エンジンオイルはエンジンを効率よく動かすために欠かせないものであり、「車の血液」と言われるほど大切です。エンジンオイルには様々な種類がありますが、何を基準に選べばいいのでしょうか。

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エンジンオイルとは

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB#/media/File:Motor_oil_refill_with_funnel.JPG

エンジンオイルは単なる潤滑油ではなく、エンジン各部の冷却や清浄、防錆など、エンジン本体を守る役割も担っています。

  • 潤滑作用

金属摩擦を減らし、エンジンをスムーズに動かす

  • 密封作用

ピストンとシリンダーの間に膜を張り、エンジンの爆発力が逃げるのを防ぐ

  • 冷却作用

エンジン内部の熱を吸収することで、オーバーヒートを防ぐ

  • 清浄

エンジンの汚れや金属のゴミを取り込み、エンジンをきれいにする

  • 防錆作用

エンジン内部に膜を張り、水分や酸が原因の錆を防ぐ

シリンダー内部で過酷な環境下に晒されているエンジンオイルの寿命は短く、高温下でガソリン燃焼時のカーボンを吸収し、劣化していきます。

そのためエンジンオイルは定期的な交換が欠かせず、愛車を長く保つためのコツでもあります。

また、エンジンオイルは製品によって粘度や成分などに違いがあり、オイルを交換する際は、必ず愛車や走り方、季節に適したものを選ぶことが大切です。

エンジンオイルのグレード一覧

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エンジンオイルには様々なグレードがあり、それらは全てAPI(米国石油協会)とILSAC(日米自動車工業会)によって定められており、これらはAPI規格やILSAC規格と呼ばれています。

API規格

出典:https://www.sunoco.co.jp/product/automotive/whats_oil/04/

出典:http://www.yellowhat.jp/product/engine_oil/mametisiki/

API規格はAPI(米国石油協会)が定める規格であり、Sで始まるガソリンエンジン用規格が11ランク、Cで始まるディーゼルエンジン用規格が6ランクに分かれています。

これらは、エンジンオイルの品質をその使用条件によって分類しており、二番目のアルファベットが進むほどオイルの性能が高くなり、一般的にはガソリンエンジン用でSF規格以上、ディーゼルエンジン用でCC以上のグレードが流通しています。

また、最新グレードはSNで、省燃費性能を重視して規格付けされていることが特徴です。

API規格(ガソリンエンジン)

  • SA

添加物を含んでいないオイル

  • SB

最低限の添加物を配合したオイル

  • SC

1964~67年型のガソリン車に使用可能な品質のオイル。錆・腐食防止性、金属摩耗防止効果、堆積物防止効果がある

  • SD

1968~71年型のガソリン車に使用可能な品質のオイル。SCよりも高品質

  • SE

1972~79年型のガソリン車に使用可能な品質のオイル。SDよりも高品質

  • SF

1980年型以降の車に使用可能。酸化防止、高温・低音堆積物防止、錆・腐食防止効果に優れている

  • SG

1989年型以降の車に使用可能。SFの効果にプラスし、動弁系統の耐摩耗効果があり、酸化しにくく、エンジンの寿命を長くする効果がある

  • SH

1993年型以降の車に使用可能。SGの効果にプラスし、スラッジ防止効果やエンジン洗浄効果に優れている

  • SJ

1996年型以降の車に使用可能。SHより高性能で蒸発性、せん断安定性に優れている

  • SL

2001年に制定された規格。SJより省燃費性が向上しCO2削減、排気ガス内のCO、HC、NOx浄化、オイル劣化防止性能効果がある

  • SM

2004年に制定された規格。SLよりも排気ガス浄化・耐久・耐熱性・耐磨耗性能が向上している

  • SN

2010年に制定された規格。SMより省燃費性能の持続性と触媒保護性能が向上している

ILSAC規格

出典:https://www.sunoco.co.jp/product/automotive/whats_oil/04/

ILSAC規格はILSAC(日米自動車工業会)が定める規格であり、API規格のSHクラス以上のエンジンオイルを対象にした省燃費テストに合格したオイルにのみに与えられます。

ILSAC規格が付与されたAPI規格のグレードは、SH、SJ、SL、SM、SNで、最新グレードはGF-5です。

  • GF-1

API規格におけるSHグレードに該当

  • GF-2

API規格におけるSJグレードに該当

  • GF-3

API規格におけるSLグレードに該当

  • GF-4

API規格におけるSMグレードに該当

  • GF-5

API規格におけるSNグレードに該当

エンジンオイルの粘度について

出典:http://www.yellowhat.jp/product/engine_oil/mametisiki/

エンジンオイルを選ぶ際のポイントのひとつが、粘度です。

愛車に適したオイル粘度は、車種や季節によって変わってくるので、全てのエンジンオイルに付与されているSAE粘度をもとに判断しましょう。

SAE粘度は、米国自動車技術者協会が定めているエンジンオイルの粘度に関する基準であり、○W-○○という形で表記されます。

このうち、Wの前につく数字は低温時のオイル粘度を示しており、この数字が低ければ低いほど低温時のオイルが柔らかいので、寒さに強く、エンジンの始動性や燃焼効率がよくなります。

「-」より後ろの数字は高温時のオイル粘度を示しており、この数字が高ければ高いほど高温時はオイルが硬く、熱に強く、スポーツ走行に適しているなど、優れた耐摩耗性を発揮します。

また、ふたつの数字の幅が広いほど、さまざまな季節や走り方に適したエンジンオイルということになるので、この表記をもとに車種や季節、走り方に合ったオイルを選びましょう。

車種によっては省燃費オイルと呼ばれる低粘度オイルを指定しているものもありますが、このオイルを指定の車以外に使うとエンジンを痛めるので、注意してください。

まとめ

エンジンオイルは車の血液とも呼ばれるほど重要な役割を担っています。

さまざまなグレードの中から愛車や季節に適したエンジンオイルを選び、エンジンの寿命を長く保ちながら、その性能を引き出しすことが大切です。

モタガレでは、低温時は滑らかに駆動し、高温時は高い耐久性を発揮する高性能エンジンオイル EX-OILを販売していますので、ぜひ、こちらもチェックしてみてくださいね。

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