クルマを廃車にした際、まだ経過していない期間分の税金が返ってくるのはご存知でしょうか。自動車税や重量税、自賠責保険で支払った金額は、余剰分を還付してくれる制度があるため、クルマを廃車した際に手続きをする事で、いくらかはお金が戻ってきます。そんな廃車時の戻ってくるお金について、ご紹介します。

掲載日:2019/05/31

出典:写真AC

突然の廃車でも余分に支払った税金は戻ってくる

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クルマの廃車時期は、いつ訪れるかわかりません。

事故により修復不可で廃車になったり、突然のクルマの故障が廃車に相当するものだったなんてこともあります。

しかし、自動車税は1年ごと、重量税と自賠責保険は新車購入で3年、継続車検は2年ごとに支払うため、突然廃車になると余分に税金や保険料を払った事に。

そんな余分に支払った分の金額は、還付制度により戻ってきます。

場合によっては、自動車税・重量税・自賠責保険でトータル数万円戻ってくることもあるため、面倒でも還付手続きを行うことがオススメです。

自動車税の還付金

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自動車税は、4月1日時点でクルマを所有している名義人に対して1年分の税額が発生するのですが、自動車税を支払った直後に廃車手続きをしたとしても、その翌月以降から3月までの税金分が還付されます。

しかし、軽自動車を所有する方に課税される軽自動車税には、還付制度がないので、要注意です。

自動車還付金の手続きのやり方

還付金を受け取るには抹消登録をしなければならないのですが、『永久抹消登録』または『一時抹消登録』のどちらでも構いません。

還付申請は特別な手続きは不要で、陸運局で抹消登録手続きを完了すれば、自動的に各都道府県の税事務所まで情報が届きます。

ただし、自動車税は道府県税になるため、各都道府県によって手続きのやり方が異なる場合があるので、正しい方法は抹消登録時に確認してください。

自動車税還付金の計算方法

自動車税還付金は、以下の計算式で求めれます。

所有しているクルマの自動車税の金額 × 残月数 ÷ 12

例として2リッター以下の自家用車を5月に廃車した場合

39,500(1,501~2,000cc以下の自動車税率) × 10(6~3月までの10ヶ月間) × 12 = 32,916

100円未満は切り捨てになるので、還付金は32,900円になります。

4~9月までの自動車税還付金一覧
排気量 4月 5月 6月 7月 8月 9月
1000cc以下 27,000 24,500 22,100 19,600 17,200 14,700
1,001~1,500cc 31,600 28,700 25,800 23,000 20,100 17,200
1,501~2,000cc以下 36,200 32,900 29,600 26,300 23,000 19,700
2,001~2,500cc以下 41,200 37,500 33,700 30,000 26,200 22,500
2,501~3,000cc以下 46,700 42,500 38,200 34,000 29,700 25,500
3,001~3,500cc以下 53,100 48,300 43,500 38,600 33,800 29,000
3,501~4,000cc以下 60,900 55,400 49,800 44,300 38,700 33,200
4,001~4,500cc以下 70,100 63,700 57,300 51,000 44,600 38,200
4,501~6,000cc以下 80,600 73,300 66,000 58,600 51,300 44,000
6,000cc以上 101,700 92,500 83,200 74,000 64,700 55,500
10~3月までの自動車税還付金一覧
排気量 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1,000cc以下 12,200 9,800 7,300 4,900 2,400
1,001~1,500cc 14,300 11,500 8,600 5,700 2,800
1,501~2,000cc以下 16,400 13,100 9,800 6,500 3,200
2,001~2,500cc以下 18,700 15,000 11,200 7,500 3,700
2,501~3,000cc以下 21,200 17,000 12,700 8,500 4,200
3,001~3,500cc以下 24,100 19,300 14,500 9,600 4,800
3,501~4,000cc以下 27,700 22,100 16,600 11,000 5,500
4,001~4,500cc以下 31,800 25,500 19,100 12,700 6,300
4,501~6,000cc以下 36,600 29,300 22,000 14,600 7,300
6,000cc以上 46,200 37,000 27,700 18,500 9,200

自動車還付金はいつ届くのか

陸運局で廃車手続きが完了すれば、約2ヵ月で通知が届きます。

その後、通知と身分証明書、印鑑を持って金融機関へ行けば、還付金を受け取ることが可能です。

自動車重量税の還付金

永久抹消登録申告書 出典:http://www.mlit.go.jp/common/001156789.pdf

自動車重量税還付申請書 出典:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/jidoshajuryo/01.htm

重量税は新車購入時の3年分、車検時の2年分を支払い、自動車税では道府県税だったの対し、重量税は国税になるため国に申告をして納税します。

しかし、重量税は整備工場に車検を依頼した際の車検費用に含まれる場合が大半なので、所有者にとっては納税している感覚は薄いのですが、還付の手続きは自身で行うか、廃車引取業者に代行してやってもらえば、普通車、軽自動車問わず重量税の余った期間分のお金が返ってきます。

ただし、エコカー制度によって重量税の支払いを免除されている場合には、重量税の還付金を受け取ることができませんので注意が必要です。

自動車重量税の手続きのやり方

重量税還付の条件は、廃車にするクルマが解体処理されていることと、永久抹消登録(軽自動車の場合は自動車検査証の返納)がされていることです。

還付申請書の様式は、永久抹消登録申告書又は解体届書と一体になっているため、永久抹消登録申請又は解体届出の手続きと同時に行い、その際は実印と実印の印鑑証明書が必要。

これら手続きは陸運局で行われ、手続き完了後に所轄税務署へ引き継がれ、申告書の審査など所要の手続が的確に行われていることが確認されたら還付金が支払われます。

自動車重量税の還付金の計算方法

還付金は次の計算式で割り出せます。

還付金 = 重量税 × 残車検期間 ÷24(車検有効期間)

新車登録から初回継続車検の間に廃車を行った場合は、車検有効期間は36になります。

重量税還付金一覧
残っている期間 軽自動車 1トン以下 1~1.5トン 1.5~2トン 2~2.5トン 2.5~3トン
1ヵ月 367円 1,050円 1,575円 2,100円 2,625円 3,150円
2ヵ月 734円 2,100円 3,150円 4,200円 5,250円 6,300円
3ヵ月 1,100円 3,150円 4,725円 6,300円 7,875円 9,450円
4ヵ月 1,467円 4,200円 6,300円 8,400円 10,500円 12,600円
5ヵ月 1,834円 5,250円 7,875円 10,500円 13,125円 15,750円
6ヵ月 2,200円 6,300円 9,450円 12,600円 15,750円 18,900円
7ヵ月 2,567円 7,350円 11,025円 14,700円 18,375円 22,050円
8ヵ月 2,934円 8,400円 12,600円 16,800円 21,000円 25,200円
9ヵ月 3,300円 9,450円 14,175円 18,900円 23,625円 28,350円
10ヵ月 3,667円 10,500円 15,750円 21,000円 26,250円 31,500円
11ヵ月 4,034円 11,550円 17,325円 23,100円 28,875円 34,650円
12ヵ月 4,400円 12,600円 18,900円 25,200円 31,500円 37,800円
13ヵ月 4,767円 13,650円 20,475円 27,300円 34,125円 40,950円
14ヵ月 5,134円 14,700円 22,050円 29,400円 36,750円 44,100円
15ヵ月 5,500円 15,750円 23,625円 31,500円 39,375円 47,250円
16ヵ月 5,867円 16,800円 25,200円 33,600円 42,000円 50,400円
17ヵ月 6,234円 17,850円 26,775円 35,700円 44,625円 53,550円
18ヵ月 6,600円 18,900円 28,350円 37,800円 47,250円 56,700円
19ヵ月 6,967円 19,950円 29,925円 39,900円 49,875円 59,850円
20ヵ月 7,334円 21,000円 31,500円 42,000円 52,500円 63,000円
21ヵ月 7,700円 22,050円 33,075円 44,100円 55,125円 66,150円
22ヵ月 8,067円 23,100円 34,650円 46,200円 57,750円 69,300円
23ヵ月 8,434円 24,150円 36,225円 48,300円 60,375円 72,450円
24ヵ月 8,800円 25,200円 37,800円 50,400円 63,000円 75,600円

自動車重量税の還付金はいつ届くのか

重量税の還付は、おおむね2か月半程度かかります。

永久抹消登録申告書のなかに、振込先口座を記入する欄があり、そこへ振り込まれます。

自賠責保険の返戻金

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自動車損害賠償責任保険(通称:自賠責保険)は、国内で走るクルマに義務づけられる強制保険で、新車購入時に3年分、車検時に2年分を一括で支払います。

自賠責保険は、国や道府県でなく保険会社が提供するものなので、廃車してから保険会社で解約手続きをすれば普通車、軽自動車問わず残金が返金される流れです。

自賠責保険の手続きのやり方

自賠責保険の返戻金が発生する条件は、抹消登録していることで、永久抹消登録または一時抹消登録のどちらでも構いません。

自賠責保険加入は取次店(代理店)により行われるため、解約申告は自賠責保険証に記載されている保険会社の最寄の支社や営業所で行うか、保険会社のカスタマーセンターに連絡をして自賠責保険承認請求書を郵送で送ってもらいます。

取次店からも解約手続きが可能ですが、解約申告の書類が保険会社に提出されるまで一定時間を要する場合もあるので、直接保険会社で行う方がスムーズです。

解約申告の書類は、自賠責保険承認請求書、本人確認書類、返戻金振込先口座、印鑑、廃車確認書類が必要となります。

自賠責保険の返戻金の計算方法

自賠責保険の返戻金は以下の計算式で割り出せます。

普通自動車の返戻金 = 自賠責保険残期間(月数) × 860円
軽自動車の返戻金 = 自賠責保険残期間(月数) × 830円

軽自動車・普通車の自賠責保険返戻金一覧
軽自動車 普通車
1ヵ月 900円 960円
2ヵ月 1,800円 1,920円
3ヵ月 2,690円 2,870円
4ヵ月 3,590円 3,830円
5ヵ月 4,490円 4,790円
6ヵ月 5,390円 5,750円
7ヵ月 6,280円 6,700円
8ヵ月 7,180円 7,660円
9ヵ月 8,080円 8,620円
10ヵ月 8,980円 9,580円
11ヵ月 9,870円 10,530円
12ヵ月 10,770円 11,490円
13ヵ月 11,690円 12,470円
14ヵ月 12,600円 13,450円
15ヵ月 13,520円 14,420円
16ヵ月 14,430円 15,400円
17ヵ月 15,350円 16,380円
18ヵ月 16,260円 17,360円
19ヵ月 17,180円 18,330円
20ヵ月 18,080円 18,330円
21ヵ月 19,010円 20,290円
22ヵ月 19,920円 21,270円
23ヵ月 20,840円 22,240円
24ヵ月 21,750円 23,220円

自賠責保険の返戻金はいつ届くのか

自賠責保険承認書類を記入に必要書類を提供すれば、10日から2週間程度で口座に返戻金が振り込まれます。

まとめ

出典:写真AC

廃車時の還付金や返戻金は、廃車引取業者が一括して代行してくれる場合もあります。

中には代行手数料が無料のところもあるため、廃車をするときも依頼する廃車引取業者を数社比較して選ぶべき。

そうすれば、戻ってくる金額が思った以上に多く、次に購入するクルマの足しになるでしょう。

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