ランボルギーニやポルシェ、フェラーリ、アウディBMWなど、世界各国のスーパーカーが走る、イタリア版スーパーGT「Italian Grand Turismo」。そして2016年9月8日、そのレースに、Motorzでも連載を持っているレーシングドライバー根本悠生選手を起用することを、チーム「VINCENZO SOSPIRI RACING」が発表した。一体どんなレースで何をするのか?ご紹介します!
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ライブストリーミングは9/11 日本時間 22:15〜
イタリアングランツーリスモとは
イタリアで行われているツーリングカーレース「イタリアングランツーリスモ」。
2003年から始まったこのレース、GT3車両が使用されており、フェラーリやランボルギーニなどのイタリア車はもちろん、ポルシェやアウディ、BMWなどの同じヨーロッパの車両が参戦しています。
現在、日本人としての参戦は「アントネッリモータースポーツ」から出場している笠井崇志選手のみです。
なお、前身のレースは1992年から開催されており、その歴史や内容から、イタリア版スーパーGTのようなレースかと思われます。
イタリアングランツーリスモ公式HP(英語):http://www.acisportitalia.it/cigt/
チーム「VINCENZO SOSPIRI RACING」とは
かつて、あのF1ドライバー「ロバート・クビサ」を育成したこともある名門チーム「ヴィンチェンツォ・ソスピリ・レーシング」
「ヴィンチェンツォ・ソスピリ」とは、F1に挑戦したこともあり、国際F3000の世界チャンピオンにも輝いたイタリアのレーシングドライバー。
若手の育成に非常に力を入れており、ランボルギーニトロフェオやイタリアングランツーリスモなどのレースに多くの若手ドライバーを起用。
日本では、フォーミュラの名門であるZAP SPEEDの元で、FIA-F4などに参戦しています。
なぜF4ドライバーが突然イタリアGTに出場できたのか?
2016シーズンのイタリアンGTでは、「ニコラス・コスタ」選手を起用し、現在シリーズ2位。
残すところあと3戦といったところで、ニコラス選手の王座を絶対にするべく、速さと強さの両方を持ったドライバーを招集、イタリアのアドリア・インターナショナル・レースウェイにてオーディションを行ったようです。
なお、VSRは昨年にVSRイタリア・トレーニング・セッションを実施しており、日本でVSRランボルギーニ・スクアドラ。コルセ・フォーミュラ・ジュニアチームを運営するZAPSPEEDの推薦もあって、根本選手は参加していたそうです。
この時に、なんと根本選手はニコラス選手を上回ってトップタイムを記録。
この時のファステストを、ドライバーコーチのヴィンチェンツォ・ソスピリ氏は非常に印象深く覚えていたそうで今回のオーディションに招待。
テストカーはランボルギーニ・スーパー・トロフェオ。
根本選手自身にとっても初めてのGTカーだったそうですが、チームの予想を大きく裏切る好タイムを連発したため、合格とともに急きょVSRのドライバーとしてイタリアGTへの参戦を決定したとのこと。
実際、ヴィンチェンツォ・ソスピリ氏以下のようにコメントしています。
昨年、日本の FIA-F4 を視察に行き、ニコラス・コスタと同等以上の走りを見せていたユウキに興味を持ったこともあり、我々のチームでイタリアF4を使って彼をテストしてみました。
その時にも印象的な速さを見せてくれたので、彼のことは自分のドライバーリストの中に記録してありました。
今回のランボルギーニ・ウラカンGTでの初テストでも気負った表情はなく、リラックスしてチームと溶け込み、会話も問題なかったのが好印象でした。
テストタイムも問題なく、ニコラス・コスタと同等の速さとコンシスタントなラップを重ねており、イタリアGT で戦うだけのポテンシャルは備えていると判断しました。
我々は来年の活動を見据えて、ユウキの今回の挑戦を、チームとして一丸となって、大切に戦っていきたいと思います。
レースはなんと今週末の9月10日と11日!オーディションからレースまで4日しかない中、根本選手はどう仕上げてくるのか、期待が止まりません。
チームメイト、ニコラス・コスタ選手とは
2015年にはFIA-F4にも参戦していたブラジル人レーシングドライバー、ニコラス・コスタ選手。
1991年11月14日生まれの24歳。10歳のころにカートをはじめます。
19歳の時に、F1ドライバーのフェリペ・マッサ選手が支援している「フォーミュラ・フューチャー・フィアット」で優勝し、フェラーリのドライバー育成プログラムに参加。
その後は様々なレースに出場し、2012年のフォーミュラアバルトでは15回の表彰台、6回の優勝と圧倒的な速さを誇り、今後の活躍が期待されているドライバーです。
ニコラス・コスタ選手公式HP:http://www.nicolascosta.com.br/
根本悠生選手のコメント
今回、ZAP SPEED さん、KCMG さんのご協力とご理解のもと、イタリアでのVSRオーディションに参加さ せて頂けることになりました。
日本のレースではVSRとはチームは違うのですが、同じ ZAP SPEED の仲間とし て戦っており、昨年、イタリアのトレーニングにご一緒させて頂く機会があったことが、今回のオーディション参 加につながりました。
チャンスはどこに潜んでいるのか、本当にわからないものだと改めて実感しています。
初めて乗ったランボルギーニ・ウラカンは、スーパートロフェオ車両がベースとなっており、パワフルでとても 楽しいマシンでしたが、やはり車重も大きいですし、高額なので(笑)、何かあったらどうしょうと心配しながら、 慎重にテストを進めました。
まる 1 日、たっぷりと走れるヨーロッパの環境の中、マシンに慣れ、無線に慣れてタイムアタックが許されまし た。この 1 周で自分のレース人生が変わるという覚悟で、ミスなく限界までアタックし、マシンを降りたら、ビン チェンツォ・ソスピリから合格の握手を求められました。本当に嬉しかったです。
自分の夢は海外で活躍するプロドライバーであり、今回のイタリアGT参戦は、まさにその夢に向かった第 1 歩 だと思います。
FCJから FIA-F4 へとステップアップし、来年の進路に悩んでいた僕にとって、今回の千載一遇の チャンスをいただいたことは本当に嬉しく、ZAP SPEED の皆さん、そしてKCMGの皆さんの応援がなかったら、 VSRさんとの縁もあり得なかったと感謝しております。
このチャンスをものにし、ニコラス・コスタ選手のタイ トル獲得への手助けができるよう、この週末は精一杯頑張りますので、皆さん応援宜しくお願いします。
また、普段FIA-F4で走っている彼が、始めて乗るGTカー、スーパー・トロフェオに対してどのように感じたのか、聞いてみたところ、以下のようなコメントをいただきました。
F4と比べて、車重が重いのとタイヤがでかいというのが大きな違いで、逆に言うとそれ以外はスーパートロフェオがすごくいい車なので違和感なく乗れました。
よく止まるし、よく曲がる車で最初のセッションから良いタイムで乗れましたし。
まだ掴めていない部分でいうと、ブレーキング時のタイヤの抵抗の使い方と、縁石の乗り方ですね。縁石に乗った時の跳ね方が全然違うので、そこを習得しないと。
ただもうニコラスと同レベルで走れてはいますし、ファステストを狙うためにはどうしなければならないかというレベルの話になってきています。
ハコも初めてだし、むしろ乗ったことあるのなんてミニクーパーのレーシングカーだけですし、とにかく苦労すると思っていましたが、現地でのシミュレータトレーニングなど、チームのサポートもあってスムーズに乗ることができました。
レースまであと4日、車も自分もコンディションを整えて、最高のレースをお見せできると思いますので、楽しみにしていてください。
まとめ
突然イタリアに呼ばれながらも、テストに参加して結果を残し、イタリアGTへの切符を手に入れた根本選手。
初めて乗るGTカー、そしてGTカーレースでどのような結果を残して帰ってくるのか、期待が止まりません。
なお、イタリアGTでは各レースのハイライト動画などをYoutubeにアップしているようなので、そちらの動画も期待ですね。
今後の根本選手の活躍に、大注目です!
Italian Grand Turismo公式HP:http://www.acisportitalia.it/cigt/