普通二輪免許保有者にとって、いずれは取得したいのが大型二輪免許ではないでしょうか。教習所通いで取得する方が大半ですが、勇気をもって一発試験というのもひとつ手段です。一発試験は難関と思われがちですが、しっかり対策すれば受験5回以内での取得も可能です。大型二輪免許を受けるうえでの準備や時間、さらに試験対策などご紹介します。

掲載日:2019年8月26日

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大型二輪免許一発試験は今もなお難関試験なのか?

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大型二輪免許が指定教習所で取得できるようになってから20年以上経ち、それ以降の大型二輪免許取得者は教習所で取得する方が大半となっています。

しかし、一発試験であれば、試験に合格するだけで免許を取得することができ、教習所に通うよりも時間と費用が節約可能です。

しかし、一発試験は昔から難関試験で、一度目の試験で合格できるのはごく稀。

10回以上挑戦して、やっと合格したなんて話をたびたび耳にします。

若干古いデータになりますが、平成27年(2015年)の受験者は8,809人、そのうち合格できたのは1,869人、合格率は21.2パーセントで、平均受験回数は4.7回です。

一見合格率は低めに見えるこのデータ。

しかし、実は昔よりも合格率は上がっており、2回目、3回目で受かったという方も珍しくありません。

インターネットの普及したことで、詳細な受験対策情報を簡単に知ることができるようになり、受験者は十分な対策をして一発試験に挑むことが可能となったため、少ない回数で合格できる方が増えているのです。

大型二輪免許・一発試験とは

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大型二輪免許に限ったことではありませんが、運転免許は教習所に通わなくても運転免許試験場の技能試験と学科試験に合格すれば取得可能で、通称『一発試験』と呼ばれています。

大型二輪免許を教習所で取得できなかった時期(1995年以前)は、普通二輪免許から大型二輪免許の限定解除審査を受けるには、運転免許試験場での一発試験が唯一の方法でした。

しかし合格率が数パーセントの難関試験であったため、10回受験して合格したという方も珍しくなく、司法試験よりも難しい試験とされていたのです。

大型二輪免許・一発試験の受験前に知っておくべきこと

出典:https://www.carac-ds.jp/Column/license/172

一発試験はいつどこで行われているか

一発試験が行われるのは各都道府県にある運転免許試験場で、自らが住んでいる都道府県を管轄する運転免許試験場でなければ、受験はできません。

また、試験の実施は平日のみで土日は行っていない上に、技能試験の試験日は予約制で、当日いきなり行っても受験できないため注意しましょう。

一発試験に必要なもの

・免許証
・住民票(本籍記載の発行日から6か月以内のもので、マイナンバーの記載がないもの)
・縦×横が3cm×2.4cmの証明写真。無い場合は、有料で館内で撮影可能です。
・バイク用ヘルメット、グローブ、ブーツは持参。服装は長袖長ズボンで、バイクの運転に望ましい服装で一発試験にのぞみましょう。

受験に必要な費用は

金額は、都道府県によって若干異なる場合がありますが、東京都の場合、府中運転免許試験場、鮫洲運転免許試験場で行われる試験は、受験手数料2,600円、試験車使用料1,450円。

不合格に後日再試験を受ける際も、受験手数料と試験車使用料は発生します。

合格後に必要な費用は

一発試験に合格すれば、免許証交付料2,050円と大型自動二輪車取得時講習料12,150円、応急救護処置講習3,750円が必要です。

大型自動二輪車取得時講習と応急救護処置講習を受けないと免許は交付されませんが、応急救護処置講習は普通自動車免許、普通二輪免許を取得していれば免除されます。

また、大型自動二輪車取得時講習も、取得している免許によっては講習が免除される場合があります。

大型二輪免許技能試験を受けれる条件

大型二輪免許の取得条件は18歳以上であること、そして適性検査と事前審査を通過する事となっています。

そのため、まず受験時の適正検査として視力検査を行い、両眼で0.7以上、かつ一眼でそれぞれ0.3以上あることが必須で、裸眼ではなくメガネやコンタクトレンズをつけた状態でもかまいません。

一眼の視力が0.3に満たない方、もしくは一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であることが必要です。

そして、試験開始前に事前審査として倒れている大型二輪車の引き起こし、8の字で押し歩き、センタースタンドの上げ下げをしなければなりません。

これに合格すれば、適性検査は6か月間有効なので、期間内の再受験であれば何回も受ける必要はありません。

大型二輪免許・一発試験合格するための対策

出典:http://www.iwakuni-ds.com/?cn=100060&bgc=10000053

試験コースを覚えておく

二輪車の技能試験では、クルマのように試験官が助手席に乗って道案内をすることができないため、試験のコースを覚えなければなりません。

都道府県それぞれの運転免許試験場で『Aコース』、『Bコース』、または『1コース』、『2コース』など2・3通りの試験コースが設定されているので、試験当日に確認のため実際のコースを歩くこともできますが、数分で覚えるのは難しく、予めコースを覚えて備えることが大切です。

運転免許試験場の大型二輪免許技能試験コースは、一部のネットでも公開されていますが、試験を受ける前に一度運転免許試験場へ行き、公開されているコース図をデジカメやスマホで撮影しておくことをおすすめします。

試験場コース図がアップされているサイト→一発必勝、バイク免許一発試験、合格の近道

採点基準を調べて普段の運転でも意識する

一発試験の審査基準は、警視庁から公開されています。

運転免許技能試験基準について→PDFファイル

運転免許技能試験に係る採点基準の運用の標準について→PDFファイル

技能試験では100点からの減点方式で行われ、70点を切れば不合格。

70点以上で合格なので、どういった運転をすれば減点されるのかを知っておくことが大切です。

採点基準を黙読するだけでなく、普段バイクを運転する方は、公道を運転しているときに一発試験の走行を意識しながら乗ることで、実際の試験でも応用することができます。

大型二輪車とコースが借りれる練習場を確保する

運転免許技能試験場や指定教習所のようなコースと、練習用の大型バイクを貸し出してくれる『届出自動車教習所』『特定届出自動車教習所』があります。

これらの教習所は指定自動車教習所のように技能試験を行うことができませんが、一般の方にコースと練習車両を貸し出し、免許を失効・取消しされての再取得を目指す方のサポートや、ペーパードライバー、高齢ドライバー向けのドライビングレッスンなどを行っています。

特定届出/届出自動車教習所は一発試験対策でも、車両とコース、そして教習員のレッスン付きプランを用意しているところもあるため、練習場所としては最適です。

しかし、指定自動車教習所よりも少なく、あったとしても練習用の大型バイクがない場合もあるので、事前に問い合わせてみることをオススメします。

一般社団法人全国届出自動車教習所協会→教習所検索

また、特定届出/届出自動車教習所だけでなく、ごく一部の指定自動車教習所や運転免許試験場でも、練習コースを開放してくれているところもあるので、調べてみてください。

まとめ

出典:写真AC

大型二輪免許を無難に教習所で取得するか、または一発試験に挑戦してみようか迷っている方は、とりあえず不合格を前提に、一発試験を一度経験してみてはいかがでしょうか。

試験場に行き、受付から試験終了までの流れを知っておけば、向き不向きを判断することができます。

受験5回目までに合格できれば、教習所にいくよりも圧倒的に安く免許を取得できるため、大型二輪免許の取得を目指す方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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