かつてはF1で、近年はインディカーシリーズで活躍を続けるレーシングドライバー”佐藤琢磨”。常にチャレンジし続けるスタイルに彼を応援するファンも非常に多いです。今季はAJフォイト・レーシングを離れ、アンドレッティ・オートスポーツへ移籍。今まで以上に優勝へのチャンスが大きくなっていると注目を集めています。そんなアンドレッティ・オートスポーツとは、いったいどんなチームなのか?今季の展望を含め、ご紹介します。

©Indy Car

インディで活躍を続ける佐藤琢磨

©Indy Car

2002年にF1デビューを果たした後、日本人ドライバーとして世界的に活躍を続けてきた佐藤琢磨。

その後B・A・Rホンダに移籍し、2004年のアメリカGPでは日本人2人目となる3位表彰台を獲得!日本人歴代最高ランキングとなる8位を獲得するなど注目を浴びました。

その後は純日本チームとして参戦したスーパーアグリのエースドライバーとして奮闘しましたが、チームの撤退もあり、F1を離れる事となります。

2010年以降は戦いの場を、インディカー・シリーズへ移し、参戦2年目には2度のポールポジションを獲得します。

そして彼のハイライトの一つとなったのが2012年のインディ500。特にレース後半は着実に順位をあげ、残り2周で2番手に浮上。ファイナルラップに入ったところで首位のダリオ・フランキッティに勝負を挑んでいきますが、ターン1でクラッシュ。悲願のインディ500制覇とはなりませんでした。

その後、期待を背負って迎えた2013年はAJフォイト・レーシングへ移籍すると、わずか3戦目で日本人ドライバーとして初となるインディカー・シリーズでの優勝を達成します。

©Indy Car

なんといっても彼の持ち味は攻撃的な走りで、リスクを恐れず追い抜きを仕掛けるスタイルは日本だけでなく世界中のファンから高い人気を誇っているのです。

そして今季からはアンドレッティ・オートスポーツへ移籍し、さらなる活躍が期待されています。

 

彼が加入したアンドレッティ・オートスポーツとは?

©Indy Car

1993年にインディカーシリーズの前身にあたるCARTに参戦するべく創設され、かつてのF1王者であるジャック・ヴィルヌーブが在籍したこともあるチームとして知られています。

当時はチーム・グリーンという名称で親しまれておりましたが、2003年にレーシングドライバーのマイケル・アンドレッティが株式を取得すると、アンドレッティ・グリーン・レーシングに名称も変更され、チーム代表兼ドライバーとしてチームを引っ張ってきました。

©Indy Car

これまで歴代2位となる4度のチームタイトルを獲得する名門であり、これまでダリオ・フランキッティやトニー・カナーンといったインディカーを代表する選手が多数在籍したことでも有名でした。

現在はインディカーだけでなくフォーミュラEにも参戦し、モータースポーツ界で高い知名度を誇っています。

また、今季からは日本でも4月から放映されるディズニーのテレビアニメ”ミッキーマウスとロードレーサーズ”とのコラボを発表した事が話題を呼びました。

 

佐藤琢磨と共に戦うチームメイトは?

今季、アンドレッティ・オートスポーツには佐藤琢磨の他に3名のドライバーが所属しています。

そんな彼のチームメイトとなるドライバー達を紹介したいと思います。

マルコ・アンドレッティ

©Indy Car

名前からも分かる通り、チーム代表であるマイケル・アンドレッティの息子であるマルコ。

父はCART王者である上に祖父はF1王者のマリオというサラブレッドで、その血筋もあってか若い頃から非凡な才能を発揮し、インディカーシリーズまで駆け上がってきたのです。

そして、ルーキーイヤーでは19歳という若さで優勝を達成し、インディカーシリーズでの史上最年少優勝という記録を樹立するなど順風満帆とも言えるキャリアを送ってきました。

これらの活躍で年間王者への期待は高まっているのですが、参戦10年目を迎えた昨年までに挙げた勝利数はわずか2回のみ。

王座に届かない日々が続いているので、今季こそは伸び悩む状況を打破し、親子2代でのインディカー王者獲得に期待が膨らみます。

 

ライアン・ハンターレイ

©Indy Car

黄色いスーツで同じみのハンターレイは、近年のインディカーシリーズを代表するドライバーとして知られています。

2007年にインディカーシリーズへの参戦を開始すると、2年目には初優勝を達成。それ以降は毎年のように優勝を記録する活躍を見せ、常に上位で戦ってきました。

2012年には以前在籍したアンドレッティ・オートスポーツに復帰すると、年間4勝を挙げ自身初となるインディカー王者に輝いたのです。

また2014年にはインディアナポリス500マイルを制し、チャンピオン経験者としての経歴に華を添える快挙も達成します。

今季は、実績のあるベテランドライバーとしてチームを引っ張る活躍が期待されると共に、5年ぶりとなる2度目の戴冠を目指してシリーズに臨みます。

 

アレキサンダー・ロッシ

©Indy Car

2015年にF1参戦を経験したロッシは、若くしてF1とインディカーというトップフォーミュラのレースに参戦してきました。

インディカーでは昨年デビューを飾ったばかりの若手ドライバーですが、早くもチームの期待に応える走りを見せ、将来が期待されるドライバーへと急成長を遂げています。

昨年のインディアナポリス500マイルでは果敢な戦略とドライビングテクニックを披露し、ルーキーにも関わらず大舞台で優勝を飾り周囲を驚かせました。

2年目を迎える今季は自身2度目の優勝、そしてシーズンを通しての活躍に注目が集まっています。

 

強力なシボレー勢に迫ることが出来るのか!?

©Indy Car

今季、チームを移籍し大きく環境を変えた佐藤琢磨。

昨年は年間ランキング18位最高位が5位。ここ数年の彼の成績を考えると、少し物足りない印象を受けますが、チーム内では最も多くのポイントを獲得しました。

またアンドレッティ・オートスポーツにとっても、昨年は苦しいシーズンとなり、チーム内で最上位を獲得したのは昨年まで在籍したカルロス・ムニョスの10位。王座を経験したハンターレイも12位に沈む結果となったのです。

これには昨年は、シボレーのエンジンを搭載するチームが好調だったことが大きな要因となっています。

昨年のランキングに目を向けてみると、年間ランキングでトップ10に入ったドライバーのうち、8名がシボレーエンジン勢。

なかでも圧倒的な強さを誇ったチーム・ペンスキーがトップ3を独占する強さを見せ、今季もタイトル争いの筆頭候補に挙げられています。

このように上位への道のりは険しいように見えますが、佐藤琢磨が昨年まで在籍していたAJフォイトと比べ、アンドレッティ・オートスポーツは大きなチームなので、これまでより万全の体制でレースに望めるのではないでしょうか。

©Indy Car

また昨年の成績を受たホンダによる、一層の体制強化と唯一の日本人ドライバーという事もあり、エンジンメーカーからも昨年以上に強いサポートを受けることになるのです。

セブリングで行われた開幕前の最終テストでは、2日目に登場すると4番手という好タイムを記録。

「多くの環境が変わり大変ながらも、マシンに良い感触を得られた」とコメントしており、チームも彼の経験と速さに期待を寄せています。

 

 

まとめ

©Indy Car

今年で40歳となり、新たな挑戦を始めた佐藤琢磨。

2017年のインディカーシリーズは3月12日(日)にセントピーターズバーグでいよいよ開幕を迎えます。

彼にとって8年目となるシーズンは新天地での戦いとなりますが、今まで以上に優勝へのチャンスが大きい体制で臨むことになります。もちろん、彼がずっと明言している「インディ500制覇」の可能性も大きくなりました。

また、今季から彼を支えるアンドレッティ・オートスポートからも目が離せないシーズンとなりそうです。

 

あわせて読みたい

J・バトンが17年間F1で活躍し続けられた5つの理由とは?305戦というキャリアとともに振り返ります。

自他公認?史上最低のF1ドライバー、タキ井上とは?近年は、率直な物言いで再注目を集めています!

F1日本GPで日本人が魅せた名勝負とは?佐藤琢磨、小林可夢偉の活躍に日本中が熱狂したレースをご紹介します。

 

[amazonjs asin=”4779611415″ locale=”JP” title=”佐藤琢磨終わらない夢―F1との決別、もうひとつの戦場ヘ (SAN-EI MOOK)”]

 

Motorzではメールマガジンを始めました!

編集部の裏話が聞けたり、月に一度は抽選でプレゼントがもらえるかも!?

気になった方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みいただくか、以下のフォームからご登録をお願いします!