GT-Rの誕生50周年を記念して作られた「GT-R50 by Italdesign」は、50台限定で販売され、価格はなんと1億円オーバー!ジウジアーロが設立したデザイン会社、イタルデザインによるハンドメイド製造のGT-Rで、扱いとしてはイタリア車になるそうです。東京オートサロン2020に展示されたプロトタイプを基に、一体どのような車に仕上がっているのかチェックしました。

出典:https://www.gt-r50.nissan/#/jp/gallery

GT-Rの50周年を記念した特別なハンドメイドカー

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1969年に誕生した初代スカイライン GT-R。

グレードの消滅や復活、スカイラインからの独立など、紆余曲折を経て2019年に50周年を迎えました。

世界に誇る、GT-Rの50周年を記念して日産が用意したのが、R35GT-Rニスモをベースにした限定車「GT-R50 by Italdesign」です。

GT-Rと同時期の1968年に誕生し、50周年を迎えたばかりのデザイン会社、イタルデザインの協力を得て生み出された特別なGT-Rは、50台限定で価格は1億3000万円!

東京オートサロン2020で展示されていたのはプロトタイプモデルであり、現在は1号車がイタリアのイタルデザインファクトリーで鋭意製作されています。

GT-Rだけどイタリア車!?

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実はこのGT-R50 by Italdesign、トリノのイタルデザインファクトリーで生産され、車体番号まで与えられているため、日本の制度上イタリア車という扱いになります。

それ故、日産の車であるにも関わらず、少量生産スポーツカーを輸入販売するエスシーアイ株式会社がインポートする、珍しい構成となっています。

アバルト124スパイダーが広島にあるマツダの工場で生産されていることで、国産車として取り扱われているのと、真逆の構図と言えるかもしれません。

デザインには随所に過去のGT-Rの面影アリ!

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社内コンペで選ばれたデザインをもとに、イタルデザインが生産しているGT-R50 by Italdesignは、ベースとなっているR35GT-Rニスモの雰囲気を残しつつも、よく見ると様々なこだわりが見られます。

ゴールドに塗られた大きく開いたフロントグリルは、ケンメリことKPGC110型スカイラインGT-Rがデザインモチーフです。

また、職人の手によって叩いて作られているリアフェンダーは、R34GT-Rをイメージした直線的な形状となっています。

リアトランクへのアクセスは、ハッチバック形状のリアゲートに変更されており、その後ろには可動式のリアスポイラーが備えられました。

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スカイラインを象徴する丸形4灯ブレーキランプは、2016年に発表された「日産コンセプト2020ヴィジョングランツーリスモ」のデザインをそのまま形にしたものです。

外装には随所にカーボンが用いられており、ボンネットとフロントフェンダーはフルカーボン。

バルブ形状のルーフもカーボンに置き換えられている上に、Aピラーは40mmカットされてルーフの位置が低くなっており、ベースのR35GT-Rニスモよりも低重心化されています。

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内装は、カラーリングなどのオーダーメイドに対応。

ドアの内張りからダッシュボード、シートにまで質感を変えた複数のカーボンが用いられ、高級感を演出。もちろん軽量化にも貢献しています。

普通はありえない!プロトタイプは既に8,000kmも走行!

画像(https://www.youtube.com/watch?v=jMSdN9qU6_U&feature=youtu.be内5分45秒)

東京オートサロン2020に展示されていたプロトタイプ0号車は、よく見ると傷だらけ。特にリアバンパーには、大きな傷が見られました。

通常、数千万円から数億円レベルのスーパーカーは、展示用プロトタイプで、自走することなく会場に運び入れられます。

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しかし、このGT-R50 by Italdesignは、2018年のグッドウッドフェスティバル オブ スピードでお披露目されて以降、スパ・フランコルシャン・サーキットやシルバーストン・サーキット等、数々のサーキットで走行を披露しているため、これらの傷は走行を繰り返してきた勲章なのです。

中身もスペシャルなGT-R

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外装の特別感に目が行きがちなGT-R50 by Italdesignですが、もちろん走行性能の部分もスペシャル仕様です。

ターボチャージャーのチューニングにより生み出されるパワーは、なんと720馬力!

デビュー当時のR35が480馬力だったので、なんと1.5倍となっています。

ベースとなっている最新最速のGT-Rニスモですら600馬力なので、いかにとんでもないスペックか分かっていただけるのではないでしょうか。

もちろん、パワーアップした分、エンジン内部にも手が加えられており、レース仕様であるGT-R GT3のピストンやコンロッドが採用されるなど、かなりのスペシャル仕様です。

また、エンジンのパワーアップに合わせて、その力を伝えるクラッチやトランスミッション、ドライブシャフト等も全て新調されました。

スペック

GT-R50 by Italdesign
全長×全幅×全高(mm) 4,784×1,992×1,316
ホイールベース(mm) 2,780
エンジン種類 VR38DETT
排気量(cc) 3,799
最高出力(PS/rpm) 720/7,100
最大トルク(N・m/rpm) 780/5,600
トランスミッション 6速シーケンシャル
駆動方式 ATTESA E-TS 4WD
エンジン搭載位置 ミッドマウントフロントエンジン
タイヤ(フロント/リア) 255/35R21,285/30 R21

まとめ

GT-R史上、最高性能で最高額であるGT-R50 by Italdesign。

その内容はスーパーカーの一段上、ハイパーカーと言っても過言ではないでしょう。

2020年中には市販モデルが完成し、デリバリーが開始されると言われています。

世界限定50台のこの特別なGT-Rを、日本で購入した人は現れるのでしょうか。

実際に街を走っている姿を、見かける機会はあるのでしょうか。

是非一度、この特別なGT-Rを見てみたいものです。

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