2016年は7/30(土)〜7/31(日)に行われるスパ24時間耐久レース。世界3大耐久レースに位置づけされているブランパンGTシリーズのTotal 24Hours of SPA。ル・マンやSUPER GTと違い、GT3マシンがメインとなるレースです。スタートは、日本時間で30日23時30分から!
今回はそんなスパ24時間耐久レースを紹介します。
ブランパンGTシリーズとは
SRO Motorsports groupが主催し、2011年よりBLANCPAIN(ブランパン)GTシリーズをスタートさせました。
それまで行われていたFIA GT1選手権に代わるシリーズとして始まり、ヨーロッパ各国でレースが行われ人気を集めています。
市販車ベースで行われるブランパンウルトラカースポーツクラブや、FIAカテゴライズのブロンズドライバーのみで争われるブランパンGTスポーツクラブの最上位に位置するのがブランパンGTシリーズ。
2016年は5戦のスプリントカップと、スパ24時間耐久を含めた5戦のエンデュランスカップが開催されます。
イギリスのブランズハッチで行われたスプリントカップのハイライト動画をどうぞ。
スパ24時間耐久レースとは
舞台となるスパ・フランコルシャンは、ヨーロッパ ベルギー王国リエージュ州にあるサーキットで、スパとフランコルシャンの2つの都市を跨いで作られたことから、シルキュイ・ド・スパ=フランコルシャン(circuit de Spa-Francorchamps)と名付けられています。
オイルメーカーのTotalが冠スポンサーとなっていることから、Total 24Hours of SPAが正式なレース名になります。
ル・マン24時間レースが初めて開催された翌年、ベルギーのロイヤルオートモービルクラブが主催し1924年に初開催されて以降今も続いている伝統的なレース。
「ル・マン、スパ、デイトナ」の3つの24時間レースは、「世界3大耐久レース」と称され今もその歴史が続いています。
開催当初は単独でのレース開催でしたが、1960年代以降はETC(ヨーロッパツーリングカー選手権)のシリーズ戦として開催され、1987年にはWTC(世界ツーリングカー選手権)の1戦として開催されました。
ETCが消滅した1989年以降はまた単独開催に戻り、1997年以降はFIA GT選手権のシリーズ戦として開催、そのままFIA GT1世界選手権が引き継ぐことになりました。
しかしそのFIA GT1選手権も無くなったことにより、2016年現在はブランパンGTシリーズがスパ24時間レースを引き継いでいます。
2016年は65台がエントリー、現地時刻7/30 16:30(日本時間7/30 23:30)にスタート!
クラス分け
GT3マシンしか走っていないのにクラス分けなんてあるの??と思われがちですが、ル・マンと同様FIAのドライバーカテゴライズにより、ドライバーのランクによってクラス分けがされています。
Over all(Pro)
カテゴライズによる制限が無いため、基本的にはプラチナやゴールドのドライバーはこのクラスに集中します。
Pro-Am Cup
クラス名通り、プロとアマチュア(ブロンズ)が混在するクラスとなります。
3時間や6時間レースの場合では、
1:プラチナ・ブロンズ・ブロンズ
2:シルバー・シルバー・ブロンズ
といった感じで、最低でもブロンズドライバーが1名、プラチナドライバーが登録される場合は2名のブロンズドライバーが登録されなければなりません。
なお、スパ24時間レースに限り、
1:プラチナ・シルバー・シルバー・ブロンズ
2:プラチナ・プラチナ・ブロンズ・ブロンズ
のドライバー登録をすることが可能になります。
Am Cup
クラス名通り、アマチュア(ブロンズ)のみのクラスとなります。
3時間や6時間レースの場合では、
1:ブロンズ・ブロンズ・ブロンズ
のドライバー登録しかできません。
なお、スパ24時間レースに限り1名のシルバードライバーを登録することが可能ですが、ドライブ時間に制限があります。
スパ24時間耐久レースを走る車両紹介
11メーカー15車種と言う、日本のSUPER GT(11メーカー16車種)にも匹敵するメーカー数や車種の多さが魅力的なブランパンGTシリーズ。
あまりにも多いので簡単にご紹介します。
Audi R8 LMS
2015年のシリーズチャンピオンチーム#1Belgian Audi Club Team WRTをはじめ、10台のエントリーがあります。
日本のSUPER GTでもTeam HitotsuyamaとTaisan SaRDが使用しています。
エンジン:V型10気筒 5,200cc 自然吸気
駆動方式:MR
Nissan GT-R Nismo GT3
ブランパンGTシリーズ唯一の日本車 GT-R Nismo。
Nissan GT Academy Team RJNから#22、#23の2台のエントリーがあります。
ニュルやSUPER GTでもお馴染みGT-R Nismo。もっと海外チームで使用されると嬉しいですね。
エンジン:V型6気筒 3,800cc ツインターボ
駆動方式:FR
McLaren 650S GT3
2016年ドライバーランキングトップの#58 Garage59をはじめ、3台のエントリーがあります。
#60には元F1ドライバーのブルーノ=セナ選手が搭乗します。
日本ではスーパー耐久でClearwater Racingが使用しています。
エンジン:V型8気筒 3,800cc ツインターボ
駆動方式:MR
Mercedes-AMG GT3
#84 AMG-Team HTP Motorsportを始め、8台のエントリーがあります。
#00のAMG-Team Black Falconは、2016年ニュル24時間レースの覇者ベルンド=シュナイダー選手とマロ=エンゲル選手が搭乗しますのでこちらも注目です。
ニュル24時間レースのチャンピオンカーでもあり、SUPER GTでも猛威を振るっているAMG GT3です。
エンジン:V型8気筒 6,300cc 自然吸気
駆動方式:FR
Bentley Continental GT3
#7 Bentley Team M-Sportをはじめ、4台のエントリーがあります。
日本ではあまりお目にかかれない車両ですので、是非見てみて下さい。
エンジン:V型8気筒 4,000cc ツインターボ
駆動方式:FR
Lamborghini Huracan GT3
Audi R8と共通のシャシー、共通のエンジンを積むHuracan。
#16 GRT Grasser Racing Teamをはじめ、最多となる11台のエントリーがあります。
日本のSUPER GTではDIRECTIONとJLOCの2チーム4台が走っているので、馴染み深い??ですよね。
エンジン:V型10気筒 5,200cc 自然吸気
駆動方式:MR
Ferrari 488 GT3
WECでもお馴染み#50 AF Corseをはじめ、9台のエントリーがあります。
458と見た目で判別しにくいですが、ヘッドライトとフロントバンパーの間に隙間があるのが458、隙間がないのが488と覚えておくといいでしょう。
エンジン:V型8気筒 3,900cc ツインターボ
駆動方式:MR
BMW F13 M6 GT3
ニュルやSUPER GTでも活躍しているM6 GT3。
#15 BMW Team Italiaをはじめ、2台のエントリーがあります。
#15にはDTMに参戦しているマーティン=トムツェック選手が搭乗しているので注目です。
日本のSUPER GTではARTAやStudieが使用しています。
エンジン:V型8気筒 4,400cc ツインターボ
駆動方式:FR
Porsche 911 GT3 R
レースと言えばお馴染みのPorsche 911。
#76 IMSA Performanceをはじめ、2台のエントリーがあります。
日本のSUPER GTではExcellenceとGulf Racingが使用しています。
エンジン:水平対向6気筒 4,000cc 自然吸気
駆動方式:RR
Aston Martin Vantage GT3
ブランパンGTシリーズでは参加台数が少ないVantage。#44 Oman Racing Teamより1台のエントリーがあります。
世界的に見ても、段々とVantage GT3の参戦台数が減ってきているので寂しい気もします。
エンジン:V型8気筒 6,000cc 自然吸気
駆動方式:FR
Emil Frey Jaguar XK GT3
メジャーなレースではあまりお目にかかれないJaguar XK。
Emil Frey Racingより#14、#114の2台のエントリーがあります。
エンジン:V型8気筒 5,000cc 自然吸気
駆動方式:FR
Ferrari 458 Italia GT3
新型488が登場するも、活躍を続ける458 Italia。
#90 AF Corseをはじめ、5台のエントリーがあります。
エンジン:V型8気筒 4,500cc 自然吸気
駆動方式:MR
Audi R8 LMS Ultra
新型R8登場により影を潜めたR8 LMS。
#27 Sainteloc Racingより1台のエントリーがあります。
実はMotorzのGarageでもR8 LMSの中古車があるって知ってました??
エンジン:V型10気筒 5,200cc 自然吸気
駆動方式:MR
Lamborghini Gallardo R-EX
新型Huracan登場によりR8と同じく台数が減ったGallardo。
#132 Lago Racingより1台のエントリーがあります。
エンジン:V型10気筒 5,200cc 自然吸気
駆動方式:MR
Porsche 991GT3 Cup
唯一のカップカーということで、シリーズ戦のクラスとは別のNational Groupクラスに属するPorsche 991GT3 Cup。
#911 RMSと#230 SpeedLoverより2台のエントリーがあります。
エンジン:水平対向6気筒 4,000cc 自然吸気
駆動方式:RR
総勢15台ご紹介させていただきました。
次のページでは、参戦する日本人ドライバーをご紹介します。