倒的に良くなってる。
ただ、スロットルのリニアじゃない感じはオフロードではそこまで感じなかったのが意外だったかな。」
筆者も秋山さんの隣に乗せてもらいましたが、乗り心地の違いは隣でも体感できるレベル。
特に丸石が連続するようなセクションで顕著に感じられ、頭の揺れが間違いなく半減(もしかしたらもっと良くなってるかも)していました。
更に付け加えると、ブレーキLSDやヒルディセントコントロールのおかげで登坂も下りもなんなくこなせます。
筆者も少し運転してみたのですが、スージーさんの新型ジムニーは4速ATということもあり、クロカン初心者の私でも存分に楽しむことが出来ました。
ちなみにJB23はMTだったのですが、やはり路面の起伏を先読みしたコースどりをしなくてはならないような悪路を走行時は、電子デバイスやATで色々とアシストしてくれる新型ジムニーの方が圧倒的に運転しやすかったというのが初心者の感想です。
まとめ
スージースポーツでは、街乗りもダートも乗り心地が格段に向上している新型ジムニーを、更にワンランク上のレベルで楽しめるようなカスタムを模索していくとのこと。
具体的には、街乗りの心地よさを損なうことなく、今回のような少し本格的な未舗装路も走りに行けるジムニーを目指し、パーツを開発中なのだとか!
電子デバイスの恩恵は、楽に走れるけどそれじゃツマラナイと、昔からのジムニー好きには感じるかもしれません。
リニアな操作感を感じつつ、最新の電子制御で今までのジムニーでは到達できなかったフィールドまで走破できるような1台を、スージースポーツが完成させる日はそう遠くはないはず!
私も皆さんと一緒に、その日を楽しみに待ちたいと思います。
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