法人・個人事業主の方で、仕事で高速道路を頻繁に利用する方に是非おすすめしたいのが、ETCコーポレートカードです。高速道路のヘビーユーザー向けに発行された、高速料金が大幅に割引がされるお得なカードとなっています。

掲載日:2020/02/17

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一般のETCカードとETCコーポレートカードは何が違う

出典:https://www.etc-meisai.jp/etc_card.html

ETCコーポレートカードは、仕事で高速道路を利用するときに、通行料金の割引が適用される特別なカードです。

NEXCOが管理する道路で最大40%、首都・阪神高速道路で最大20%の、『大口・多頻度割引』と呼ばれる割引きが受けられます。

一般的にクレジットカード会社が発行するETCカードは、現金払いよりもお買得かつスムーズに料金所を通過でき、料金所を通過した際の時間帯や曜日によって割引サービスが受けられます。

ETCコーポレートカードも従来のETCとシステムはほぼ同じですが、多くの方が利用するクレジットカード会社が発行するETCカードは一般ユーザー向け、ETCコーポレートカードは法人向けという違いがあります。

特に高速道路を頻繁に使用する事業者向けにお買得となるサービスで、ETCコーポレートカードを上手く利用すると、高速道路利用時の経費を数十万円削減することも可能です。

さらに、平日朝6:00~9:00と夕方17:00~20:00に料金所を通過した車両に適応される『平日朝夕割引』、日曜日に高速道路料金が30%割引される『休日割引』、毎日0:00~4:00に30%割引される『深夜割引』といった通常の割引サービスも、もちろん受けることが可能です。

ETCコーポレートカード クレジット会社発行ETCカード
割引 平日朝夕割引
深夜割引
大口多頻度割引 〇【最大40%割引】 ×
首都高・阪神高速割引 〇【最大20%割引】 ×
マイレージ割引 × 〇【約10%ポイント還元】
対象道路 NEXCO管轄 〇(マイレージ付与)
一般有料道路 〇(一部) 〇(マイレージ付与)
首都高速 ×
阪神高速 △【8号京都線のみ】

ETCコーポレートカードの良さ

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ETCコーポレートカードのメリットは、とにかく高速道路や有料の自動車専用道路を安く利用できることです。

利用金額により割引率が高くなるため、NEXCO管轄の高速道路を利用する際は10~30%の割引、ETC2.0を使用していれば20~40%の割引が適応されます。

車両単位の利用額/月 割引率
ETC1.0 ETC2.0
5,000円を超え10,000円まで 10% 20%
10,000千円を超え30,000円まで 20% 30%
30,000円を超える 30% 40%

ETCコーポレートカード使用時の注意点

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通常、ETCカードはETC車載器さえ搭載されていれば利用できるため、ETCカードを持っていればETC車載器を搭載してあるレンタカーや家族・友人のクルマを借りても利用可能です。

しかし、ETCコーポレートカードは使用できるクルマが限定されており、万が一違った車両の車載器にカードを入れて使用すると、ゲートを通過することは可能ですが、割引をうけることはできません。

また、事業で使用する車両の使用者が必ずカード申込人と一致しなければならず、クルマを新たに購入した際はETCコーポレートカードの登録番号を書き換えなければなりません。

クルマ1台に対し、そのクルマでしか使用できないETCコーポレートカードが1枚発行されるため、複数台の社用車を所有する会社は、台数分のETCコーポレートカードを発行しなければならないのです。

個人事業主でも入れる!ETCコーポレートカード加入条件と方法は

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ETCコーポレートカードは法人向けのサービスですが、複数の社員が所属する会社の社用車でしか利用できない訳ではなく、個人事業主でも利用可能です。

個人事業主が業務と私用で使っているクルマがあれば、ETCコーポレートカードに申し込むことが出来ます。

条件としては車両にETC車載器が搭載されていること、そして、首都高速道路または阪神高速道道路を毎月5,000円以上、もしくはNEXCO高速道路を毎月30,000円以上利用することです。

申し込み方法は”1,NEXCOに直接申し込む”、”2,事業協同組合を通して申し込む”の2通りあります。

1,NEXCOに直接申し込む方法

NEXCOへ直接申し込む際は、ネット申込ができず、すべて書類でのやり取りになります。

ETCコーポレートカード取扱窓口に電話で問い合わせて必要書類を送り、そして保証金として10万円を支払わなければなりません。

そのため、小規模な中小企業や個人事業主の方には、この方法はあまり勧めしません。

取扱窓口 所在地 電話番号(直通)
東日本高速道路株式会社 北海道支社 大口・多頻度窓口
(料金サービス課内)
〒004-8512
札幌市厚別区大谷地西5-12-30
011(896)5315
東北支社 大口・多頻度窓口
(料金サービス課内)
〒980-0021
仙台市青葉区中央3-2-1 青葉通プラザ
022(2179)1908
関東支社 大口・多頻度窓口
(料金サービス課内)
〒330-0854
さいたま市大宮区桜木町1-11-20大宮JPビルディング16階
048(631)0220
新潟支社 大口・多頻度窓口
(料金サービス課内)
〒950-0917
新潟市中央区天神1-1新潟プラーカ34階
025(241)5160
中日本高速道路株式会社 東京支社 大口・多頻度窓口
(ETCコーポレートカード係)
〒105-6010
東京都港区虎ノ門4-3-1城山トラストタワー10階
03(5776)5679
八王子支社 大口・多頻度窓口
(ETCコーポレートカード係)
〒192-8648
八王子市宇津木町231
042(691)8261
名古屋支社 大口・多頻度窓口
(ETCコーポレートカード係)
〒460-0003
名古屋市中区錦2-18-19三井住友銀行名古屋ビル
052(222)1230
金沢支社 大口・多頻度窓口
(ETCコーポレートカード係)
〒920-0365
金沢市神野町東170
076(240)4954
西日本高速道路株式会社 関西支社 大口・多頻度窓口
(サービス課内)
〒567-0871
大阪府茨木市岩倉町1-13
06(6344)9288
中国支社 大口・多頻度窓口
(サービス課内)
〒731-0103
広島市安佐南区緑井2-26-1
082(831)4477
四国支社 大口・多頻度窓口
(サービス課内)
〒760-0065
高松市朝日町4-1-3
087(823)4063
九州支社 大口・多頻度窓口
(サービス課内)
〒812-0013
福岡市博多区博多駅東3-13-15
092(260)6133

2,事業協同組合を通して申し込む方法

事業協同組合とは、中小企業や個人事業主がお互いに協力し、中小企業の経営合理化および取引条件の改善を図ることを目的とする団体および組合です。

事業共同組合経由で申し込む際は、入会金として組合出資金の1万円が必要ですが、NEXCOへ直接申し込む際に発生する10万円の保証金は不要で、事業共同組合を退会する時には支払った1万円が戻ってきます。

事業協同組合は、業種や地域ごとにいくつも存在するので、どのような業種の会社が集まっている組合なのか、ETCコーポレートカード以外に加入特典はあるかなどを比較し、自分に合う事業協同組合に加入することをおすすめします。

事業協同組合に入会すれば、ETCコーポレートカードの手続きを事業協同組合が全てやってくれるため、費用や手間を考えるとこちらがおすすめです。

事業協同組合で申し込む際の必要金額と必要書類
必要金額 ・組合出資金:1万円
・カード発行手数料:629円/枚 ※申し込み組合毎に異なります
・カード年間使用料:629円/枚(4月更新) ※申し込み組合毎に異なります
必要書類 ・車検証のコピー
・ETC車載器セットアップ証明書
・確定申告書の控えのコピー(税務署印のあるもの)

※事業協同組合により若干の異なる場合があります。

まとめ

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ETCコーポレートカードは、法人や個人事業主を対象としているため、会社員の方は利用できません。

また、利用すれば、高速料金がかなりお得になりますが、利用可能な車両が登録の時点で限定されるため、使い回しを不可です。

引き落とされるクレジットカードや銀行口座も法人名義のものなので、個人事業主の方でなければ私用で使うのも困難でしょう。

高速道路を利用した際の移動経費を大幅に削減できるのは、中小企業や個人事業主にとって嬉しい内容。

まだ利用していない事業者の方は、ETCコーポレートカードに申し込んでみてはいかがでしょうか。

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