日本でF1ブームだった1990年代。当時活躍したドライバーたちは、現在いったい何をしているのでしょうか?今回は当時のベストセカンドドライバーと二世ドライバーにスポットライトを当ててご紹介したいと思います。
個性豊かだった90年代のF1ドライバー達
1990年代のF1は、ドライバー・マシン・チーム、全てにおいて個性豊かな時代でした。
そんな時代を戦い抜いた選手達は、今一体何をしているのか気になるところではないでしょうか?
今回は「ベスト2ndドライバー」と「2世ドライバー」という、「2」という数字に縁のあるドライバーにスポットライトを当てていきたいと思います。
それでは、ご覧下さい。
ベスト2ndドライバー
リカルド・パトレーゼ
1977年にF1にデビューしたリカルド・パトレーゼ。
その後1993年に引退するまでの17年間で、257回のレースに参戦しており、当時では最多出走記録保持者となっていました。
17年間で一度も予選落ちがなく、キャリア終盤に所属したウイリアムズチームでは、ベストセカンドドライバーとして、ナイジェル・マンセルのワールドチャンピオン獲得をフォローするなど、いぶし銀な活躍を見せていました。
F1引退後は、イタリア国内のツーリングカーレースに参戦しており、1997年には日産のマシンに乗りル・マン24時間レースにも参戦しています。
そして彼はこのル・マンを最後に、大舞台となるレースから完全に引退したのです。
F1から引退して、間もなく25年が経つパトレーゼですが、彼は今、何をしているのでしょうか?
彼は現在、F1で得た契約金などを元手に様々な資産運用を行い、成功しています。
そして、そこで得た資金で、母国イタリアとモナコに住居を構えています。
また、幼い頃からの趣味であった鉄道模型の収集と、ナショナルチーム入りも可能であったと言われる腕前を持つスキーを楽しみながら悠々自適な隠居生活を送っています。
それに加え、前妻との愛娘はプロ級の乗馬選手となっており、そのサポートにも精を出すなどプライベートも充実し、新たな家族とも順調なようです。
現在でもグッドウッドフェスティバルやサーキットで元気な姿を見せるパトレーゼ。
F1界を上手く泳ぎ抜いた男は、これからの人生も上手く泳ぎ続けていくのではないでしょうか。
ゲルハルト・ベルガー
1984年、地元オーストリアGPでF1デビューを果たしたゲルハルト・ベルガー。
勝利から見放されていたフェラーリやベネトンに久しぶりの勝利をプレゼントしたり、マクラーレン時代にはアイルトン・セナのチャンピオン獲得をサポートしたりと、名脇役として活躍をしました。
また、1989年のサンマリノGPでは、炎に包まれる大クラッシュを演じながら、翌々戦に復帰する不死身さを見せ、「第二のニキ・ラウダ」と揶揄されたこともありました。
大のイタズラ好きとしても知られたベルガーは、現在何をしているのでしょうか?
F1引退後のベルガーは、家業の運送業を 再建させたり、F1チームであるBMWやトロ・ロッソの運営に関わるなど、実業家として活躍をしています。
また、2013年にはジュニアフォーミュラーであるFIA-F4を構想するなど、モータースポーツの底上げとなる活動にも関りました。
そして2017年には、DTM(ドイツツーリングカー選手権)を運営している組織、ITR e.Vの代表の座に就任することになったのです。
現役時代には、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の会長も務めていたベルガー。
意見をまとめることと、発想力と発信力に長けた彼と今後のDTMに注目です。
2世ドライバー
デイモン・ヒル
モナコマイスターと呼ばれたグラハム・ヒルを父に持つデイモン・ヒル。
偉大な父を飛行機事故で早くに亡くしたデイモンは、若い頃から、そしてレースを始めてからも苦労を重ねてきました。
しかしその苦労が実り、ウイリアムズのシートを得たデイモンは、1996年にワールドチャンピオンを獲得します。
そのデイモンは、現在は何をしているのでしょうか?
彼は現在、BMWの正規ディーラーの経営と、スーパーカーのレンタルとメンテナンスを行うP1インターナショナルという会員制グラブを運営しながら、デイモンの趣味である音楽活動をしたり、家族と過ごす時間を大切にしながら、自らの経験を元に息子ジョシュのレース活動をサポートをしています。
幼い頃から苦労してきたデイモンは、自らの力で道を切り開き、史上初の3世代F1ワールドチャンピオンという偉業を達成すべく活動をしている最中なのです。
ジャック・ヴィルヌーヴ
偉大すぎるジル・ヴィルヌーヴを父に持ったジャック・ヴィルヌーヴ。
インディでチャンピオンを獲得したのち、1997年にF1でワールドチャンピオンとなり、「ジルの息子」ではなく、「ジャック・ヴィルヌーヴ」という一人のF1ドライバーになれたと語った事は有名です。
彼はF1引退後、アメリカで行われているナスカーや新しいカテゴリーであるフォーミュラEなど、様々なレースに参戦している姿が見られています。
そんなジャックが現在本業としているのは、F1のテレビ解説者です。
現役時代から、歯に衣着せぬ発言が持ち味のジャックは、そのキャラクターを活かして解説を行い、時には御意見番ともなり現代のモータースポーツに対して自らの意見や考えを述べています。
父・ジルの影響で幼少期からモータースポーツに触れてきた彼の持論は賛否両論が挙がりますが、それだけ影響力を持っていると言えるのではないでしょうか。
現在でも隙あらばどこかでレースをしようと企んでいるようで、レース参戦の噂が絶えないジャック。
彼の今後の動向にも注目です。
マイケル・アンドレッティ
レース一族に生まれたマイケル・アンドレッティ。
父である、マリオ・アンドレッティはF1・インディカー・ナスカーなど様々なカテゴリーのレースで活躍していました。
その息子であるマイケルは、1991年にインディカーでチャンピオンを獲得しており、1993年にはF1にチャレンジし、3位表彰台を手にしています。
F1から離れた彼はその後どうしていたのでしょうか?
その後はインディカーに復帰し、2006年にはマイケルの息子であるマルコも参戦したインディ500にマイケルも参戦。
親子で2位と3位を獲得しています。
この時はマイケルが立ち上げたチームである、アンドレッティ・グリーン・レーシングから参戦しており、このチームはのちにアンドレッティ・オートスポーツに名を変え、現在もインディカーシリーズに参戦しています。
マイケルはチームオーナーとなってから、数々の名選手を育成しており、その中にはインディカーのチャンピオンとなった選手もいます。
そして2017年には佐藤琢磨をチームに迎え、5月に開催されるインディ500ではF1ワールドチャンピオン経験者であるフェルナンド・アロンソをチームに迎え参戦することになりました。
インディを知り尽くしたチーム監督・マイケルと、世界チャンピオン・アロンソがタッグを組んで参戦する2017年のインディ500は、見所盛りだくさん!
その立役者となった、マイケル・アンドレッティと、彼のチームであるアンドレッティ・オートスポーツの今後の動向からも目が離せません。
まとめ
「あの人は今…」特集、いかがでしたか?
現役で活躍している選手や、隠居生活をしている選手など、様々な「今」がありました。
しかし、現役時代と比較しても劇的な変化があまりないところが印象的です。
これからも元気な姿を見せて欲しいものですね。
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